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書籍詳細

クリニカルクエスチョン

糖尿病治療薬クリニカルクエスチョン120診断と治療社 | 書籍詳細:糖尿病治療薬クリニカルクエスチョン120
多様な薬剤をうまく使いこなすために

横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授

寺内 康夫 (てらうち やすお) 編集

横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学

田島 一樹 (たじま かずき) 編集

横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学

近藤 義宣(こんどう よしのぶ) 編集

初版 B5判 並製 264頁 2016年05月25日発行

ISBN9784787822246

定価:本体5,300円+税
  

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糖尿病治療は,新たな機序の新薬が登場したことで,いかに使いこなしていくかが重要となってきている.これら治療薬を有効活用して適切な治療が行えるよう,本書は臨床上の疑問に答えるCQ形式をとり,第一線のエキスパートが,基礎知識から臨床応用に至るまで,その注意すべき点やコツとピットフォールなどあますところなく,かつコンパクトに解説した.糖尿病に診療に携わる医師,メディカルスタッフ必読の書.

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目次

発刊にあたって 寺内康夫

Chapter Ⅰ  経口糖尿病治療薬の基礎知識

Q1 経口糖尿病治療薬の種類を教えてください.
Q2 経口糖尿病治療薬の選択・併用の基本を教えてください.
Q3 経口糖尿病治療薬以外の薬物治療への変更・追加のタイミングを教えてください.
Q4 若年やせ型,若年肥満型患者での経口糖尿病治療薬の選び方を教えてください.
Q5 高齢やせ型,高齢肥満型患者での経口糖尿病治療薬の選び方を教えてください.

Chapter Ⅱ  糖尿病注射製剤(インスリン,GLP-1受容体作動薬)の基礎知識

Q6 インスリン製剤の種類を教えてください.
Q7 インスリンデバイスの特徴を教えてください.
Q8 インスリンの治療組み立ての基本を教えてください.
Q9 インスリンに併用する経口糖尿病治療薬を教えてください.
Q10 GLP-1受容体作動薬の種類を教えてください.
Q11 GLP-1受容体作動薬デバイスの特徴を教えてください.
Q12 GLP-1受容体作動薬の治療組み立ての基本を教えてください.
Q13 GLP-1受容体作動薬に併用する経口血糖降下薬とインスリンを教えてください.

Chapter Ⅲ  ビグアナイド(BG)薬を活用する

Q14 BG薬の作用機序を教えてください.
Q15 BG薬のエビデンスを教えてください.
Q16 BG薬が効果的な患者像を教えてください.
Q17 BG薬の標準的な処方例を教えてください.
Q18 BG薬の高用量処方のコツを教えてください.
Q19 BG薬を基本とした併用のコツを教えてください.
Q20 BG薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q21 BG薬の抗腫瘍効果を教えてください.

Chapter Ⅳ  DPP-4阻害薬を活用する

Q22 DPP-4阻害薬の作用機序を教えてください.
Q23 DPP-4阻害薬のエビデンスを教えてください.
Q24 DPP-4阻害薬の血糖降下作用の特徴と予測因子を教えてください.
Q25 DPP-4阻害薬が血圧,検査値に与える効果を教えてください.
Q26 DPP-4阻害薬の標準的な処方例を教えてください.
Q27 DPP-4阻害薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q28 DPP-4阻害薬を基本とした併用のコツを教えてください.
Q29 DPP-4阻害薬を第一選択薬に用いる医師が多くなってきたようですが,理由を教えてください.
Q30 DPP-4阻害薬間の違いを教えてください.
Q31 DPP-4阻害薬と併用する薬剤の選択おける留意点を教えてください.
Q32 インスリンにDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください.

Chapter Ⅴ  スルホニル尿素(SU)薬を活用する

Q33 SU薬の作用機序を教えてください.
Q34 SU薬が第一選択薬となる患者像を教えてください.
Q35 SU薬のエビデンスを教えてください.
Q36 SU薬の標準的な処方例を教えてください.
Q37 SU薬を基本とした併用のコツを教えてください.
Q38 SU薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q39 SU薬の二次無効を防ぐ併用方法を教えてください.
Q40 SU薬のグルカゴンに対する影響を教えてください.

Chapter Ⅵ  チアゾリジン(TZD)薬を活用する

Q41 TZD薬の作用機序を教えてください.
Q42 TZD薬のエビデンスを教えてください.
Q43 TZD薬が効果的な患者像を教えてください.
Q44 TZD薬の標準的な処方例を教えてください.
Q45 TZD薬を基本とした併用のコツを教えてください.
Q46 BG薬と同じインスリン抵抗性改善薬ですが,その使い分けを教えてください.
Q47 TZD薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q48 TZD薬と膀胱癌,骨折,認知症との関連を教えてください.

