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小児診療必携
保険診療・社会保障テキスト 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:保険診療・社会保障テキスト 改訂第2版
―子どもの医療に携わるすべてのスタッフのために―

日本小児科学会社会保険委員会 編集

改訂第2版 A5判 並製 280頁 2022年05月02日発行

ISBN9784787825193

定価:4,290円(本体価格3,900円+税) 電子書籍はこちら
  

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日本小児科学会社会保険委員会編集による,令和2年度診療報酬改定に基づいた小児の診療報酬,社会保障に関する解説書.保険診療以外にも小児の日常診療に必要な予防接種や健診から医療費助成,福祉制度,在宅医療,書類の知識に至るまで,小児の社会保障制度を幅広く網羅,新型コロナウイルス感染症にかかわる医療制度,診療報酬も新たに加え内容もさらに充実.小児診療に携わるすべてのスタッフに必携の1冊です!

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目次

改訂第2版 はじめに…森岡一朗,窪田 満,楠原浩一
初版 はじめに…細井 創
本書の使い方
執筆者一覧

Ⅰ 総論
 ①わが国の社会保障と健康保険制度…遠藤明史,横谷 進
 ②小児科医の医療保険制度に関する意識…阪下和美
 ③保険診療のルールと実際の運用…稲毛英介,武田充人,儘田光和
  ❶療養担当規則
  ❷保険請求と支払制度
  ❸レセプトと傷病名
  ❹症状詳記の記載方法と再審査請求
  ❺保険外併用療養費制度
  ❻様々な状況における給付
   ◎幼稚園・保育所や学校におけるケガ(災害共済給付制度)
   ◎病児保育
   ◎自動車損害賠償責任保険
   ◎外国人の診療
   ◎健康被害の救済
 ④診療報酬改定の流れと実際の運用…遠藤明史
  ❶中央社会保険医療協議会(中医協)
  ❷診療報酬改定に際した厚生労働省及び各団体との折衝
 ⑤医療費助成制度…武田充人,戸谷 剛,奈倉道明,村上 潤
  ❶地方自治体による子ども医療費助成制度
  ❷小児慢性特定疾病に対する医療費助成制度
  ❸自立支援医療制度
  ❹養育医療
  ❺都道府県による心身障害者医療費助成制度
 ⑥福祉制度…石﨑優子,奈倉道明,水野美穂子
  ❶障害児者のための福祉制度
   ◎障害者総合支援法
   ◎児童福祉法
   ◎年金・手当
   ◎障害者手帳
   ◎発達障害の子どもの受けるサービス
   ◎重度障害児者の入院医療
  ❷貧困・児童虐待に関する福祉制度
 ⑦小児科医になじみ深い保険診療以外の診療…石﨑優子,奥村秀定,阪下和美,水野美穂子,村上 潤
  ❶予防接種
   ◎定期接種
   ◎任意接種
   ◎健康保険適応のある予防接種
   ◎その他の法令に基づいたワクチン
   ◎個人輸入ワクチン
  ❷乳幼児健康診査
  ❸学校健診
  ❹ヘルス・スーパービジョン診察―小児医療の新たな形の提案―
 ⑧子どもにまつわる諸制度をつなぐ法律…遠藤明史,戸谷 剛
  ❶子どもの生活に関係する法律・制度の知識(成育基本法)
  ❷医療的ケア児支援法
 ⑨小児医療に適切な保険診療を構築する仕組み…遠藤明史,儘田光和
  ❶医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬と公知申請
  ❷「55年通知」と審査情報提供事例
 ⑩小児科医に必要な書類の知識…稲毛英介,奈倉道明,村上 潤
  ❶診断書
  ❷学校生活管理指導表
  ❸意見書(公的手続きに必要な診断書を含む)

