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産婦人科漢方研究のあゆみNo.34診断と治療社 | 書籍詳細:産婦人科漢方研究のあゆみNo.34

産婦人科漢方研究会 

初版 B5判 並製 186頁 2017年04月28日発行

ISBN9784787822970

定価:本体2,000円+税

第36回産婦人科漢方研究会学術集会で発表された講演内容を収載.優秀演題の「流産と漢方―免疫学的視点からのアプローチ」や,特別講演として発表された総説「婦人科術後QOLを考慮した漢方治療:特に牛車腎気丸と排膿散及湯の効果」の他、2本の総説と17本の原著,13本の症例報告、全34本をまとめた.

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目次

巻頭言
井坂 惠一

総説
婦人科術後QOLを考慮した漢方治療:特に牛車腎気丸と排膿散乃湯の効果
横山 良仁
はじめに
Ⅰ 神経障害性ラットにおける牛車腎気丸の効果
Ⅱ 牛車腎気丸の神経障害予防効果の機序
1.DNAマイクロアレイによるTRP遺伝子発現のスクリーニング
2.RT-PCRによるTRPV4の定量
3.脊髄後根神経節でのTRPV4蛋白発現の比較
4.TissueマイクロアレイによるTRPV4,インテグリン,Src tyrosine kinaseの発現の比較
5.TRPV4ノックアウトマウスでのパクリタキセル誘発性痛覚閾値の推移
6.脊髄後根神経節細胞の電子顕微鏡所見
Ⅲ TC療法施行中の末梢神経障害に対する牛車腎気丸の効果
Ⅳ 反復性下肢蜂窩織炎と下肢リンパ浮腫に対する
排膿散及湯の効果
Ⅴ 考察
1.牛車腎気丸
2.排膿散乃湯

働く世代の女性のヘルスケアと漢方―婦人科医・産業医の視点から
鈴木 美香
はじめに
Ⅰ ストレスと気の異常
Ⅱ 働く女性をめぐる健康問題
Ⅲ 働く女性の不調を漢方医学で捉える
Ⅳ 当科における働く女性への漢方治療の実際
おわりに

月経前症候群(PMS)に対する漢方薬投与戦略―動物行動学の視点から
佐藤 泰昌  小池 大我  高橋 麗奈  大塚かおり
鈴木真理子  横山 康宏  山田 新尚  森重健一郎
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 症例3
Ⅳ 考察
Ⅴ まとめ

優秀演題
流産と漢方―免疫学的視点からのアプローチ
藤井 達也  永松  健  藤井 知行
緒言
Ⅰ 妊娠免疫におけるiNKT細胞の関わり
Ⅱ 漢方薬が発揮する免疫学的作用
Ⅲ 当帰芍薬散の流産抑制作用
結語

原著
潤腸湯エキスを服用した女性20例の不妊治療への影響の検討
中井 恭子  網  和美  山田 成利  越田 光伸
堀江 延和  蔭山  充  古山 将康  今中 基晴
はじめに
Ⅰ 対象と方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 代表的な症例
Ⅳ 経過
Ⅴ 考察
結語

乳がん術後症例の更年期障害に対する漢方薬とエクオールの改善効果についての検討
佐藤 智子
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

腹圧性尿失禁を有する女性の慢性の咳に対する滋陰至宝湯の有用性
二宮 典子  大林 美貴  中村 綾子  関口 由紀
堀江 延和  蔭山  充  古山 将康
はじめに
Ⅰ 対象と方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 尿失禁の考察
Ⅳ 咳の考察
結語

予定日超過分娩に至った妊婦に対する五積散の臨床的有効性
岡村 麻子  竹島 絹子  田中 奈美  柴田 衣里
長田 佳世  小出 優貴  高橋  晶  星野 朝文
玉野 雅裕  加藤 士郎
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

婦人科がんの放射線腸炎(頻回の水様性下痢)に対する五苓散の有効性
佐藤  啓  山田 真義  原田麻由美  市川真由美
金本 彩恵  松本 康男  杉田  公  根本 建二
はじめに
Ⅰ 対象と研究方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

β型エストロゲン活性を示す生薬の組み合わせによる相乗効果の検討
王  澤蘊  神田 靖士  下埜 敬紀  西山 利正
はじめに
Ⅰ 対象および方法
1.生薬の抽出
2.酵母two-hybrid system
3.測定法
4.生薬の組み合わせによるβ型エストロゲン活性の相加・相乗効果の検討
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

