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脳血管内治療の進歩2016診断と治療社 | 書籍詳細:脳血管内治療の進歩2016
治療困難な脳動脈瘤-どう治療するか?~脳血管内治療ブラッシュアップセミナー2015~

神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科部長

坂井 信幸 (さかい のぶゆき) 編集

国立病院機構仙台医療センター脳血管診療部長

江面 正幸 (えづら まさゆき) 編集

虎の門病院脳神経血管内治療科部長

松丸 祐司 (まつまる ゆうじ) 編集

大阪医科大学脳神経外科・脳血管内治療科科長

宮地 茂 (みやじ しげる) 編集

兵庫医科大学脳神経外科学講座教授

吉村 紳一(よしむら しんいち) 編集

初版 B5判 並製 216頁 2015年11月25日発行

ISBN9784787822239

定価:本体4,800円+税
  

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脳血管内治療の普及とレベルアップを目的に開催される「脳血管内治療ブラッシュアップセミナー」の演題をまとめたイヤーブックの第6号.エキスパートの基本技術から応用テクニック満載のセミナー演題に加え,実臨床に山積する課題をテーマにをとりあげ,症例呈示とエキスパートのディベートや質問回答コーナーも掲載した充実の内容.最新のデバイスと治療技術を知るための定番書籍.

