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LEVEL UP リウマチ診療のための関節エコー活用ガイド診断と治療社 | 書籍詳細:LEVEL UP リウマチ診療のための関節エコー活用ガイド

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座(第一内科)

川上 純 (かわかみ あつし) 監修

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座(第一内科)/社会医療科学講座(公衆衛生学)

川㞍 真也 (かわしり しんや) 編集

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座(第一内科)

中村 英樹(なかむら ひでき) 編集

初版 B5判  144頁 2015年05月07日発行

ISBN9784787821812

定価:本体5,200円+税
  

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日常のリウマチ診療において有効なtoolとして注目を集めている関節エコー.本書は,エコーの基礎知識から具体的な症例を呈示して解説されたエコーの実践方法,疾患ごとの所見の特徴や鑑別を要する疾患の所見,エコーガイド下の手技など,エコー/リウマチ領域のエキスパートにより,初心者にも理解しやすいようにコンパクトにまとめられた,診療現場で役立つ実践ガイド.

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目次

発刊に寄せて   小池隆夫
序文   川上 純
執筆者一覧
凡例

A. 超音波を取り入れた関節リウマチ診療の基礎知識
関節リウマチ診療の基礎知識 …川上 純
 Column 超音波所見における滑膜,骨びらん,新生血管 …川㞍真也

B.関節リウマチにおける超音波検査の基礎知識
超音波の基本原理と検査機器の特徴,使い方 …成田明宏,邉見美穂子

C.関節リウマチにおける超音波検査の実際
超音波による観察部位と実際の描出 …中原龍一,西田圭一郎

D.関節リウマチにおける超音波所見
1 関節滑膜炎,滑液包炎 …小笠原倫大
2 腱鞘滑膜炎,腱炎,腱付着部炎 …神島 保
3 骨びらん,軟骨障害 …松下 功

E.関節リウマチの診断と治療における実践活用術
1 欧州リウマチ学会(EULAR)による関節リウマチ画像診断の
活用法に関するリコメンデーション …川㞍真也
 Column 今後の研究課題 …川㞍真也
2 早期診断における超音波の有用性 …川㞍真也
Case1 典型的な滑膜炎の検出に超音波が有用であった早期RAのケース
Case2 早期診断に超音波が有用であった2010年RA分類基準を満たさないRAのケース
3 RAの予後予測における超音波の有用性 …大野 滋
Case1 圧痛はあるが明らかな関節腫脹がないケース 
Case2 抗CCP抗体強陽性だが圧痛も自発痛もないケース 
4 治療効果判定における超音波の有用性 …深江 淳
Case1 治療開始後,手指の異常滑膜血流が改善・消失したケース 
Case2 治療開始後,臨床的寛解を達成するも,手指の異常滑膜血流が残存したケース
5 RA寛解判定における超音波の有用性 …池田 啓
Case1 寛解基準を満たしたが超音波上活動性滑膜炎を認めたケース 
Case2 寛解基準は満たさないが超音波上活動性滑膜炎を認めなかったケース 
6 超音波所見とMRI,X線との比較 …玉井慎美
Case1 回帰性RAから進展し,腱鞘滑膜炎のみを認めた早期RAのケース 
Case2 高疾患活動性の進行RAのケース 

F.鑑別を要する疾患の超音波所見
1 鑑別疾患の概説 …川㞍真也
2 リウマチ性多発筋痛症(PMR),RS3PE症候群 …池田 啓
3 結晶誘発性関節炎(痛風,偽痛風) …川㞍真也
4 脊椎関節炎(SpA) …鈴木 毅
5 その他の膠原病(SLE,強皮症,Sjogren症候群など) …有信洋二郎
6 変形性関節症(OA) …布留守敏,伊藤 宣

