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糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第8版診断と治療社 | 書籍詳細:糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第8版
日本糖尿病学会専門医取得のための研修必携ガイド

日本糖尿病学会 編集

改訂第8版 B5判 並製 580頁 2020年12月07日発行

ISBN9784787824325

定価:本体8,500円+税
  

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日本糖尿病学会専門医認定委員会による「糖尿病専門医研修カリキュラム」に準拠したガイドブックの改訂第8版.2017年発行の改訂第7版の項目を改めて大幅に見直した.『糖尿病診療ガイドライン2019』に準拠し,食事療法,患者の自己管理教育・療養指導を充実.新規薬剤や臨床エビデンスについてもアップデート.日本糖尿病学会が総力を結集したスタンダードテキストであり,糖尿病専門医を目指すすべての医師必携の書!

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目次

目 次

改訂第8版への序
初版への序
目 次
編集委員・執筆者一覧
日本糖尿病学会 糖尿病専門医研修カリキュラム
利益相反

第1章 糖尿病の疾患概念
❶糖尿病の概念
 概念(1)
 概念(2)
 概念(3)
 概念(4)

第2章 糖尿病の疫学
❶糖尿病の発症率,有病率
 発症率と有病率
 国際糖尿病連合による糖尿病発症率,
 有病率の推計
 小児1 型糖尿病の発症率
 成人1 型糖尿病の発症率
 2 型糖尿病・耐糖能障害の有病率
 小児2 型糖尿病の有病率
❷糖尿病性合併症の疫学
 糖尿病網膜症
 糖尿病性腎症
 糖尿病性神経障害
 心血管疾患
❸糖尿病患者の死亡率,死因
 死亡率
 死因
❹主要な大規模臨床研究
 発症予防研究
 合併症予防研究
 わが国での研究

第3章 血糖調節機構とその異常
❶血糖の恒常性とその異常
 空腹時の血糖調節機構
 食事摂取時の血糖調節機構
 2 型糖尿病にみる空腹時血糖調節機構の異常
 2 型糖尿病にみる食事摂取時の血糖調節機構の異常
❷膵島とインスリン分泌
 膵島の発生・分化
 インスリンの合成・分泌とその異常
 膵β細胞量とその異常(糖毒性・脂肪毒性等を含む)
❸インスリン作用とインスリン抵抗性
 インスリンの作用機構
 インスリン抵抗性の病態と成因
 肝臓の役割
 骨格筋の役割
 脂肪組織の役割
 中枢神経系の役割
❹インスリン拮抗ホルモン
 グルカゴン
 その他のインスリン拮抗ホルモン
 インスリン拮抗ホルモンと血糖恒常性
❺インクレチンの分類と作用
 インクレチンの分類
 インクレチンの作用
❻インスリン作用と脂質代謝
 インスリンの脂質代謝作用
 インスリン抵抗性要因としての脂肪毒性

第4章 糖尿病の診断
❶診断の進め方
❷糖尿病の診断に必要な検査とその解釈
❸病型・病期・病態の検討のための検査
❹高齢者・小児・妊娠時における糖代謝異常
❺境界型とメタボリックシンドロームの診断と意義
 境界型の診断と臨床的意義
 メタボリックシンドロームの診断と臨床的意義

第5章 糖尿病と糖代謝異常の成因と分類
❶糖尿病における成因と病態
❷1型糖尿病の成因と分類
 1型糖尿病の定義と分類
 1型糖尿病の成因:自己免疫異常,遺伝因子
 1型糖尿病の成因:環境因子
 緩徐進行1型糖尿病
 劇症1型糖尿病
❸2型糖尿病の定義と成因
 2型糖尿病の定義
 2型糖尿病の成因:遺伝因子
 2型糖尿病の成因:環境因子
❹その他の特定の機序,疾患によるもの
 遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
 他の疾患,条件に伴うもの
❺妊娠糖尿病の定義
 成因と分類における妊娠糖尿病
 妊娠中の糖代謝異常の定義と診断基準
 診断基準の根拠
 妊娠中の糖代謝異常のスクリーニング
 妊娠糖尿病および妊娠中の明らかな糖尿病の
 出産後のfollow-up
❻発症遺伝子の解析
 解析法の種類
 遺伝疫学的解釈