Chapter Ⅶ  SGLT2阻害薬を活用する

Q49 SGLT2阻害薬の作用機序を教えてください.
Q50 SGLT2阻害薬のエビデンスを教えてください.
Q51 SGLT2阻害薬の血糖降下作用の特徴を教えてください.
Q52 SGLT2阻害薬服用に際して患者に行う指導を教えてください.
Q53 SGLT2阻害薬が血圧,検査値に与える効果を教えてください.
Q54 SGLT2阻害薬が体組成(脂肪組織,筋,骨)に与える効果を教えてください.
Q55 SGLT2阻害薬が第一選択薬となる患者像を教えてください.
Q56 SGLT2阻害薬の標準的な処方例を教えてください.
Q57 SGLT2阻害薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q58 SGLT2阻害薬を基本とした併用のコツを教えてください.

Chapter Ⅷ  α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)を活用する

Q59 α-GIの作用機序,インクレチンとの関係を教えてください.
Q60 α-GIのエビデンスを教えてください.
Q61 α-GIが効果的な患者像を教えてください.
Q62 α-GIの血糖降下作用はあまり強くなくても,第一選択薬となるのか教えてください.
Q63 α-GIは食直前,毎食前に内服しないと効果がないのか教えてください.
Q64 α-GIの標準的な処方例を教えてください.
Q65 α-GIを基本とした併用のコツを教えてください.
Q66 α-GIの注意すべき副作用とその対策を教えてください.

Chapter Ⅸ  速効型インスリン分泌促進薬を活用する

Q67 速効型インスリン分泌促進薬が効果的な患者像を教えてください.
Q68 速効型インスリン分泌促進薬の標準的な処方例を教えてください.
Q69 食事が不規則な患者には,速効型インスリン分泌促進薬とα-GIのどちらがよいのか教えてください.
Q70 速効型インスリン分泌促進薬の注意すべき副作用とその対策を教えてください.
Q71 速効型インスリン分泌促進薬間に違いはあるのか教えてください.

Chapter Ⅹ  配合薬を活用する

Q72 配合薬の種類を教えてください.
Q73 配合薬を使用するメリットとデメリットを教えてください.

Chapter ⅩⅠ  インスリン製剤を活用する

Q74 インスリン製剤のエビデンスを教えてください.
Q75 超速効型インスリン製剤の有効活用を教えてください.
Q76 持効型インスリン製剤が効果的な患者像を教えてください.
Q77 インスリン自己注射指導と血糖自己測定指導のコツを教えてください.
Q78 インスリン自己注射に対する患者心理と拒否する患者への対処法を教えてください.
Q79 インスリン導入時の投与方法と投与量,その後の調整法を教えてください.
Q80 CSIIのフル活用を教えてください.

Chapter ⅩⅡ  GLP-1受容体作動薬を活用する

Q81 GLP-1受容体作動薬の作用機序を教えてください.
Q82 GLP-1受容体作動薬のエビデンスを教えてください.
Q83 GLP-1受容体作動薬が効果的な患者像を教えてください.
Q84 short acting, long acting GLP-1受容体作動薬の有効活用を教えてください.
Q85 GLP-1受容体作動薬の血糖降下作用,体重減少効果の持続性について教えてください.
Q86 GLP-1受容体作動薬と慢性膵炎,膵癌,脈拍数増加を教えてください.

Chapter ⅩⅢ  多様な患者への薬物療法のコツ

Q87 腎機能障害がある場合の薬剤選択を教えてください.
Q88 肝機能障害がある場合の薬剤選択を教えてください.
Q89 心機能低下がある場合の薬剤選択を教えてください.
Q90 ステロイド薬を使用している場合の薬剤選択を教えてください.
Q91 認知症患者の薬物療法で考慮すべきことを教えてください.
Q92 服薬アドヒアランスの悪い患者の薬物療法を教えてください.
Q93 うつ病がある場合の薬物療法で注意すべきことを教えてください.
Q94 妊娠の可能性がある場合の薬物療法で注意すべきことを教えてください.
Q95 妊娠糖尿病,糖尿病合併妊娠におけるインスリン療法で注意すべきことを教えてください.
Q96 体調不良で食事・水分摂取が十分できない場合(シックデイ)の経口糖尿病治療薬,注射薬の投与方法を教えてください.
Q97 インスリン導入後も血糖コントロールが改善しない症例はどうしたらよいでしょうか,教えてください.
Q98 点滴投与時,経腸栄養剤使用時のインスリン使用方法を教えてください.
Q99 周術期のインスリン製剤による管理を教えてください.
Q100 周術期にインスリン製剤以外の薬剤による血糖コントロールが可能かどうか教えてください.
Q101 免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ使用患者の血糖コントロールを教えてください.
Q102 免疫抑制薬使用中の患者の血糖コントロールを教えてください.
Q103 分子標的治療薬使用中の患者の血糖コントロールを教えてください.

