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腎疾患患者の妊娠:診療ガイドライン2017診断と治療社 | 書籍詳細:腎疾患患者の妊娠:診療ガイドライン2017

日本腎臓学会学術委員会

腎疾患患者の妊娠:診療の手引き改訂委員会 編集

初版 A4変型判 並製 80頁 2017年04月15日発行

ISBN9784787822864

定価:本体1,800円+税
  

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慢性腎臓病(CKD)等の腎疾患を持ちながら,妊娠・挙児を希望する症例は少なくない.また,妊娠前に異常のない女性でも,ある一定の割合で妊娠高血圧症候群が発症し,その一部は重症化する.本ガイドラインでは,腎疾患を持つ女性の妊娠のリスクや合併症,腎機能評価,血糖・血圧管理,薬剤使用,産褥期の注意点など,日常診療で臨床上重要なCQ25項目を解説.腎臓専門医はもとより,産科医,一般内科医にも活用していただきたい書籍.

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目次

はじめに
前文
腎疾患患者の妊娠:診療の手引き改訂委員会
CQ一覧
主要略語一覧表

Ⅰ 慢性腎臓病(CKD)の重症度分類

Ⅱ 妊娠が腎臓に及ぼす生理的な影響

Ⅲ CKD患者が妊娠を希望した場合のリスク評価
 CQ1  ネフローゼ症候群の患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ2  蛋白尿(3.5 g/日以下)が持続している患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ3  軽度から中等度の腎機能障害患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ4  顕微鏡的血尿が持続している患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ5  高血圧合併患者が妊娠を希望した場合,降圧薬は変更すべきか?
 CQ6  腎炎の病理組織診断により妊娠の予後に違いがあるか?
 CQ7  ループス腎炎の患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ8  抗リン脂質抗体症候群の患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ9  糖尿病性腎症の患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ10 多発性囊胞腎の患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ11 維持透析患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?
 CQ12 腎移植患者の妊娠は合併症のリスクが高いか?

Ⅳ CKD患者の妊娠管理
 CQ1 妊娠中の腎機能はどのように評価するか?
 CQ2 妊娠中の蛋白尿はどのように評価するか?
 CQ3 妊娠中の腎生検は推奨されるか?
 CQ4 CKD患者の妊娠中は腎臓専門医が併診すべきか?
 CQ5 糖尿病性腎症合併患者における血糖管理は非妊娠時と異なるか?
 CQ6 高血圧合併患者における降圧目標は非妊娠時と異なるか?
 CQ7 維持血液透析患者ではどのくらいの透析量(透析回数,時間など)が推奨されるか?
 CQ8 維持血液透析患者ではどのくらいの貧血管理,体重設定が推奨されるか?

Ⅴ 妊娠中に使用できる薬物
 CQ1 妊娠中の高血圧に対して推奨される降圧薬はどれか?
 CQ2 妊娠中に使用できる免疫抑制薬はどれか?

Ⅵ 産褥期の注意点
 CQ1 腎疾患関連薬で授乳中に禁忌となる薬は何か?
 CQ2 妊娠中に出現した蛋白尿が遷延した場合,出産後どのくらいで腎生検を考慮すべきか?
 CQ3 妊娠・出産は長期的な腎予後に影響があるか?

索 引

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序文

はじめに

 妊娠という生命現象が,多くの臓器の生理的な変化を伴うことはよく知られています.腎臓でも,体液量の増加,血管抵抗の低下,血管内皮細胞の機能的変化などを介して,正常妊娠維持のために生理的な負荷がかかり,機能的な変化が起こります.妊娠前に異常のない女性でも,ある一定の割合(定義や母集団によって異なるが約10%前後)で妊娠高血圧症候群が発症し,その一部は重症化します.
 一方,自己免疫疾患や原発性糸球体腎炎などは若年女性でも多い疾患であり,慢性腎臓病(CKD)等の腎疾患を持ちながら,妊娠・挙児を希望する症例は少なくありません.腎疾患を持つ女性の妊娠のリスクや合併症,薬剤使用,血圧コントロールなどについて,患者自身や専門医への紹介も含めて相談を受けることも多いと思われます.これに対応する手引きとして,日本腎臓学会から,『腎疾患患者の妊娠:診療の手引き』が2007年に発刊されました.この手引きは,原疾患別に記載され,妊娠高血圧症候群などの合併症,妊娠時の食事や使用できる薬物もあげられ,妊娠を希望する腎疾患患者や妊娠した腎疾患患者の診療,および他科からのコンサルト対応の参考となっていました.その後,CKDのステージ分類が普及し,意志決定に際しての基本的な考え方の変化,また疾患によっては使用薬剤の変遷等があり,新たなガイドライン改訂を進める必要が生じておりました.このような状況のもと,日本腎臓学会学術委員会「腎疾患患者の妊娠:診療の手引き」改訂委員会が立ちあげられました.
 作成に際して,この領域におけるレベルの高い臨床研究(エビデンス)が不十分であることは予想されましたが,あえて“手引き”ではなく“ガイドライン”といたしました.日常診療におけるクリニカルクエスチョンを取り上げ,それに答える形式をとることとし,当初からアドバイザーとしてご参画いただいた福井次矢先生の,「たとえエビデンスが十分ではなくても,臨床上重要な問題点について,現状のコンセンサスをもって作成することが重要」というご示唆も拠り所といたしました.
 妊娠高血圧の一般的な事項に関しては,日本妊娠高血圧学会から詳細な診療指針が2015年に発刊されており,そちらを参考にしていただきたいと思います.できるだけ重複を避けるため,本ガイドラインは,あくまで“腎疾患患者の妊娠”に焦点を絞りました.したがって,主な利用者は腎臓専門医を想定していますが,産科医や一般内科医にも参考にしていただければ幸いです.
 本書作成にご尽力いただいた多くの委員をはじめ,関連学会のアドバイザー,オブザーバー,事務局の皆様に深く感謝し,このガイドラインが有効に活用されることを念願しています.
 おわりに本ガイドラインの上梓に多大なご尽力をいただいた診断と治療社に感謝申し上げます.


日本腎臓学会
理事長 柏原直樹
腎疾患患者の妊娠:診療の手引き改訂委員会
委員長 成田一衛