Ⅱ 各論
 ①医科点数表を用いた算定方法…稲毛英介
  ❶医科点数表の構成と算定方法
  ❷出来高払いと診断群分類による包括払い
 ②外来診療の基本算定項目…石﨑優子,大野拓郎,奥村秀定,窪田 満,中林洋介,水野美穂子,森 伸生
  ❶外来診療の基本診療料
   ◎初診料
   ◎再診料
   ◎外来診療料
   ◎小児かかりつけ診療料
   ◎小児科外来診療料
   ◎オンライン診療料
  ❷医学管理料
   ◎小児科療養指導料
   ◎特定疾患治療管理料
   ◎てんかん指導料
   ◎小児特定疾患カウンセリング料
   ◎小児悪性腫瘍患者指導管理料
   ◎乳幼児育児栄養指導料
   ◎院内トリアージ実施料
   ◎地域連携小児夜間・休日診療料
   ◎診療情報提供料
 ③入院診療の評価…大野拓郎,大山昇一,横谷 進
  ❶小児入院医療管理料
  ❷その他の特定入院料
  ❸特定入院料・短期滞在手術等基本料を算定しない場合の入院料(入院基本料)
  ❹入院基本料等加算,その他
 ④在宅医療の評価…大山昇一,戸谷 剛
  ❶小児在宅医療の診療報酬総論
  ❷小児在宅医療の診療報酬各論―(準)超重症児・医療的ケア児を中心として―
  ❸小児在宅医療の病診連携と多職種連携に関する診療報酬
  ❹医療的ケア児:小児在宅医療の現在と将来への展望
 ⑤個別の医療技術の評価…石﨑優子,稲毛英介,中林洋介,栁町昌克
  ❶検査
  ❷画像診断
  ❸投薬
  ❹注射
  ❺リハビリテーション
  ❻精神科専門療法
  ❼処置
  ❽手術
  ❾麻酔
  ❿放射線治療
  ⓫病理診断
 ⑥DPC…楠田 聡,儘田光和
  ❶DPCの成り立ち
  ❷機能評価係数
  ❸DPCへの対応
 ⑦その他これから整備が必要な領域…石﨑優子,武田充人,村上 潤,栁町昌克
  ❶子どものターミナルケア
  ❷移行期医療
  ❸児童虐待と要支援家庭
 ⑧新型コロナウイルス感染症,医療制度と診療報酬…中林洋介
  ❶新型コロナウイルス感染症の流行と小児医療
  ❷新型コロナウイルス感染症にまつわる診療報酬と自治体による経営支援
   ◎予防(新型コロナウイルスワクチン接種)
   ◎外来・在宅での対応
   ◎入院での対応
   ◎新型コロナウイルス感染症診療と公費負担
   ◎新型コロナウイルス感染症の登校・登園許可

改訂第2版 おわりに…窪田 満,楠原浩一,森岡一朗
初版 おわりに…岡  明
索引

※各章執筆者は50音順

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序文

改訂第2版 はじめに

 わが国で医療を行ううえで,保険診療や社会保障の知識の習得は欠かせません.医療機関では,全職員を対象に保険診療や制度に関する講習が義務づけられており,初期臨床研修においてもその研修は必須事項になっています.しかし,今まで小児医療に関する診療報酬制度や社会保障に関する知識を詳細に解説する書物はありませんでした.そこで,2018年に日本小児科学会社会保険委員会から,本書『小児診療必携 保険診療・社会保障テキスト』が発刊され,好評を博してまいりました.ここ最近は,2019年に成育基本法が制定され,2020年からは新型コロナウイルスの流行があり,わが国の小児医療を取り巻く環境は激変しています.さらに,2年ごとの診療報酬改定がありますので,内容をアップデートする目的で本書の改訂に至りました.
 本書は,総論として,保険診療のルール,診療報酬改定の流れ,医療費助成制度,福祉制度,保険診療以外の診療,必要な書類について,われわれが知っておくべき基本的な知識や注意すべき事項などがまとめられています.各論として,医科点数表,外来診療の基本算定項目,入院診療・在宅医療・医療技術の評価,DPC,新型コロナウイルスに関連する診療報酬制度がわかりやすく,詳述されています.
 日本小児科学会社会保険委員会は,日本小児科学会を代表して,小児医療の現場に即した診療報酬が得られるよう,データを収集・解析し,その結果に基づいた事実を診療報酬の改定の要望書として提案していく活動を積極的に行っています.診療報酬改定は2年ごとに行われるため,まさに終わりのない活動が行われています.このことにより,われわれ小児科医が安心して診療に専念できるよう保険診療体制整備に大きな役割を果たしています.このテキストは,保険診療や社会保障のプロフェッショナルである社会保険委員会の委員による,1冊ですべてが網羅的に理解できる必携の書です.
 小児医療に携わるすべての人が,日常診療の中で保険診療や社会保障に関する学習や疑問が生じた際にぜひご活用いただければ幸甚に存じます.