第6章 臨床検査の意義と評価法
❶検査の意義と評価法
 血糖値(簡易測定も含む)
 持続グルコースモニター(CGM)
 インスリン
 Cぺプチド
 プロインスリン
 グルカゴン
 HbA1c
 グリコアルブミン
 1,5-AG
 クレアチニン,シスタチンC,eGFR
 血清脂質・リポタンパク
 自己抗体
 ケトン体分画(血液,尿)
 尿糖
 尿タンパク
 尿中アルブミン
 その他の尿パラメーター
 尿沈渣
❷インスリン分泌能・感受性の評価
 HOMA-IR,HOMA-β
 経口ブドウ糖負荷試験
 経静脈ブドウ糖負荷試験
 アルギニン負荷試験
 グルカゴン負荷試験
 インスリン負荷試験
 SSPG法
 グルコースクランプ
 ミニマルモデル
❸生理学的検査の活用
 ABI,PWV,CAVI
 血管内皮機能検査
 体組成,体脂肪率
❹画像診断の活用
 腹部エコー検査
 CT
 心エコー検査
 頸動脈エコー検査
 MRI,MRA
 内視鏡の適応

第7章 治療総論
❶治療目標
 糖尿病治療の目標
 血管合併症の発症・進展を抑制するには
 血糖コントロールおよびその他の代謝指標の目標値
 合併症を考慮した治療目標と治療計画の立案
❷治療法
 1型糖尿病
 2型糖尿病
 その他特定の機序疾患によるもの
 境界型とメタボリックシンドローム
 妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠
 高齢者糖尿病
 小児糖尿病
 膵移植,膵島移植
❸患者教育
 意義
 血糖自己測定指導
 患者教育の実践ならびに糖尿病教室への参画
 糖尿病療養指導士,コメディカルとの連携

第8章 食事療法
❶意義と目的
 食事療法の意義と役割
 食事療法の目的
❷食事療法の実際
 総摂取エネルギー量,各栄養素の設定
 小児糖尿病
 糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病
❸食品交換表
 糖尿病食事療法の原則と食品交換表
 食品交換表使用の意義
 食品交換表の特徴
 食品交換表における食品の分類
 食品交換表を用いた食事指導の実際
❹三大栄養素・ビタミン・ミネラル
 炭水化物
 脂質
 タンパク質
 ビタミン・ミネラル
❺食物繊維
❻食塩
❼アルコール
❽合併する病態における設定
 糖尿病性腎症
 高血圧症
 脂質異常症
 肝疾患
 肥満

第9章 運動療法
❶意義と適用
 運動による代謝改善のメカニズム
 糖代謝異常における運動療法の意義と適応
❷指導法
 個々の運動の特性
 運動処方
 適応と禁忌:合併症との関連

第10章 薬物療法
❶経口血糖降下薬の適応と処方
 スルホニル尿素薬
 速効型インスリン分泌促進薬
 DPP-4阻害薬
 α-グルコシダーゼ阻害薬
 ビグアナイド薬
 チアゾリジン薬
 SGLT2阻害薬
 開発中の経口血糖降下薬
 経口血糖降下薬の併用療法
 抗肥満薬
 薬物の相互作用と禁忌
 代替医療と民間療法
❷注射薬の適応と処方
 インスリン製剤の種類と特徴
 1型糖尿病のインスリン治療
 2型糖尿病のインスリン治療
 CSII
 副作用とその対策
 インスリン治療における低血糖以外の問題
 GLP-1受容体作動薬

第11章 合併症ならびに併発症
❶急性合併症の病態,診断と治療
 糖尿病性ケトアシドーシス
 高浸透圧高血糖状態
 低血糖
 乳酸アシドーシス
❷慢性合併症の病態,診断と治療
 慢性合併症の成因・病態
 糖尿病網膜症
 白内障
 糖尿病性腎症
 糖尿病性神経障害
 糖尿病性大血管症
 糖尿病性足病変
❸併発症
 感染症
 高血圧症
 NAFLD・NASH
 勃起障害(ED)
 骨病変
 歯周病
 認知症