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目次

序 文/坂井信幸・他
執筆者一覧

脳血管内治療ブラッシュアップセミナー2015
I 私ならこう治療する,こう治療した-硬膜動静脈瘻
① Borden分類に基づくdAVF治療戦略立案の基本/佐藤 徹
1 はじめに
2 dural AVFの分類
3 dural AVFの自然歴
4 Borden分類を用いたdAVFの治療目標および治療法
5 dAVF治療戦略におけるCheck point
6 症例から学ぶdAVF治療戦略立案の実際
7 おわりに
② dAVFの経静脈的塞栓術-MRIによる閉塞静脈洞の評価-/鶴田和太郎
1 はじめに
2 MRIを用いた閉塞静脈洞の評価法
3 閉塞下錐体静脈洞の評価
4 閉塞上錐体静脈洞の評価
5 閉塞静脈洞アプローチの到達率
6 まとめ
③ シャント系疾患における液体塞栓物質の使用のコツ/キッティポン スィーワッタナクン
1 液体塞栓物質
2 塞栓の実際-penetration別的考え方
3 硬膜血管に対する液体塞栓物質使用のコツ・注意点
4 実際の塞栓における注意点
5 おわりに
④ dAVFの血管構造-Angioarchitecture of dural AVFs-/田中美千裕
1 はじめに
2 硬膜静脈洞の発生
3 頭蓋骨の発生(神経頭蓋と内臓頭蓋)
4 発生母地の違いに基づいた頭蓋骨と脊椎の硬膜と軟膜の静脈系
5 硬膜静脈洞発生の全体像
6 海綿静脈洞(cavernous sinus)の発生
7 Angioarchitecture同定のために有効な撮像法
II 頚動脈ステント留置術,脳動脈瘤コイル塞栓術 ガイディングカテーテル誘導からシース抜去まで
A.頚動脈ステント留置術
① 頚動脈ステント留置術の標準手技-いかに合併症を回避するか-/小林英一
1 はじめに
2 脳卒中治療ガイドライン2015とCASの適応
3 CASを安全に施行するための術前評価
4 CASを安全に施行するためのポイント
② 頚動脈ステント留置術の合併症とその対策/山上 宏
1 はじめに
2 遠位塞栓症
3 過灌流症候群
B.脳動脈瘤コイル塞栓術
① 脳動脈瘤コイル塞栓術の標準的手技/東 登志夫・他
1 はじめに
2 術前準備
3 周術期抗血栓療法
4 セットアップ
5 ガイディングカテーテル留置
6 Working projection
7 マイクロカテーテルの選択とその誘導
8 コイルの種類と選択
9 コイルの選択と留置
10 アシストテクニック
11 手技終了時に確認すること
12 まとめ
② 脳動脈瘤コイル塞栓術のトラブルシューティング/石井 暁
1 動脈瘤破裂
2 血栓症
3 コイルのアンラベル
4 離脱したコイルのmigration/protrusion
5 血管損傷
6 まとめ
III 私ならこう治療する,こう治療した-脳動脈瘤
① 脳動脈瘤コイル塞栓術-手術操作の基本手技/石橋敏寛
1 Yコネクタの操作
2 マイクロカテーテルの操作
3 マイクロガイドワイヤーの進め方
4 siphonを超えるときのマイクロガイドワイヤーの操作のTips
5 パターンの認識をする
6 3Dプリンターを用いたマイクロカテーテルのシェイピング
② 脳動脈瘤治療用頭蓋内ステント(Closed-cell type)誘導・留置の基本と応用/長谷川 仁
1 はじめに
2 VRDのスペックと特性
3 VRD誘導・留置の基本
4 VRD誘導・留置の応用
5 おわりに
③ ステント支援下コイル塞栓術のtips & pitfalls/泉 孝嗣
1 ステントの適応と選択
2 ステントおよびマイクロカテーテルの留置方法
3 コイリング
④ 脳動脈瘤コイル塞栓術における周術期抗血小板療法の現在
  -何を指標に,どれがいつまで必要か?-/榎本由貴子
1 はじめに
2 シンプルテクニック時代の抗血小板療法
3 ステントアシスト時代の抗血小板療法
4 Flow Diverter時代の抗血小板療法
IV 私ならこう治療する,こう治療した-急性再開通など
① CT based revascularization-再開通時間短縮による転帰向上の試み-/近藤竜史・松本康史
1 はじめに
2 再開通遅延因子
3 CT based revascularizationの試み
4 まとめ
② 脳主幹動脈の動脈硬化性病変に対する急性期血行再建術/津本智幸
1 はじめに
2 術前診断:塞栓性閉塞か,動脈硬化性閉塞か
3 治療に必要なデバイス
4 部位別治療戦略
5 代表症例
③ 急性再開通治療の最新エビデンスと実臨床での活かし方/早川幹人
1 はじめに
2 各試験の研究デザイン
3 各試験の結果
4 RCTから読みとれること~実臨床への活用~
5 おわりに
④ 小児脳動脈瘤の治療-コイル塞栓術からFlow Diverterまで-/立嶋 智
1 はじめに
2 当院における小児脳動脈瘤の特徴
3 血管内治療の役割
4 Flow Diverterなどのステント留置と抗血小板療法
5 Flow Diverterの役割
6 おわりに
V 治療困難な脳動脈瘤-どう治療するか?
A.治療戦略を検討する前に知っておくべきこと
① 流体解析はここまで進んだ-1/庄島正明
1 流体解析の今と昔,どう違う?どう進歩した?
2 脳動脈瘤の血流の特徴
3 よい血流と悪い血流
4 ステントによる血流の変化
5 おわりに
② 流体解析はここまで進んだ-2/河野健一
1 はじめに
2 数値流体解析(CFD)とは
3 流体解析は臨床の役に立つのか?
4 どうすれば臨床に役立てることができるのか?「脳動脈瘤流体解析 世界大会2015」
5 流体解析を行いたい方へ
③ 母血管閉塞の可否の評価とその功罪/今村博敏・他
1 はじめに
2 BOT
3 母血管閉塞術
4 おわりに
B.治療戦略を検討する前に知っておくべきこと
① 血栓化動脈瘤の治療-非血栓化大型脳動脈瘤の外科手術-/飯原弘二,西村 中,佐山徹郎
1 はじめに
2 血栓化動脈瘤の増大機序
3 血栓化動脈瘤,非血栓化大型動脈瘤に対する外科治療
4 おわりに
② Flow Diverterを使わなくても血管内治療はここまでできる‼
  -種々のネックブリッジテクニックとステント留置法-/寺田友昭
1 ネックブリッジテクニック(neck bridge technique)
2 ネックブリッジ後のカテーテル導入テクニック
3 ステント留置方法
③ Neck bridge stentの可能性と限界-そしてFlow Diverter stentに期待すること-
  /松本康史・佐藤健一・近藤竜史
1 Neck bridge stentの可能性
2 Neck bridge stentの限界
3 Flow Diverter stentに期待すること
C.新しい治療はどんな治療か?
① 頭蓋内ステントの抗血栓マネージメント-何に気をつけるか?-/早川幹人
1 はじめに
2 SACEおよびFDの虚血性・出血性合併症の発症率と実態
3 頭蓋内ステント留置時の抗血小板療法のプロトコル
4 VerifyNowによる血小板機能検査と“therapeutic window”
5 おわりに
② Flow Diverter-どんな機器なのか?-/石井 暁
1 はじめに
2 国内で導入予定のFlow Diverter
3 Pipeline Flex留置手技の実際
4 Flow Diverter手技の難しさ
③ Flow Diverter-国内臨床治験速報-/大石英則
1 はじめに
2 適応と周術期管理
3 国内臨床治験結果
4 国内外の治療成績比較
5 国内臨床治験からわかったこと
6 おわりに
④ Flow Diverter-米国の現状と今後-/立嶋 智
1 はじめに
2 論文化された臨床試験
3 現在進行中の試験
4 施設経験と成績1:閉塞率と有害事象
5 施設経験と成績2:虚血性合併症と血小板凝集能
6 施設経験と成績3:出血性合併症
7 おわりに

徹底討論
 症例呈示とエキスパートのディベートから学ぶ
モデレータ:江面正幸,坂井信幸,宮地 茂
パネリスト:飯原弘二,石井 暁,泉 孝嗣,伊藤 靖,大石英則,木内博之,塩川芳昭,
       杉生憲志,立嶋 智,寺田友昭,廣畑 優,藤中俊之,松丸祐司,松本康史,吉村紳一

