HOME > 書籍詳細

書籍詳細

関節リウマチ診療ガイドライン2020診断と治療社 | 書籍詳細:関節リウマチ診療ガイドライン2020 データダウンロード

一般社団法人日本リウマチ学会 編集

初版 A4判 並製 256頁 2021年04月26日発行

ISBN9784787824998

正誤表はPDFファイルです.PDFファイルをご覧になるためにはAdobe Reader® が必要です  
定価:3,300円(本体価格3,000円+税)
  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


6年ぶりの大改訂.新たに承認された生物学的製剤,JAK阻害薬,抗RANKL抗体,バイオ後続品も対象として,厳選された55のクリニカルクエスチョンより推奨を作成.治療アルゴリズムは「薬物治療」と「非薬物治療・外科的治療」の2通りを掲載している.患者さんや一般診療医向け「本診療ガイドラインのクイックリファレンス」を巻頭に収載.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

本診療ガイドラインのクイックリファレンス
序文
刊行によせて
執筆者一覧
略語一覧

第1章 本診療ガイドラインについて
1.背景・特徴と使用上の注意
2.ガイドライン作成組織

第2章 重要臨床課題と推奨作成手順
1.重要臨床課題・アウトカムとクリニカルクエスチョン
2.推奨の作成手順

第3章 クリニカルクエスチョンと推奨
1.治療方針
2.クリニカルクエスチョンと推奨
 推奨1 MTX 1
 推奨2 MTX 2
 推奨3 MTX 3
 推奨4 csDMARD 1
 推奨5 csDMARD 2
 推奨6 NSAID
 推奨7 ステロイド
 推奨8 bDMARD 1
 推奨9 bDMARD 2
 推奨10 bDMARD 3
 推奨11 bDMARD 4
 推奨12 bDMARD 5
 推奨13 bDMARD 6
 推奨14 bDMARD 7
 推奨15 bDMARD 8
 推奨16 bDMARD 9
 推奨17 bDMARD 10
 推奨18 JAKi 1
 推奨19 JAKi 2
 推奨20 JAKi 3
 推奨21 JAKi 4
 推奨22 JAKi 5
 推奨23 denosumab
 推奨24 バイオ後続品 1
 推奨25 バイオ後続品 2
 推奨26 合併症 1
 推奨27 合併症 2
 推奨28 合併症 3
 推奨29 合併症 4
 推奨30 合併症 5
 推奨31 合併症 6
 推奨32 合併症 7
 推奨33 合併症 8
 推奨34 高齢者 1
 推奨35 高齢者 2
 推奨36 高齢者 3
 推奨37 手術・リハビリテーション 1
 推奨38 手術・リハビリテーション 2
 推奨39 手術・リハビリテーション 3
 推奨40 手術・リハビリテーション 4
 推奨41 手術・リハビリテーション 5
 推奨42 手術・リハビリテーション 6
 推奨43 手術・リハビリテーション 7
 推奨44 手術・リハビリテーション 8
 推奨45 手術・リハビリテーション 9
 推奨46 手術・リハビリテーション 10
 推奨47 手術・リハビリテーション 11
 推奨48 手術・リハビリテーション 12
 推奨49 手術・リハビリテーション 13
 推奨50 手術・リハビリテーション 14
 推奨51 手術・リハビリテーション 15
 推奨52 手術・リハビリテーション 16
 推奨53 手術・リハビリテーション 17
 推奨54 手術・リハビリテーション 18
 推奨55 手術・リハビリテーション 19
3.関節リウマチ治療のQ&A
 1.ヒドロキシクロロキン
 2.整形外科手術のリスク因子
4.ガイドラインを広めるために

第4章 多様な患者背景に対応するために
1.わが国における関節リウマチ診療の実態
2.本診療ガイドライン作成のための患者の価値観の評価~患者アンケート調査~
3.今日の関節リウマチ治療における患者教育
4.関節リウマチ治療における医療経済評価
5.関節リウマチ治療と妊娠・出産
6.関節型若年性特発性関節炎の成人移行期診療
7.関節リウマチとリンパ増殖性疾患

索引

ページの先頭へ戻る

序文

序文

関節リウマチの診療体系は,直近の10年間で劇的な変貌を遂げた.グローバルでは,分類基準,目標達成に向けた治療戦略,寛解基準,そして標準的治療推奨・指針などが新たに作成され,また定期的に改訂されてきた.わが国においても,世界的な流れと同様に,診療の標準化に向けた取り組みは行われ,日本ならではの薬剤や,日本人に特有の課題などに応えるべく「関節リウマチ診療ガイドライン」初版は,2014年に刊行された.それから7年が経過し,この間膨大なエビデンスが収集された.それらの情報を満載した2020年版は,厚生労働省免疫・アレルギー疾患政策研究事業の一環として東京女子医科大学の針谷正祥教授の下,全国のエキスパートの力を結集して作成され,日本リウマチ学会・日本小児リウマチ学会・日本整形外科学会評議員のパブリックコメントを頂戴した.これを受けて,日本リウマチ学会は,この診療ガイドラインを学会ガイドラインとして承認させていただいた.学会を代表して,ここに針谷先生はじめ作成にご尽力された先生方に心より感謝を申し上げたい.
皆様に本診療ガイドラインを広く臨床現場で活用していただき,関節リウマチ診療のさらなるレベルアップが図られることを祈念して,刊行の挨拶とさせていただきたい.