抑肝散加陳皮半夏の婦人科での有用性(PMS/PMDDについて)―加味逍遙散との違い
中原 恭子  中原 章徳  吉本真奈美
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
1.平均年齢
2.自覚症状の特徴
3.四診の比較
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

当院女性専用外来における更年期障害に対する漢方療法について
齋藤 真実  吉越 信一  大田  悟
長谷川 徹  三輪 正彦
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

冷え症・むくみと年齢の関係
針田 伸子  堀江 延和  首藤 達哉
蔭山  充  畑山  博
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

自覚症状としての「冷え」を「冷え症」と診断・治療するために必要な条件の検討
牧田 和也  北村 重和  稲垣美恵子
仁平 敦子  立岡 良久
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
1.重要項目および参考項目の平均選択数
2.重要項目/参考項目以外の平均選択数および19項目全体の平均選択数
3.非該当群における重要項目/参考項目以外の該当項目数
4.非該当群における重要項目/参考項目以外の項目別の該当者数
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

食欲不振を呈するつわりに対する六君子湯の効果
中山  毅  石橋 武蔵  西原富次郎
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

医原性神経障害性疼痛に対する漢方療法への検討
福田  功  中田 英之  松田 秀雄
川上 裕一  小菅 孝明
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 症例3
Ⅳ 考察
結語

外陰部瘙痒症に対する漢方薬の効果
柏渕 成一
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

黄体機能不全における漢方薬の使用経験(2016)
木下 哲郎
はじめに
Ⅰ 対象と方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
おわりに

化学物質過敏症と漢方
大澤  稔  髙山  真  石井  正  八重樫伸生
はじめに
Ⅰ シックハウス症候群と化学物質過敏症
Ⅱ 診断
Ⅲ 患者の拾い上げ
Ⅳ 治療
1.西洋医学的アプローチ
2.東洋医学的アプローチ
結語

マウス子宮内膜症モデルの痛覚過敏に対する当帰芍薬散の疼痛抑制効果
谷口 文紀  柳樂  慶  原田  省
はじめに
Ⅰ 対象と方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

慢性外陰痛(vulvodynia)の漢方治療
―2015 Consensus terminology and classification of persistent vulvar painを踏まえて
塩田 敦子
はじめに
Ⅰ 対象および方法
Ⅱ 結果
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

症例報告
子宮筋腫合併妊娠の疼痛に対し駆瘀血剤により治療した4症例
武田 智幸  谷垣 衣理  明石 英史  塚本 勝城
鈴木 静雄  杉尾 明香  明石 祐史  松本日出男
渡辺 廣昭
はじめに
Ⅰ 対象および方法
1.症例1
2.症例2
3.症例3
4.症例4
Ⅱ 症例のまとめ
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

腹腔鏡下子宮筋腫核出術後の腹痛に対し漢方薬が有効であった1例
吉田 昭三  大野木 輝
はじめに
Ⅰ 症例
1.術後臨床経過
Ⅱ 考察
Ⅲ まとめ

子宮体癌術後の卵巣欠落症状に対し,漢方療法が有効であった1例
中川 潤子  大里 文乃  木戸 道子
安藤 一道  稲木 一元
はじめに
Ⅰ 症例
Ⅱ 経過
Ⅲ 考察
Ⅳ まとめ

漢方が奏効したOCおよびSSRIが無効であった月経前不快気分障害の症例
佐野 敬夫
はじめに
Ⅰ 症例
Ⅱ 治療経過
Ⅲ 考察
おわりに

月経周期に合わせ増悪・寛解を繰り返す蕁麻疹に漢方薬が効果を示した1例
竹内  肇  加藤 育民  千石 一雄  菅野 恭子
はじめに
Ⅰ 症例
Ⅱ 現病歴および経過
Ⅲ 考察
おわりに

冷え性を伴う神経症(不安障害)に柴胡桂枝乾姜湯が奏功した1例
錦織 恭子
はじめに
Ⅰ 症例:前半経過
Ⅱ 症例:後半経過
Ⅲ 考察
1.虚証の不安障害の治療薬としての漢方薬
2.漢方薬とself-efficacy
3.精神疾患と産婦人科
Ⅳ まとめ

漢方薬が有効であった月経前不快気分障害PMDDの3症例
江川 美保  蔭山  充  西村 史朋
清川  晶  小西 郁生
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 症例3
Ⅳ 考察
Ⅴ まとめ