第12章 糖尿病と妊娠
❶妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠の病態
 妊娠時の糖代謝
 母児の併発症
❷治療法,血糖コントロール目標
 妊娠糖尿病,妊娠中の明らかな糖尿病
 糖尿病合併妊娠

第13章 小児糖尿病
❶小児糖尿病の特徴と疫学
 小児糖尿病は大人の糖尿病と違うのか
 小児糖尿病の疫学
❷小児糖尿病の診断と治療の概要
 小児糖尿病の特徴
 小児糖尿病の診断
 小児糖尿病の治療
❸小児1型糖尿病の病態,診断と治療
❹小児2型糖尿病の病態,診断と治療
❺小児糖尿病に合併する病態と対処
 低血糖
 小児期のシックデイ
 小児1 型糖尿病に合併する甲状腺疾患
 小児糖尿病と成長障害
 糖尿病合併症
❻患児と家族への指導・支援
 1 型糖尿病
 2 型糖尿病
 トランジション
 知的障害,発達障害
❼小児糖尿病サマーキャンプ

第14章 高齢者糖尿病
❶高齢者糖尿病の病態と特徴
 加齢に伴う糖尿病の増加
 高齢者糖尿病の特徴
 高齢者の低血糖
 動脈硬化性疾患の合併
 高齢者糖尿病と老年症候群
❷高齢者糖尿病の治療目標
 認知機能と身体機能の評価法
 高齢者総合機能評価
 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標
❸高齢者糖尿病治療
 食事療法
 運動療法
 薬物療法
 インスリン治療やGLP-1 受容体作動薬
 低血糖の対策
 高齢者糖尿病治療における社会サービスの利用

第15章 特殊な病態における糖尿病治療
❶脳心血管病等の急性期における糖尿病管理・治療
 ICU における血糖管理
 急性心筋梗塞の血糖コントロール
 脳血管障害の血糖コントロール
 重症外傷時の血糖コントロール
❷周術期管理
 周術期管理の実際
❸経静脈栄養療法
 経静脈栄養療法の基本
 高カロリー輸液の実際
❹経管栄養療法
 経管栄養療法の実際
 経管栄養中の血糖管理
❺重篤な感染症
 治療対象
 治療開始時の評価項目
 治療のポイント(血糖コントロールを中心に)
❻副腎皮質ホルモン投与時
 副腎皮質ホルモンの種類
 副腎皮質ホルモンの糖質代謝への作用
 糖尿病管理
❼シックデイ
 シックデイとは何か
 シックデイの病態
 シックデイの食事摂取
 1 型糖尿病とシックデイ
 2 型糖尿病とシックデイ
 高齢者におけるシックデイ対策
 医療機関受診の判断および入院の適応
❽肝疾患
 各種肝疾患にみられる糖代謝異常
 各種肝疾患に合併する糖代謝異常の治療方針
❾膵疾患
 膵疾患患者の臨床的特徴と血糖コントロール
❿悪性疾患
 悪性腫瘍患者の血糖コントロール
 膵癌
 胃癌
 ステロイド使用の際の臨床的対応の原則
 抗腫瘍薬による高血糖
⓫重症糖尿病網膜症における血糖管理
 厳格な血糖管理と網膜症に関する臨床研究成績
 重症糖尿病網膜症に対する急速な血糖管理の影響に関する臨床研究成績
 急速な血糖管理による重症糖尿病網膜症の増悪をきたすリスクと対応
⓬腎不全における血糖管理
 腎不全における糖代謝
 腎不全における血糖管理の意義
 腎不全における血糖管理の評価
 腎不全における血糖管理方法
⓭糖尿病性神経障害における血糖管理
 血糖管理が糖尿病性神経障害に与える影響
 糖尿病性神経障害が血糖管理に及ぼす影響
⓮認知機能障害,精神疾患における血糖管理
 認知機能障害患者における血糖管理
 精神疾患における血糖管理
⓯災害時の糖尿病治療
 災害時糖尿病診療の目標
 避難所診療の実際
 インスリン療法
 チーム医療の構築と日常からの備え