一般社団法人日本リウマチ学会理事長
慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科教授
竹内 勤



刊行によせて

わが国の関節リウマチ診療に携わる医師および医療関係者の皆様に,「関節リウマチ診療ガイドライン2020」をお届けすることができ,大変うれしく思います.関節リウマチ診療はこの20年間で最も進歩した医学領域の1つといわれています.新規治療薬開発と治療戦略の進歩によってもたらされた果実を,関節リウマチ患者とそのご家族の皆様に確実にお届けすることは,リウマチ専門医の使命であり,喜びでもあります.
関節リウマチは原因不明の多発関節炎を主徴とする炎症性疾患であり,最新の疫学研究では全国で約83万人の患者がいると推定されています.30歳代から50歳代の女性に好発する病気であり,患者は病気と上手に付き合いながら様々なライフイベントに対応しなければなりません.また,関節リウマチ患者はその経過中に多くの合併症を経験します.そのため,リウマチ専門医は単に関節のみを評価・治療するだけでなく,家庭や社会の中で患者がおかれている状況や役割を理解し,医学的に全身状態を評価しつつ,その時々で最適な治療方法を提案し,患者との協働的意思決定を積み重ねていくことが求められています.
私たちはこのような要請に応えるべく「関節リウマチ診療ガイドライン2014」の改訂を企画・立案し,3年の年月をかけて本書を完成させました.この間,診療・教育・研究でご多忙な中,本書の作成に多くの時間を割いてご尽力いただいた医師,研究者の先生方,患者代表として会議にご参加いただくとともにアンケート調査にご協力いただいた公益社団法人日本リウマチ友の会の皆様に厚く御礼申し上げます.また,本診療ガイドラインを学会の診療ガイドラインとしてご承認いただきました,一般社団法人日本リウマチ学会に深謝申し上げます.3年間の作成期間中,膨大な事務作業を担当していただいた「我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究」事務局の皆様,どうもありがとうございました.
本ガイドラインの普及により,関節リウマチ患者とご家族の皆様の日々の笑顔が今よりももっと増えていくことを,本ガイドラインの作成者一同,心より祈念しております.

厚生労働行政推進調査事業費(免疫・アレルギー疾患政策研究事業)
我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究 研究代表者
東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座 教授・講座主任
針谷正祥



刊行によせて

2020年,日本リウマチ友の会は創立60周年となりました.患者会としての60年間に,リウマチ医療は大きく進展し,「治療は患者と医師の合意に基づいて行う」というところまできました.
その中で,2014年の「関節リウマチ診療ガイドライン」作成に,患者の価値観や意向を反映することを目的に当会会員はアンケート調査に参加,また3名が患者代表として作成分科会に参加しました.
患者にとって,初めての場であり,また遠い存在であったガイドライン作成にどう対応するか戸惑いながら新たな経験を積む場となりました.
患者として臨床の場でしか会うことのない医師が,多くの文献や症例の検証を重ねる姿も,この場でなければ知ることもありませんでした.2014年のガイドラインは高い評価を得,リウマチ患者として誇らしい思いでした.
そして,2014年より6年が経過し「関節リウマチ診療ガイドライン2020」作成には,当然のように作成分科会に患者代表3名が参加.また,会員は患者の声をエビデンスとして反映させることを目的としたアンケート実施に参加協力しました.今回の作成グループでは,患者アンケートや患者代表の意見,患者とリウマチ専門医が協働的意思決定に基づいて治療を選択できるよう考えられた推奨が作成され,患者代表として理解しやすく推奨の合意形成に参加できました.関節リウマチのガイドライン作成がここまで進展した中,住む地域を選べない患者が望むことは,地域間の医療格差,医療費,医師との協働的意思決定,チームによる医療,病診連携などの問題が解決されることです.
この「関節リウマチ診療ガイドライン2020」が,全国のリウマチ医療の質の向上,を目指してエビデンスに基づいて作成・活用されて,格差の縮小につながった時,患者はどこに住んでいても安心して必要な医療を受けることができます.
「関節リウマチ診療ガイドライン2020」によりリウマチ医療のより一層の進展を期待しています.

公益社団法人日本リウマチ友の会会長
長谷川三枝子