HOME > 書籍詳細

書籍詳細

PT・OTのための
臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 OT版診断と治療社 | 書籍詳細:臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 OT版

川崎医療福祉大学 学長

椿原 彰夫 (つばはら あきお) 責任編集

川崎医療福祉大学医療技術学部リハビリテーション学科 教授

井上 桂子 (いのうえ けいこ) 編集

川崎医療福祉大学医療技術学部リハビリテーション学科 教授

福意 武史(ふくい たけし) 編集

初版 B5判 並製 168頁 2016年12月12日発行

ISBN9784787822321

定価:本体2,500円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


臨床実習で必要なOTの必須知識や施術のポイントを400点のイラストとともに見開き2ページで解説.現場でやるべきこと・やってはいけないことが一目で理解でき,学生や初学者にとってすぐに役立つ一冊.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

発行によせて…椿原彰夫
はじめに…井上桂子

実習前の準備…渡邉 進

第1章 患者への対応の基本
1 患者を尊重したかかわり…大野宏明
2 コミュニケーション技術…大野宏明

第2章 基本的運動療法
A 関節可動域運動
 1 他動運動…石田 弘
 2 筋の伸長…石田 弘
B 筋力増強運動
 1 自動介助運動,自動運動…石田 弘
 2 徒手抵抗運動…石田 弘
 3 器具を用いた運動…石田 弘
 4 等尺性運動…石田 弘
 5 体重を利用した運動…石田 弘

第3章 疾患・障害別作業治療学
A 身体障害
 1 脳血管障害
  ①起居動作…福意武史
  ②移乗動作…福意武史
  ③セルフケア・IADLと自助具…福意武史
  ④上肢機能訓練…福意武史
 2 高次脳機能障害…黒住千春
 3 脳外傷…黒住千春
 4 脊髄損傷
  ①第4・5頸髄節機能レベル…井上桂子
  ②第6・7頸髄節機能レベル―起居・移動動作―…井上桂子
  ③第6・7頸髄節機能レベル―セルフケアほか―…井上桂子
  ④福祉用具・住環境・その他…井上桂子
 5 パーキンソン病…小野健一
 6 脊髄小脳変性症…小野健一
 7 多発性硬化症…小野健一
 8 筋萎縮性側索硬化症…小野健一
 9 関節リウマチ
  ①関節保護指導…山形隆造
  ②装具療法…山形隆造
 10 末梢神経障害
  ①絞扼性…平田淳也
  ②外傷性…平田淳也
 11 骨折
  ①橈骨遠位端骨折…平田淳也
  ②大腿骨頸部骨折…山形隆造
 12 上肢・手の外科
  ①手の機能解剖…妹尾勝利
  ②屈筋腱損傷…妹尾勝利
 13 熱傷…妹尾勝利
 14 上肢切断と能動義手
  ①評価・治療…妹尾勝利
  ②能動義手の操作手順…妹尾勝利
 15 摂食嚥下障害…黒住千春
B 発達障害
 1 脳性麻痺
  ①痙直型…矢吹眞弓
  ②アテトーゼ型…矢吹眞弓
 2 Duchenne型筋ジストロフィー…金山祐里
 3 自閉症スペクトラム障害…金山祐里
 4 注意欠如・多動性障害…金山祐里
C 精神障害
 1 統合失調症
  ①回復過程に応じたかかわり…大野宏明
  ②認知行動障害へのアプローチ…大野宏明
 2 気分障害
  ①うつ状態…田中順子
  ②躁状態…田中順子
 3 神経症性障害
  ①不安障害…田中順子
  ②強迫性障害…田中順子
  ③解離性・転換性障害…田中順子
 4 摂食障害…岡本 幸
 5 アルコール依存症…岡本 幸
 6 パーソナリティー障害…岡本 幸
D 認知症
 1 認知症全般…土屋景子
 2 アルツハイマー型認知症…土屋景子
 3 血管性認知症…土屋景子
 4 レビー小体型認知症…土屋景子
 5 前頭側頭型認知症…土屋景子

