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子どもの精神保健テキスト 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:子どもの精神保健テキスト 改訂第2版
医療・心理・教育・保育の授業と現場で役に立つ

青山学院大学教育人間科学部教育学科

古荘 純一(ふるしょう じゅんいち) 著

改訂第2版 B5判 並製 168頁 2019年11月08日発行

ISBN9784787824196

定価:本体2,800円+税
  

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将来子どもと関わる職を目指す学生や現場で働く人に向け,子どもたちの理解と支援について必要な知識を解説した一冊.2015年の初版発行から4年,子どもの精神保健に関するさまざまな出来事が起こり,それに伴い法律や制度が改正された.そんな現状を踏まえ,改訂第2版となる本書では内容をアップデートするとともに “現場で役に立つ” “わかりやすさ” を追求.すぐに読めて理解しやすい “参考書” としてぜひ活用していただきたい.

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目次

はじめに

Ⅰ章 総論 - 子どもの精神発達
1.未成年期(小児期など)の分類
2.乳幼児期の精神保健
3.学童期の精神保健
4.思春期の精神保健
5.青年期,移行期,AYA世代の精神保健
6.精神医学・保健からみた親子関係

Ⅱ章 精神疾患 - 発達障害(神経発達症)
1.発達障害 総論
2.ASD(自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)
3.ADHD(注意欠陥・多動性障害)
4.LD(学習障害)
5.知的発達症(知的障害)
6.吃音
7.DCD(発達性協調運動障害)
8.チック症
9.発達障害の二次合併症

Ⅲ章 その他の精神神経疾患
1.精神疾患の分類
2.不安障害
3.強迫性障害および強迫関連障害
4.トラウマ(心的外傷)およびストレス因関連障害
5.うつ病とその関連
6.統合失調症
7.食行動障害,摂食障害,および排泄症
8.睡眠障害
9.心身症

Ⅳ章 精神病理 - 子どもの心の診療関連の問題
1.子ども虐待
2.不登校とひきこもり
3.自傷・自殺
4.少年非行と素行障害
5.ゲーム障害・インターネット依存
6.喫煙,飲酒,物質(薬物)関連障害
7.子どもの攻撃性
8.性の健康に関連する状態

Ⅴ章 支援環境 - どのように対応するか
1.社会支援の理解とその活用
2.連携,コンサルテーション・リエゾン
3.心理支援
4.家族支援
5.薬物治療

-Column-
【Column1】小児科・精神科双方向からの積極的な連携の構築を
【Column2】発達障害者支援法
【Column3】学年で異なる有病率
【Column4】重症心身障害児
【Column5】ADHDと自尊感情
【Column6】発達障害とQOL研究
【Column7】ICD-11
【Column8】DSM-5
【Column9】怒りを主要症状とする重篤気分調節症
【Column10】心身症の対応にはまず「理解」から
-症例-
【症例1】全般性不安障害の女児の例
【症例2】不登校の背景に統合失調症があった事例
【症例3】ネット依存の男子中学生の例
【症例4】動物虐待の背景に虐待が存在した1例
【症例5】両親の影響で子どものこだわりが強くなった例
【症例6】抗ADHD治療薬を変更した例

索 引

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序文

はじめに

 本書は,2015年9月に発刊した『子どもの精神保健テキスト』の改訂第2版です.初版発刊から4年間に,日本の子どもの精神保健に関する多くの出来事がありました.2019年にゲーム障害がWHOで診断名として採択され,4年間で虐待の相談対応件数は倍増し世間に衝撃を与えた虐待死事件もいくつも起こりました.また,2015年公認心理師制度が公布,2016年発達障害者支援法が改正,同年に障害者差別解消法が施行され合理的配慮を行うことが明記されました.治療薬については,数種類が発達障害の子どもに適応承認されました.4年前のテキストをそのまま増刷すると,新しい内容が織り込めず,一部は現況と合わなくなるため,診断と治療社の編集部の皆さんと相談し,加筆し改訂することとなりました.
 とはいったものの,内容が増えるだけでは,テキストとして使いにくくなります.実際に授業で使用してみても,説明を加えないと学生には理解しにくいところが何か所もありました.そのため,むずかしいところ,誤解が生じやすい場所は,補足を行い,単に加筆するだけではなく,修正・削除を加えながら全体の見直しを行いました.初版は数名の方に共著として手伝っていただいたのですが,改訂版は時間が限られたなかで内容や読みやすさを統一するためにも,一人の著書として作成することにしました.
 ところで,医学用語と一般用語では差があります.用語をどうするか? という点もいろいろと考えました.たとえば,神経発達症と発達障害,子ども虐待と児童虐待などです.本書では必ずしも専門用語に依拠せず,多くの人に受け入れやすい用語を使用しました.最も広く使われている用語を原則としながらも,一部には新しい用語を用いています.用語は今後は,より理解の得やすいものに変わっていくと考えています.
 初版は,医療,心理,教育,看護職など様々な職種を目指す学生さんに読んでもらうようなテキストとしましたが,改訂版は,お読みいただく方の層をより幅広くとらえて,実際に現場で働く人に読んでいただける「参考書」とすることも心がけました.学生のテキストに特化すると,カリキュラムに準拠することになり,その後の臨床に参考書として使いにくくなるためです.そのため副タイトルとして,「授業と現場で役に立つ」と文言を入れました.
 本書は初版と同じく全5章の構成となっています.Ⅰ章は,子どもの精神保健総論です.Ⅱ章とⅢ章は,子どもの精神医学を発達障害とそれ以外に分けて,一般向けに記載しました.Ⅳ章は,精神医学診断と直接関連はしないものの,その関与が不可欠な内容を取り上げました.Ⅴ章は,その対応や支援に関して記載しました.すべての章において,「子どもの視点」で,必ずしも専門としない人にも「わかりやすく」というコンセプトで書いてみました.
 最後に,企画作成の段階からご協力いただいた,診断と治療社編集部の皆さまの協力がなければ,改訂版として発刊できなかったことでしょう.関係の方々に深謝申し上げるとともに,本書が,子どもたちの理解と支援のヒントとなればこのうえない光栄なことです.

2019年9月
夏の日差しが残る大学のキャンパスを眺めながら
古荘純一
青山学院大学教育人間科学部教育学科