産褥精神病に女神散が有効であった1例
徳毛 敬三
はじめに
Ⅰ 症例提示
Ⅱ 考察

帯下を伴う子宮内避妊器具(IUD)を漢方薬を併用し安全に除去できた2症例
山際 三郎  太田 俊治  加藤 順子  長谷 光洋
伊藤 直樹  友影 龍郎  竹中 基記
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 考察

高齢者女性の精神症状に柴胡剤が奏功した3症例
加藤 士郎  玉野 雅裕  岡村 麻子
星野 朝文  高橋  晶  麦原 匡史
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 症例3
Ⅳ 考察
Ⅴ まとめ

漢方方剤の有症時服用の有用性
吉岡 郁郎  窪田 文香  今西 俊明
はじめに
Ⅰ 対象
Ⅱ 症例
1.症例1
2.症例2
3.症例3
4.症例4
5.症例5
6.症例6
7.症例7
8.症例8
9.症例9
Ⅲ 考察
おわりに

結合型エストロゲン内服中による上下肢のしびれが「腎陰虚」による症状と考えられた一例
下村 貴子  矢数 芳英  遠藤 光史  安田 卓史
緒言
Ⅰ 症例
Ⅱ 診断・処方
Ⅲ 経過
Ⅳ 考察1:腎陰虚について
Ⅴ 考察2:しびれについて
Ⅵ 考察3:六味丸について
結語

切迫早産に対する芍薬甘草湯の効果について
永光 雄造  吉田 理恵  長谷川 瑛
久慈 直昭  寺内 文敏  井坂 惠一
はじめに
Ⅰ 症例1
Ⅱ 症例2
Ⅲ 考察
結語

プロシーディング投稿
NK活性高値を示す不育症患者に対する
漢方療法と気血水スコアの応用
米澤 理可  鮫島  梓  米田 徳子
齋藤 真実  齋藤  滋

編集後記
苛原  稔

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序文

巻頭言

平成28年9月4日(日),東京千代田区のベルサール九段におきまして第36回産婦人科漢方研究会学術集会を開催させていただきました.一般演題には37題のお申込みをいただき,参加者341名と過去最高の参加人数となりました.代表世話人の齋藤 滋先生をはじめ,ご協力いただいた皆様に心より厚く御礼申し上げます.
今回の学術集会では,特別講演として弘前大学の横山良仁先生に「婦人科術後のQOLを考慮した漢方治療」を演題名として,パクリタキセル(PTX)の副作用の一つである末梢神経障害に対する牛車腎気丸の予防効果を客観的に評価し,その機序についての詳細な解析を呈示していただき,臨床的には,治療前の牛車腎気丸服用による末梢神経障害の予防効果,反復性下肢蜂窩織炎や下肢リンパ浮腫に対する排膿散及湯の有用性など,新たな治療法についてお示しいただきました.ランチョンセミナーでは聖隷健康サポートセンターShizuokaの鈴木美香先生に,働く女性のヘルスケアにおける漢方治療の有用性についてご講演いただきました.職場のストレスやQOLによる気分・不安障害を抱える就労女性が増えてきており,そのような症状に対する漢方治療の実際について,職業性ストレスチェックを組み込んだ大変興味深い内容でした.ワークショップにおいては,「産婦人科における痛み」をテーマとして,3名の先生にご発表いただきました.鎮痛剤に頼らない東洋医学ならではの疼痛緩和について,より詳しく学ぶことのできるセッションになったと思います.また,一般演題をお申込みいただいた37題のなかから2題の優秀演題賞を表彰させていただきました.
ここ数年,女性を中心に漢方薬の人気が高くなってきていますが,漢方薬を積極的に処方している医師は実際には少ないと感じます.また,婦人科疾患に対する漢方治療のエビデンスがまだ余り多くないことにより,漢方について詳しく知る機会が少ない我々にとって,産婦人科漢方研究会は大変貴重であると考えます.本書『産婦人科漢方研究のあゆみNo.34』には月経痛,冷えといった多くの女性が抱える症状をはじめ,子宮筋腫や子宮体癌などの婦人科疾患,生殖医療や,産科疾患に至るまで多岐にわたって多くの貴重な論文や症例報告が掲載されております.漢方に興味をおもちになっている先生や,漢方治療を試みようとする先生にとって,本書がその一助になればと願っております.

東京医科大学産科婦人科学分野 主任教授
井坂惠一