第4章 リスク管理
 1 感染予防(標準予防策)…鈴木啓太
 2 リハビリテーション中止基準…高橋 尚
 3 その他疾患…千野根勝行

第5章 資料
 1 評価法一覧…鈴木啓太
 2 検査値・心電図…鈴木啓太

索引

ページの先頭へ戻る

序文

発行によせて

 わが国における「社会保障の2025年問題」を目前に控えて,地域包括ケアシステムをはじめとする高齢者対策が急務となっています.団塊の世代のすべてが後期高齢者となる2025年以降には,社会保障費の増大のみならず,認知症患者の増加や介護の担い手の不足,老老介護,孤独死,介護疲れによる自殺・殺人の問題が深刻化すると予想されています.後期高齢者の介護予防を達成する手段や,いかに自立支援を促進して介護量を減少させるかは,理学療法士・作業療法士の手に委ねられていると言っても過言ではありません.
 リハビリテーションは,従来,医療から福祉への社会復帰の過程とされてきましたが,今や社会参加や機能維持,QOL(quality of life,生活の質)の向上を含む広い概念を包含することとなり,訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイケア)の重要性が提唱されるようになりました.しかし,急性期や回復期の医療におけるリハビリテーションが疎かにされると,満足な生活期を獲得することはできません.したがって,どの時期においても療法士の高い技量が求められています.
 療法士を目指す学生に対してはリハビリテーションの基礎知識が重要との思いで,平成19年に「PT・OT・ST・ナースを目指す人のためのリハビリテーション総論」(椿原彰夫/編著,診断と治療社)の初版を発刊いたしました.リハビリテーションのアウトラインや基礎的な評価法・治療法は理解できると自負しておりますが,この教科書のみで療法士が機能訓練を実践することは不可能です.療法士には知識のみでなく,しっかりとした技術が必要で,学生時代の臨床実習が不可欠です.近年,実習期間中に患者さんに触れる機会を与えられなかったという学生の存在を耳にするようになりましたが,そのような学生が療法士の資格を取得したとしても機能訓練を担当する資格はありません.このような現象が生じた原因は定かではありませんが,実習のイメージを抱けない学生に患者さんを触らせることが危険であるとすれば,そのための教科書が必要となります.そんな思いで執筆されたのが本書です.イラストを見ることによって確実に臨床実習に馴染め,疑問を解決できるように配慮しています.本書は難解な文章を用いずに理解して頂けるように,視覚的にイメージすることをコンセプトとしています.それによって,臨床実習において容易に技術向上に結びつくことを目標としています.本書を片手に臨床実習に取り組み,それが多くの障害者や高齢者の力になれることを強く期待しています.

椿原彰夫


はじめに

 1965年に「理学療法士および作業療法士法」が制定公布され,1966年に第1回作業療法士国家試験が施行されて以来,現在,作業療法士免許取得者は約8万名となりました.作業療法士養成校の数は全国で184校,入学定員総数は7,372名です.このような状況のため,学生向け,作業療法士向けの作業療法に関連した書籍が数多く発刊されています.しかし,それら数多くの書籍を前にして学生はどの本を読んだらいいのかと迷ってしまっているのも現状です.私が作業療法士を目指し学生になった頃は,翻訳による作業療法の本しかなく,卒業する頃にやっと初の日本人作業療法士著者による作業療法の本が出版された時代と比べ隔世の感があります.
 本書には,学生が臨床実習に取り組む際に必要となる,代表的な疾患・障害に対する作業療法の基本知識・技術のうち,治療や指導方法にポイントを絞った内容を記載しました.また一部に,国家試験のためのヒントも盛り込んでいます.
 まず,治療法・疾患の解説を行い,実施する前に確認しておきたいことを示し,イラストで実際に行う治療や指導方法の注意点を示しています.さらに,必要となる評価・観察のポイントを示し,関連した領域の国家試験対策も載せています.
 執筆者は本学で作業療法・理学療法専門科目を教えている教員たちです.本書を執筆するにあたり各項目でポイントを絞り,イラストを使いわかりやすく,さらに文字数をできるだけ少なく,各項目を見開き2ページ内に収めるという条件にしたのですが,これが思った以上に難しい作業となりました.学生に知っておいてほしいことはたくさんありますし,多くのイラストも必要となり,さらに十分な解説も加えるとなると,本書の数倍のページ数が必要となります.そのなかで,絞りに絞った内容とし,学生が臨床実習に取り組む際に基本知識や実技が確認できるものとなるようにしました.
 実際の臨床実習の場面においては,本書のみでは情報量が足りないとは思いますが,治療や指導に関して最低限おさえておきたいことを確認するために本書を活用してくださることを期待しています.

2016年11月
井上桂子