誌上回答コーナー
 エキスパートがズバリ!あなたの疑問に答えます
監 修:坂井信幸,吉村紳一
回答者:榎本由貴子,河野健一,佐藤 徹,里見淳一郎,庄島正明,立嶋 智,津本智幸,
     長谷川 仁,早川幹人,山上 宏
Q1 急性期のCASはWallstentを用いる方が安全なのでしょうか?
Q2 ダイアモックスの注意勧告以降,術前脳循環評価はどのように行っていますか?
Q3 NOAC内服患者さんの,術前のヘパリン置換や,術後の管理はどうされていますか?
Q4 DAPT+NOACは,何か月続ければいいのでしょうか?
Q5 上甲状腺動脈などがバルーンで止められずflowが残った場合も,外頚のバルーンの位置は調整せずに
   手技を継続するのですか?
Q6 ICからPcom経由で,右P1~左P1にステントを置くことはできませんか?
Q7 ステント留置直後に血栓が形成された場合,オザグレル動注は行いますか?
Q8 ステント留置直後に血栓が形成された場合,rtPA動注は駄目ですか?
Q9 穿刺から再開通までの時間は,発症からステントを置いた瞬間のimmediate flow restrationまでと
   すべきですか?それとも最終再開通までとすべきですか?
Q10 急性閉塞例で,マイクロカテーテルとガイディングカテーテルの両方から同時に行う撮影法は有効ですか?
Q11 2個の動脈瘤がある場合,近位の瘤から治療するのは危険でしょうか?
Q12 ふたこぶ側のフレームコイルには何を使いますか?
Q13 動脈瘤塞栓時にステントのマーカーが血管内で浮いているように見えるのは,問題ありませんか?
Q14 ステント支援動脈瘤塞栓後の再治療の問題には何がありますか?
Q15 Pipeline flexではshorteningは考えなくてよいのですか?
Q16 近位母血管径よりも,動脈瘤ネック部分の母血管径に合わせたほうが,flow diversion効果が高いという
   ことですか?
Q17 Flow Diverter(FD)におけるワーキングアングルを規定する因子は何ですか?
Q18 複数の目で見るということでしたが留置時のチェックボイントは?
Q19 Navienの位置,コントロールについては,何か要点はありますか? 硬膜内まで誘導できますか?
Q20 ここでいうポロシティという言葉の意味は?
Q21 Pipeline留置後の自然経過として,いつごろから動脈瘤が閉塞してくるのですか?
Q22 Jet flowが残ったら2枚に重ねるのですか?

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序文

 脳血管内治療ブラッシュアップセミナー(Brushup Seminar of Neuroendovascular Therapy:BSNET)は,脳血管内治療技術と機器研究会が運営する脳血管内治療の最新情報の提供と教育を目的としたセミナーで,2010年にそれまで代表幹事(発足当時)が運営してきた3つのセミナーをまとめて発足しました.2013年は,日中韓の3カ国持ち回りで開催しているEACoN(East Asian Conference of Neurointervention)を併催し,多くの参会者を得て盛会裏に終えることが出来ましたが,2015年もこれまで同様,BSNETで行われたレクチャーの内容に加筆訂正した原稿を中心として「脳血管内治療の進歩2016」としてお届けすることになりました.まず,執筆者各位に厚く御礼申し上げます.
 この「脳血管内治療の進歩2016」には,BSNET2015で取り上げたテーマ「治療困難な脳動脈瘤-どう治療するか?」を中心にセミナーで行われた講演が収められています.第I部は硬膜動静脈瘻治療のコツと実際,第II部,第III部はそれぞれ頚動脈ステント留置術と脳動脈瘤塞栓術のガイディングカテーテル誘導からシース抜去までの基本技術,コツと合併症対策を紹介,第IV部では急性再開通治療で駆使しているエキスパートの治療の実際のノウハウをあますところなく解説,第V部では治療困難な脳動脈瘤の治療について,治療戦略を検討する前に知っておくべき知識,新しい治療法であるFlow Diverterの紹介などを多角的にとらえ,症例呈示とエキスパートのディベートの一部を取り上げました.また,今回もライブ会場で寄せられた多くの質問の中から,臨床で直面する問題を選び,エキスパートがそれぞれの立場から回答したコーナーを掲載しました.
 これから脳血管内治療に積極的に取り組もうとされる先生はもちろんのこと,すでに経験を積んだ先生方にも大いに参考になる企画となったと思います.このイヤーブックが脳血管内治療の発展に少しでも貢献できることを願っています.すべての関係各位に厚く御礼を申し上げます.

2015年11月
脳血管内治療ブラッシュアップセミナー 代表幹事
坂井信幸,江面正幸,宮地 茂
 同編集幹事
松丸祐司,吉村紳一