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症例でわかる小児神経疾患の遺伝学的アプローチ診断と治療社 | 書籍詳細:症例でわかる小児神経疾患の遺伝学的アプローチ

日本小児神経学会 編集

東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科

山本 俊至(やまもと としゆき) 監修

初版 B5判 並製 212頁 2019年12月27日発行

ISBN9784787824370

定価:本体5,500円+税
  

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臨床場面で遭遇しうる,遺伝学的検査にかかわる小児神経疾患の具体的な40症例を掲載.提示された症例における3つのポイントをもとに,遺伝学的検査の進め方,注意点など,診断に至るまでのプロセスをわかりやすく解説.日本小児神経学会機関紙『脳と発達』の連載27症例に,32項目を新たに追加.知っておくべき基本的な疾患や検査から,より高度な遺伝学的検査やメカニズム・希少疾患の解説まで,幅広く網羅した一冊.

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目次

口絵カラー
序 文
執筆者一覧
遺伝暗号表(mRNA配列とアミノ酸コドン)
一般的な家系図記号,定義,略号
関係線の定義
総 論
1  序 論
 1 なぜ小児神経科医が遺伝学的検査について知っておかなければならないか? 山本俊至
 2 ゲノムと遺伝子 山本俊至
2  遺伝学的検査技術
 1 古典的な染色体G-band法とFISH法 山本圭子
 2 PCR法とSangerシーケンス法 山本圭子
 3 MLPA法 山本俊至
 4 マイクロアレイ染色体検査 山本俊至
 5 次世代シーケンス ―技術編― 齋藤伸治
 6 次世代シーケンス ―応用編― 齋藤伸治
 7 定量PCR 今泉太一,山本俊至
3  データベース
 1 データベース 齋藤伸治
4  遺伝学的検査とELSI
 1 倫理的な問題 山本俊至
 2 研究による解析と保険収載 山本俊至
 3 研究指針 山本俊至
5  遺伝学的検査の手続き
 1 インフォームド・コンセント 和田敬仁
 2 遺伝カウンセリング 和田敬仁
 3 家系図 和田敬仁
6  機能解析
 1 ダメージ予測スコア 小坂 仁
 2 細胞実験 山形崇倫
 3 動物実験 山形崇倫
各 論
 1 Down症候群の家族歴のある新生男児 山本俊至
 2 発達相談で受診した斜めの線が引けない5歳女児 新井田 要
 3 大頭症,発達の遅れ,心奇形,水腎症,臍ヘルニア,脳室拡大を認めた6か月男児 赤峰 哲,吉良龍太郎
 4 哺乳不良と筋緊張低下を示した新生男児 藤井克則
 5 先天性無虹彩症,成長不良および発達の遅れを示す10か月女児 高田 結,酒井康成
 6 精神運動発達の遅れと低身長の1歳女児 山本俊至
 7 有熱時にけいれん重積のエピソードがある3歳男児 中山東城
 8 家族で女性のみ発症する難治性てんかんを呈する4歳女児 石井敦士
 9 反復する熱性けいれんと発達の遅れを認める5歳女児 森貞直哉,豊嶋大作
 10 無熱性けいれんを頻発した6か月女児(Part-1) 山本俊至
 11 無熱性けいれんを頻発した6か月女児(Part-2) 山本俊至
 12 先天性大脳白質形成不全を示す1歳男児 山本俊至1
 13 偶発的に高CK血症が判明した2歳男児 竹下絵里4
 14 筋緊張低下と特徴的な上口唇を認めた9か月男児 塩浜 直
 15 筋力低下と舌の線維束性収縮を認めた1歳男児 荒川玲子,斎藤加代子
 16 点頭てんかんで紹介された4か月女児 新井田 要
 17 家族歴のない多数のカフェ・オ・レ斑を呈する7歳女児 福與なおみ
 18 精神運動発達の退行を示した姉妹例 髙橋 悟
 19 先天性心疾患,成長障害,および発達の遅れを呈する1歳男児  福與なおみ
 20 頭囲拡大と発達の遅れを示した4歳女児 齋藤伸治
 21 知的障害を呈した15歳男児 和田敬仁
 22 X連鎖性知的障害症候群の兄弟例 和田敬仁
 23 軽度発達遅滞を示す姉妹例 山本俊至
 24 中等度知的障害,てんかん,低身長および特徴的な顔貌を認めた7歳男児 髙野亨子
 25 頭痛,視力障害を呈した15歳女子 和田敬仁
 26 眼振と頭痛を訴える13歳男児 瀬戸俊之
 27 先天性心疾患に精神運動発達の遅れを伴った6か月女児 齋藤伸治
 28 発達遅滞と伊藤白斑を呈する2歳男児 松尾真理
 29 てんかん性脳症により発達退行を示した7歳女児 竹下暁子,小国弘量
 30 難治てんかん性脳症,小頭症,脳形成障害,重度発達遅滞を呈し,
    Wilms腫瘍を合併した5か月男児 遠山 潤
 31 多発奇形・成長障害・発達の遅れを示し,染色体均衡転座を示した1歳女児 松本 歩,山形崇倫
 32 アレイCGH法で複数の変化が検出された発達遅滞を示す1歳女児 粟屋智就
 33 複数の細胞遺伝学的検査の併用により診断が確定したマーカー染色体を
    有する成長障害と軽度知的障害を示す4歳男児 菊池敦生,小林朋子
 34 X染色体を含む転座による3:1分離で生じた過剰マーカー染色体を示す
    重度発達遅滞の1歳男児 山本俊至
 35 反復流産の既往のある母親から生まれた染色体不均衡転座を示す1歳男児 山本俊至
 36 成長障害と境界領域の発達を示す3歳女児 山本俊至
 37 精神運動発達退行を示した3歳女児 新井田 要
 38 乳児期より重度精神運動発達遅滞をきたし,特徴的な画像を呈した姉妹例 伊藤雅之
 39 Hirshsprung病,難聴,大脳白質障害を示す1歳女児 白井謙太朗
 40 痙性対麻痺を示した7歳女児 山本圭子