Chapter ⅩⅣ  合併症・併発症の管理に必要な薬物療法のコツ

Q104 糖尿病患者の血圧管理目標値とその根拠を教えてください.
Q105 糖尿病患者の降圧薬の使用順番とその量の調節を教えてください.
Q106 糖尿病患者の脂質管理目標値とその根拠を教えてください.
Q107 糖尿病患者の脂質異常症治療薬の使用順番とその量の調節を教えてください.
Q108 糖尿病患者における抗血小板薬のエビデンスを教えてください.
Q109 糖尿病患者における抗血小板薬の使い方を教えてください.
Q110 NAFLD/NASHの診断と経過フォローの方法を教えてください.
Q111 NAFLD/NASHの薬物療法を教えてください.
Q112 糖尿病患者の睡眠障害の特徴を教えてください.
Q113 糖尿病患者の睡眠障害に用いる薬剤を教えてください.
Q114 糖尿病患者の消化管機能障害と便通障害について教えてください.
Q115 糖尿病患者の消化管機能障害と便通障害に用いる薬剤を教えてください.
Q116 血圧の変動が大きい場合の降圧薬の調整法を教えてください.
Q117 腎症4期で血圧が下がらない患者の降圧薬の使用法を教えてください.
Q118 LDL-コレステロールが低下しないときの脂質異常症治療薬の使い方を教えてください.
Q119 CKが上昇しやすい患者の脂質異常症治療薬の使い方を教えてください.
Q120 便秘・下痢が不規則に起こる患者の薬物療法を教えてください.

付録
●付録1:主な糖尿病治療薬一覧
●付録2:本書に出てくる主な試験・研究名
●付録3:本書に出てくる主な略語一覧

索引

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序文

発刊にあたって

 糖尿病患者の増加は世界的な大問題である.日本においても,糖尿病患者数が950万人,予備群が1,100万人と推定されており,まさに国民病となりつつある.糖尿病は合併症も含め,その社会的影響が大きく,糖尿病診療の重要性はますます高まっている.糖尿病診療では食事療法,運動療法,体重管理,禁煙指導など生活習慣に関わる総合的な対策が基本となるが,それだけでは不十分で,薬物療法が必要となる場合が多い.およそ20年前まで実質的にスルホニル尿素薬とインスリン製剤に限られていた糖尿病治療薬は,近年ではDPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬などの新薬の開発がめざましく,またその臨床効果が大きいことから,糖尿病治療がパラダイムシフトしつつあると感じている臨床医も多いことであろう.ただ,その一方で,これだけ多くの薬剤があると十分に使いこなせないとの声もよく聞かれる.このように糖尿病治療薬の使い方が劇的に多様化してきている現状に鑑み,本書ではこれら治療薬の有効活用法に焦点をあてた.
 本書は臨床現場の声を反映したクリニカルクエスチョン(CQ)形式で,基礎知識から臨床応用までをコンパクトに解説するよう企画された.したがって,臨床上の疑問に応えられる内容とし,臨床医が適切な治療を進めるために必要な情報を提供している.
 本書の構成は,まず経口糖尿病治療薬の基本知識,糖尿病治療薬(インスリン,GLP-1受容体作動薬)の基本知識を確認し,その後に各薬剤の特徴と有効な使用法を俯瞰的にまとめている.そして最後に,様々な状況下での薬物療法の工夫についての項目を置いた.
 各項目は,糖尿病臨床のエキスパートにそれぞれの専門分野のノウハウを駆使して患者に最善の治療を行えるよう,注意すべき点,そのコツとピットフォールなどをあますところなく解説している.教科書的な記載やガイドラインの説明だけにとどまらず,執筆者自身の日常臨床の経験を反映した「エキスパート・オピニオン」として踏み込んで記述していただいた.
 本書の読者対象は,糖尿病診療に携わる医師(研修医,糖尿病を専門としない実地医家等),メディカルスタッフなどを想定している.内容はそれほど易しいものではないと企画・編集した私自身が感じているが,だからこそ逆に,自分自身の糖尿病診療のレベルアップを図りたいと考える読者にふさわしい書籍に仕上がったと思う.目次や巻末のキーワードから,読者自身のCQを検索してほしい.あなたの糖尿病治療が今日から変わると確信している.

2016年5月

横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学 教授
寺内康夫