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リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 第2版診断と治療社 | 書籍詳細:リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 第2版

公益社団法人日本リハビリテーション医学会

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン策定委員会 編

初版 A4判 並製 140頁 2018年11月15日発行

ISBN9784787822857

定価:本体3,000円+税
  

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リハビリテーション医療の安全管理指針として,2006 年に刊行された初版の12 年ぶりの全面改訂版です.
 安全管理対策に必須の,「安全管理総論」「運動負荷を伴う訓練を実施するための基準」「医療安全対策」「感染対策」の各分野で49のCQを掲載.エビデンスの確実性,推奨の強さを示し,解説も充実させて,現時点で到達できる最善のガイドラインとした.リハビリテーションに携わる医師,理学療法士,作業療法士必携の書です.

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目次

発刊に寄せて
序文
作成組織
本ガイドラインについて
略語一覧

第1章 安全管理総論

CQ1 リハビリテーション医療において安全管理はなぜ必要か?
CQ2 安全管理に関して施設の整備に何が必要か?
CQ3 安全管理に関して職員の教育に何が必要か?
CQ4 医療事故発生に際してどのように対応するか?
CQ5 安全管理のために参考となるガイドラインはあるか?
CQ6 リハビリテーション医療における医療水準とは何か?
CQ7 診療ガイドラインと裁判の傾向とはどのようなものか?
CQ8 説明および同意の意義と診療録等の記録における注意点はどのようなものか?

第2章 運動負荷を伴う訓練を実施するための基準

運動負荷を伴う訓練を実施するための基準について

1.血圧上昇・低下
CQ1 血圧上昇・血圧低下がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?

2.不整脈
CQ2—1 不整脈が生じている場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ2—2 訓練中に不整脈が生じた場合はどのようにするか?

3.意識障害
CQ3—1 意識障害がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ3—2 訓練中に意識障害が生じた場合はどのようにするか?

4.呼吸異常
CQ4—1 呼吸状態が不良な場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ4—2 訓練中に呼吸状態が不良となった場合はどのようにするか?

5.胸痛
CQ5—1 胸痛がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ5—2 訓練中に胸痛が生じた場合はどのようにするか?

6.筋骨格系の疼痛
CQ6 筋骨格系の疼痛がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?

7.頭痛
CQ7—1 頭痛がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ7—2 訓練中に頭痛が生じた場合はどのようにするか?

8.腹痛
CQ8 訓練中に腹痛が生じた場合はどのようにするか?

9.嘔気・嘔吐
CQ9—1 嘔気・嘔吐がある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ9—2 訓練中に嘔気・嘔吐が生じた場合はどのようにするか?

10.めまい
CQ10—1 めまいがある場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ10—2 訓練中にめまいが生じた場合はどのようにするか?

11.痙攣
CQ11 訓練中に新たな痙攣が生じた場合はどのようにするか?

12.そのほかの症状
CQ12—1 発熱している場合に運動負荷を伴う訓練を行うか?
CQ12—2 浮腫がある場合はどのようにするか?

第3章 安全対策

1.転倒事故
CQ1—1 転倒対策はなぜ必要か?
CQ1—2 転倒リスクのスクリーニングはどのように実施するか?
CQ1—3 転倒対策にはどのような方法があるか?
CQ1—4 訓練中に転倒が生じた場合はどのようにするか?

2.窒息事故
CQ2—1 窒息対策はなぜ必要か?
CQ2—2 窒息リスクのスクリーニングはどのように実施するか?
CQ2—3 窒息対策にはどのような方法があるか?
CQ2—4 訓練中に窒息が生じた場合はどのようにするか?

3.チューブ抜去
CQ3—1 チューブを使用している患者に対する安全対策はなぜ必要か?
CQ3—2 チューブに関連した安全対策はどのようにするか?

4.治療機器
CQ4—1 治療に関連した機器使用に対する安全対策はなぜ必要か?
CQ4—2 治療に関連した機器使用について安全対策はどのようにするか?7

5.患者・部位の誤認
CQ5—1 患者や部位の誤認対策はなぜ必要か?
CQ5—2 患者や部位の誤認対策はどのようにするか?

6.離院・離棟
CQ6—1 離院・離棟の対策はなぜ必要か?
CQ6—2 離院・離棟の対策はどのようにするか?

第4章 感染対策

CQ1 感染対策はなぜ必要か?
CQ2 標準予防策はどのように実施するか?
CQ3 特別な対策が必要な感染症や病原微生物はどのようなものがあるか?
CQ4 経路別感染予防策の方法はどのように実施するか?