索 引

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序文

 このたび,『症例でわかる小児神経疾患の遺伝学的アプローチ』を上梓いたしました.本書は,日本小児神経学会機関誌である「脳と発達」にシリーズ連載されてきた「小児神経科医が知っておくべき遺伝学的検査シリーズ」のコンテンツをまとめたものになります.このシリーズは,先行して連載されていた「Images in Child Neurology」の後継シリーズとして,2014年7月(46巻4号)より,当時「脳と発達」編集委員長でいらした新島新一先生のご指導のもと,連載が始まりました.以来,2018年11月(50巻6号)までの約4年半,計27回を連載させていただきました.連載したコンテンツでは,架空の症例を提示し,3つのクエスチョンをあげ,それぞれを解説していくスタイルとすることにより,実際に臨床場面で遭遇するかもしれない症例をもとに考え,遺伝学的検査について,より実践的に理解することができるよう配慮してきました.学会機関誌への連載という制約上,特殊な疾患,特殊な検査は除き,小児神経科医であれば遭遇しうる疾患,実際に取り扱う可能性のある遺伝学的検査を取り上げるように心がけてきましたところ,基本的な疾患や検査を一通り網羅することができたため,連載を終了することとなりました.今回,連載をまとめて書籍として発刊するに際して,これまで取り上げることができなかった希少疾患,あるいはより高度な遺伝学的検査やメカニズムの解説を加えることができました.読み進めるうち,次第に内容が難解なものになることにお気づきになることでしょう.最後まで通読することにより,いつの間にか遺伝学的検査のエキスパートになっていることと思います.
 連載シリーズでは,疾患や遺伝学的検査について,適宜コラム記事を掲載し,症例提示による各論を補ってきました.書籍化に際して,このコラム記事に該当する部分を新たに総論として,より詳細かつ充実した内容にまとめました.総論部分の執筆には,学術集会において実践教育セミナーで継続的に取り組んでいる「遺伝学的検査」の講師陣の先生方にお計らいいただきました.本書を実践教育セミナーの副読本的にお使いいただければと思います.
 本書は学会機関誌の連載をまとめたものであり,「脳と発達」編集委員会のエフォートから派生した日本小児神経学会の成果物です.執筆いただいた先生方におかれましては,お忙しい中ボランティアでご協力くださりありがとうございました.連載中「脳と発達」編集委員長として支えてくださった林 雅晴先生,編集委員の先生方,学会事務局の牛越恵美さん,そして診断と治療社の藤実彰一社長はじめ編集部の方々,関係各位に感謝申し上げます.

2019年12月

山本俊至
日本小児神経学会「脳と発達」編集委員長