第16章 低血糖症
❶低血糖症の鑑別診断・治療
 定義
 臨床像
 鑑別
 治療
❷糖尿病治療に伴う低血糖
❸インスリノーマの診断と治療
 臨床的特徴
 診断
 腫瘍の局在診断
 腫瘍の特徴
 治療
❹その他の原因による低血糖
 反応性低血糖
 糖尿病治療薬以外の薬剤による低血糖
 インスリンに対する抗体に起因する低血糖
 糖新生の抑制・低下
 インスリン拮抗ホルモン低下
 膵外性腫瘍
 詐病および虚偽性障害
❺新生児低血糖症
 新生児低血糖症の定義
 低血糖による臨床症状
 新生児低血糖症の病態
 高インスリン血性低血糖症の分類
 高インスリン血性低血糖症の診断
 KATP チャネルの遺伝子異常(ABCC8遺伝子異常,KCNJ11 遺伝子異常)
 高インスリン血性低血糖症の治療

第17章 その他の糖代謝異常
❶腎性糖尿
❷糖原病
 I 型
 II 型
 III 型
 IV 型
 V,VI 型
 IX 型
 VII 型
 0 型
❸ガラクトース血症
❹フルクトース代謝異常

第18章 脂質異常症
❶病因と病態
 糖尿病のリポタンパク異常
❷検査・診断・分類
 検査
 診断と分類
❸治療
 脂質管理目標の設定
 生活習慣の改善
 薬物治療

第19章 肥満症
❶肥満症の病態
 白色脂肪組織と褐色脂肪組織
 アディポカイン(アディポサイトカイン)
 異所性脂肪
 肥満症と慢性炎症
❷肥満症の診断
 肥満の診断
 肥満症の診断
 メタボリックシンドローム
❸肥満症の治療
 行動療法
 外科治療
❹小児肥満症

第20章 糖尿病患者の心理的問題
❶意義
❷自己管理を促進するための理論
 自己管理行動(セルフケア)に関する知識
 自己管理行動の開始から完成まで:
 変化ステージモデル(多理論統合モデル)
❸心理行動学的方法
❹重症合併症や1 型糖尿病発症時の強い心理的反応への対処法
 悲嘆反応
 重症合併症の発症時
 1 型糖尿病の発症時
❺その他の問題:重症低血糖および精神科的疾患の合併
❻最近のトピックス
 DPP:行動プログラムの有効性
 DAWN JAPAN Study,クリニカル・イナーシャ(clinical inertia),DAWN2 Study
 QALY,医療経済評価
 糖尿病医療学

第21章 糖尿病の社会的問題
❶医療経済,健康保険等
 保険医療と検査,治療
 特定健康診査・保健指導
 生命保険
 介護保険
 在宅医療
 生活保護
 社会保障と税の一体改革
 小児慢性特定疾病
❷社会・学校の患者受け入れの問題
 学校生活への配慮
 社会生活への配慮
❸自動車運転等にかかわる問題
 2014 年の道路交通法の改正
 無自覚性低血糖について
 自動車を運転する際の指導
❹家庭内の問題

第22章 糖尿病の遺伝カウンセリング
❶遺伝カウンセリングとは
 遺伝カウンセリングの定義
 遺伝学的検査の種類とカウンセリング
❷糖尿病における遺伝カウンセリング
 単一遺伝子病
 多因子遺伝病としての糖尿病

第23章 各種団体との関係
❶日本糖尿病協会
 設立から今日に至るまで
 協会の活動内容
 友の会の設立
❷日本糖尿病対策推進会議
❸地域連携,病診連携
❹国際糖尿病連合(IDF)
❺日本糖尿病療養指導士認定機構

第24章 医療安全,医療倫理,医事法制
❶医療安全の意義,対策
 医療安全とは
 医療チームとしての医療安全対策
❷医療倫理の意義,重要性
 医療倫理と倫理問題
 患者の自律尊重原則と
 インフォームド・コンセント
 患者の意思が確認できない際の家族による代諾
 患者のプライバシー保護と守秘義務
❸医事法制の意義,対策
❹疫学研究・臨床研究の倫理
 研究倫理
 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
 臨床研究法
 利益相反の管理