資料
・本ガイドライン初版 リハビリテーションの中止基準(参考資料)
・デルファイ投票

索引

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序文

発刊に寄せて

 リハビリテーション医療における安全管理・推進のための本ガイドラインの初版が発刊されたのは2006年のことです.厚生労働科学研究費補助金による「リハビリテーションにおける安全管理に関する全国実態調査(里宇明元先生,他)」の結果分析に文献的考察等を加える形で,日本リハビリテーション医学会関連専門職委員会を中核とした日本リハビリテーション医学会リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン策定委員会(前田眞治委員長)が作成を担当し,完成に至りました.
 私自身も,委員のひとりとして策定にかかわりました.全国各地の病院の協力を得て,各施設の安全管理対策マニュアル等を取り寄せて読み込む作業や,文献収集等を分担して行ったことが思い出されます.
 ガイドラインと銘打ってはいましたが,当時はエビデンスに基づいた調査や研究についての十分な認識をもって,詳細な検討が行えたわけではありません.したがって,現在の基準からみれば診療ガイドラインとよべるレベルには相当せず,マニュアルや指針と命名するのが適当だったのかもしれません.
 一方,それまでになかった類の書籍であり,臨床場面ではわかりやすい目安となっていたようでもあり,増刷を重ねてそれなりの冊数が販売されたと聞いています.とはいえ,発刊からすでに10年以上が経過し,また安全管理がますます重要視される世の中となった今,新たな指針が求められていると考えます.
 2015年度の診療ガイドラインコア委員会において,日本リハビリテーション医学会における今後のガイドライン策定に関する活動計画を検討しました.その結果,内容の重要性と前回発刊からの期間等を考慮して,まずは安全管理に関するガイドラインの改訂を行うことに決定しました.策定委員会の委員長として宮越浩一先生に就任をお願いし,本格的な活動を開始したのが2016年度でした.
 リハビリテーション医療においては,安全管理上の観点等から,リハビリテーション治療を実施しないという判断をせざるを得ない場面はあるでしょう.その一方で,われわれは,実施しないことによる危険性についても十分考慮すべき立場にあると考えます.
 昔の古きおおらかな時代を知る者にとっては,医療に限らず,安全管理やコンプライアンスが重視され,何か問題が発生すると厳しい目に晒される現代は,やりにくさや息苦しさを感じることもあります.しかし,患者・利用者の側に立てば,安全で効果的なリハビリテーション医療を提供してほしいと願うのは当然です.ガイドラインでは標準的な考え方を示すことはできますが,リハビリテーション医療でかかわる患者は多種多様であり,最終的には個別の判断が重要となってきます.本ガイドラインが医療者と患者の双方にとって有用なものとなることを期待いたします.

2018年9月

日本リハビリテーション医学会
診療ガイドラインコア委員会
委員長 高岡 徹


序 文

 リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン(以下,本ガイドライン)の初版は2006年に刊行されました.「医療安全」というキーワードが注目され始めたのは1999~2000年頃であり,当時は画期的なものであったと考えられます.このガイドラインは10年以上にわたってわが国のリハビリテーション医療における安全管理の指針として普及し,医療安全の文化を広めるために重要な役割を果たしてきました.
 この10年の間に,医療における安全管理の重要性の理解が広まり,社会からの要求レベルも高まってきました.さらにガイドライン作成手法も進歩しております.このような背景から,本ガイドラインも改訂の必要性が生じてきました.このため,2016年に本ガイドライン改訂のために,本ガイドライン策定委員会が再結成されました.
 改訂にあたっては,可能な限り近年のガイドライン作成手法に近い方法をとることで,エビデンスに基づいた,臨床現場で使いやすいガイドラインとすることを目指しました.
 しかしながら医療安全に関するランダム化比較試験等の質の高い研究は数少なく,かつ医療機関内で生じた有害事象は論文等にされにくいという限界から,エビデンスは不十分となることが予想されていました.このため,関連する専門書やガイドライン等も参考として作成する方針としました.また,エビデンスの確実性や推奨の強さの設定方法も本ガイドライン策定委員会内のコンセンサスにより独自のものとしております.しかし策定委員会内のコンセンサスのみでは偏った意見が強くなる危険性があると考え,推奨文については,策定委員のみならず,数多くの専門家からのコメントと投票を取り入れることとしました.
 このようにして,現時点で到達できる最善のガイドラインを目指してきましたが,未熟な部分も多々あると考えております.今後も本ガイドラインを利用される皆様からのフィードバックをいただき,より質の高いガイドラインへと改訂が継続されていくことを期待しております.
 なお,本ガイドラインの使用にあたり,推奨の記載事項をそのまま個々の患者に適応することが最善の治療につながるとは限りません.リハビリテーション医療の対象となる患者の状態は多様であり,さらに医療機関の状況も様々であると考えられます.ガイドラインの推奨を適応することの「益」と「害」,患者の好みや負担,コストや職員負担等を総合的に考慮し,個別に最善の方法を選択する必要があります.
 本ガイドラインの改訂にあたり多大なご協力をいただいた,協力委員の皆様,初版策定委員会の皆様,執筆協力者の皆様,診断と治療社の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます.
 本ガイドラインがリハビリテーション医療の質と安全の向上に役立つものとなることを心から願っています.

2018年9月

日本リハビリテーション医学会
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン策定委員会
委員長 宮越浩一