G.超音波ガイド下手技
超音波ガイド下穿刺の手技と実際 …中原龍一/金子敦史
 Column 超音波ガイド下穿刺の練習方法 …中原龍一


索引
和文 
数字/欧文 

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序文

発刊に寄せて

 関節リウマチ(RA)の日常診療で,簡便で最も優れた検査は何と言っても超音波検査(エコー)であり,10年ほど前から,ヨーロッパを中心に急速に普及してきた.わが国でも,ここ数年エコーがリウマチ診療の現場に浸透し始めている.
 RAの領域は画期的新薬である「生物学的製剤」の登場で「寛解」が治療目標となり,時には「治癒」をも目指せる時代になってきた.しかし現実の診療では,「リウマチの活動性の判定」は,医師が「目で見て」「指で関節を触って」,さらには患者や医師のVAS等々,いまだに極めて主観的な要素の強い判定がなされている.こんな前近代的な状況を打破してくれるのが,エコー検査である.
 エコーを用いることにより,リアルタイムで「活動性の関節炎(滑膜炎)の有無」が判断できる.実臨床で既にお使いになっておられるリウマチ専門医には実感して頂けると思うが,もはやエコーなしでのRAの診療はあり得ない.循環器の専門医が心エコーの所見なしに循環器の診療ができないように,エコーというtoolを持っているリウマチ医は,もはやエコー所見抜きにはRAの診療はできない.もちろん関節エコーの領域は,いまだ発展途上であり解決しなければならない問題は数々あるが,もはやエコー所見なしに「貴方のRAは活動性です」とも「貴方のRAは落ち着いています」とも,患者に伝えることはできない.
 2011年に,日本リウマチ学会は「関節エコー撮像ガイドライン」を,次いで2014年にはその姉妹編にあたる「関節エコー評価ガイドライン」を上梓した.それらにより,わが国における「撮像法」と「評価法」は,ほぼ一定のコンセンサスを得ているが,「関節エコーの活用」,すなわち, 日常のリウマチ診療に関節エコーをどう取り入れて行くのか? どのような所見があれば早期RAと診断できるのか? どのような所見があれば治療を変更すべきなのか? どのように所見が変化すれば(あるいはなくなれば)寛解と言えるのか? RAと鑑別しなければならない疾患の関節エコー所見は? 等々,未解決かつコンセンサスを得ていない問題が残されている.
 そのような問題を解決すべく,長崎大学医学部第一内科の川上 純教授を中心にオールジャパンからなるエコー?/?リウマチ領域のエキスパートにより,本書は編纂されている.エコーの基礎知識はもとより,豊富な臨床経験から得られた症例を提示した「RAの診断と治療における超音波活用術」,「鑑別を要する疾患の超音波所見」さらには「超音波ガイド下手技」の各項目は極めて実際的に記述されてあり,まさに「リウマチ診療のための関節エコー活用ガイド」としてリウマチ診療の現場で役立つものと確信する.

NTT東日本札幌病院院長?/?北海道大学名誉教授
小池隆夫



序 文

 関節リウマチ(RA)の診断と治療は日進月歩で進化しています.2010 RA分類基準をもとにRAを分類・診断し,日本リウマチ学会が編集した「関節リウマチ診療ガイドライン2014」や欧州リウマチ学会(EULAR)からのリコメンデーションに即して治療を考えることが日常的になっています.的確に関節所見を診るのはリウマチ医のゴールド・スタンダードですが,関節エコーはリウマチ医の判断をサポートする非常に有用なtoolです.関節エコーの撮像法や評価法については日本リウマチ学会から2冊のガイドラインが上梓され,EULARによるRA画像のリコメンデーションでも,エコーに関しては多くのエビデンスと用い方が述べられています.
 しかしながら,学会や講演会で全国の先生がたと話をしますと,“関節エコーの必要性はわかりますが,どのような場合に特に有用なのでしょうか?”とか“エビデンスと症例がコンパクトにまとまった関節エコーに関する実践本があればよいですね”などを,耳にすることが多くなりました.これもリウマチ診療にエコーが浸透してきていることの裏付けと思います.そこで今回,まだわからない部分は多々ありますが,みなさんの実地診療にすぐに役立つ知識と症例を可能な限り取り入れ,かつ,現時点でのエビデンスを盛り込んだ「リウマチ診療に生かす初めての関節エコー」を編集いたしました.
 「発刊に寄せて」において,小池隆夫先生が述べられていますように,今回の編集にあたっては,日本リウマチ学会における関節エコーの講習会などで活躍されているエキスパートの先生がたに執筆を依頼いたしました.集まった原稿を目にしますと,いずれのパートも理解しやすいコンパクトな内容に仕上がっております.是非,このテキストを参考にしていただき,関節エコーというすばらしいtoolを最大限に活用し,よりわかりやすいリウマチ診療を実践していただければ幸いです.

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
展開医療科学講座(第一内科)
川上 純