索 引

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序文

改訂第8版への序

 3年ぶりの改訂となる糖尿病専門医研修ガイドブックの改訂第8版をお届けする.改訂のたびに小修正,加筆を加えてアップデートしてきたが,今回の第8版は改めて項目を見直し,多くの執筆者に新たに加わっていただき改訂にあたった.結果的に4割近くの項目について新たな主執筆者により改訂・執筆をいただき,新しい視点を加えた研修ガイドブックになったと考えている.項目立てについては従来の方針を踏襲し,日本糖尿病学会の専門医研修カリキュラムに完全に準拠している.
 前回の改訂後今回までの間に,「糖尿病診療ガイドライン2019」が新たに公表された.この内容に準拠し,必要な改訂を行っている.おもな事項としては,より個別化・最適化が図られた食事療法に関すること,持続血糖モニター(CGM),間歇スキャン式持続血糖測定やリアルタイムCGMおよびそれと一体化したインスリンポンプなどの普及に伴い,患者の自己管理教育・療養指導に関することなどの記載を充実させた.新規薬剤やそれらの臨床エビデンスについてもアップデートしている.また,他学会からの各種ガイドラインへの準拠にも配慮し,用語については糖尿病学会用語集に従って統一を図った.
 現在,サブスペシャルティ領域の専門医については新しい専門医制度が計画されており,糖尿病専門医については,「1階」部分である内科専門医と糖尿病専門医の中間的な位置づけの「1.5階」としての内分泌代謝内科を含めた新たな専門医が検討されている.制度が改定されても糖尿病専門医に求められる知識や技能は変わらない.この研修ガイドブックが糖尿病患者とともに,よりよい糖尿病医療を目指す糖尿病専門医育成の一助になることを祈念している.
 本書の改訂にあたり,絶大なご助力をいただいた糖尿病学会会員各位,学会事務局を含めた関係各位,出版に当たって種々の労を執っていただいた診断と治療社の担当者に改めて謝意を表する.

 令和2年10月

糖尿病専門医研修ガイドブック編集委員会



初版への序

 日本糖尿病学会は糖尿病専門医制度を設定している.その制度規則には以下のようにある.
 第1章第1条 この制度は糖尿病学の進歩に呼応して,糖尿病臨床の健全な発展普及を促し,有能な糖尿病臨床専門医の養成を図り,国民の健康増進に貢献することを目的とする.
 第2条 前条の目的を達成するため,社団法人日本糖尿病学会は専門医制度を設定し,専門医,研修指導医,認定教育施設を認定する.
 糖尿病患者数は年々増加を続けている.その慢性合併症による失明や血液透析導入患者数も増加を続け,糖尿病がその原因疾患第一位という憂慮すべき事態に至っている.すぐれた糖尿病診療は,医師,看護婦,栄養士などが,それぞれの専門性を生かし一体となって進められるもので,このような糖尿病診療チームの中心となるのが糖尿病専門医であり,糖尿病のすべてに通暁していることが要求される.今ほど,このような糖尿病専門医が求められている時はあるまい.その養成は急務である.
 糖尿病専門医試験受験資格の必要要件のひとつが,認定内科医研修の課程を修了後の医師,あるいは小児科認定医研修の課程を3年以上修了後の医師が,日本糖尿病学会の認定教育施設において3年以上の期間にわたって糖尿病臨床研修を行っていることである.
 本書では,日本糖尿病学会が設定した糖尿病臨床研修カリキュラムに基づき,カリキュラムの項目を忠実にたどるかたちで,専門医に必要とされる事項をもれなく,しかも最新の内容を含め解説した.糖尿病専門医を目指すものが,どのような知識,手技,経験を,どのレベルまで修得すればよいのか,本書はその臨床研修必携のガイドブックであるが,同時に21世紀初頭の糖尿病診療の解説書でもある.
 本書の作成にあたり,多大なご協力をいただいた日本糖尿病学会の先生方に深く感謝するとともに,本書が糖尿病診療の向上に寄与することを願っている.

 平成13年5月

糖尿病専門医研修ガイドブック作成委員会