2022年3月

日本小児科学会社会保険委員会担当理事
森岡一朗,窪田 満,楠原浩一


改訂第2版 おわりに

 本書は第2版となりますが,この改訂は,日本小児科学会社会保険委員会の委員各位によって分担して行われ,新しい診療報酬について大幅に書き加えられたものです.特に障害児医療,小児在宅医療,終末期医療や子ども虐待など,成育基本法の施行に合わせて医療保険制度の視点から新たに解説されています.また,新型コロナウイルス感染症に関係した医療制度と診療報酬に関しても詳説されています.一方でそのような感染状況に対応しながら,診療の合間を縫って本書の作成が成し遂げられたことに深く感謝の意を表したいと思います.
 本書でも述べられていますが,小児科医の多くが医療保険制度の理解は重要と認識していながら,十分に理解しているという自己評価に至っていません.特に,その傾向は勤務医に強いようです.病院幹部になったり,開業したりしてから,日本の医療保険制度における小児医療の特殊性に気が付き,より適切に診療報酬を得るための努力が始まるのかもしれません.診療報酬とは,保険医療機関等が行う診療行為に対する評価として公的医療保険から支払われる報酬です.つまり私たちの医療行為に対する評価です.私たちは正当な評価を得るために,若手,中堅の勤務医であっても,まずは医療保険制度について学ぶ必要があります.本書はそのために最適な本であるといえます.
 しかし学べば学ぶほど,小児医療の赤字体質に気が付きます.どの施設でも,子どもに対してよい医療,高度な医療を提供しようとすると,人件費が相当の負担になってしまっています.現在の診療報酬を規定する施設基準や算定要件が実情に合わないものであった場合,医療行為に見合った算定ができず,子どものためによい診療をすればするほど赤字が増大することになります.また,子どもには,個々の成長,発達に合わせた服薬指導や食事指導が必要なのですが,その労力に対する評価も不十分です.冒頭に書きましたが,障害児への対応,小児在宅医療への支援,終末期医療や子ども虐待対応などは,医療保険としての評価はこれからという分野となると思います.
 日本小児科学会社会保険委員会は,良質な医療を提供するための適切な診療報酬を求めて,診療報酬改定に取り組んでいます.これは,日本中の子どもたちのために必要なことです.ぜひ皆様にも診療報酬改定に関してご関心をもっていただければと思います.本書がそのきっかけになることを願ってやみません.

2022年3月

日本小児科学会社会保険委員会担当理事
窪田 満,楠原浩一,森岡一朗


初版 はじめに

 本書は,2年ごとの診療報酬改定の度に,小児医療現場の声を反映した改訂提案らでこれまで大きな役割を果たしてこられた日本小児科学会の社会保険委員会委員の皆さんの熱意と使命感によって執筆された,小児の保険診療と社会保障,診療報酬の知識を網羅したテキストブックです.当初,学会員に提供することを目的として発刊が企画されましたが,その内容は,小児科医のみならず,小児の診療に携わるすべてのメディカルスタッフ必携の書と言っても過言でない豊富さと充実度となっています.
 小児医療には医療保険,医療費助成,福祉など様々な制度が設けられていますが,それらの制度について基本的な知識や実践的なポイントをまとめた書は,これまでほとんどありませんでした.
 言うまでもなく,適切な保険診療を遂行することが国是として求められています.各医療機関では全職員を対象にした診療報酬制度に関する講習を定期的に開催することが義務付けられています.初期臨床研修においてもその研修は必須となっています.新しい医薬品・医療機器開発のための制度を理解することはもちろん,より良い医療の提供のために,最新の診療報酬制度や新たな提案の原理を理解することが医療の健全な発展のために必須であります.そしてそのことは小児医療においても例外ではないのです.
 本書では,小児に関する入院および外来での保険診療,小児慢性特定疾病を含む医療費助成制度,障害等に対する福祉,予防接種や健診等の保険外診療や,適応外使用等について,知っておくべき基本的な知識や注意すべき事項などがわかりやすくまとめられています.総論として,①健康保険制度と②保険診療のルールと③診療報酬改定,医療費助成制度(自治体の医療費助成,小児慢性特定疾病制度,自立支援医療,早産・低出生時体重児療育医療),④障害児者への福祉制度(通所,入所等)や,⑤貧困に対する各種扶助,⑥予防接種や健診などの保険外診療,⑦適応外使用への対応等について,各論としては,①外来および入院の診療料や管理料等,②在宅医療,③個別の医療技術,④DPC等について解説されています.
 小児医療に携わるすべての人が,日々の診療や対応のなかで,本書を参照したり,本書をもとに学習したりして,ご活用いただけることを願っています.

2018年3月

日本小児科学会社会保険委員会担当理事
京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学教授 
細井 創


初版 おわりに

 本書の刊行は,日本小児科学会社会保険委員会の委員各位の熱意によって成し遂げられたものであり,まずここに深く謝意を表したいと思います.
 本委員会では,未来の小児医療を少しでも改善するために,あるいは小児医療を守るためにはどうしたらよいかについて,社会保険の観点から熱い議論が行われてきました.現場で困っていることや制度の矛盾点や課題などを取り上げて,行政担当部署に学会として事情を説明して理解を求めるとともに,診療報酬改定の際に具体的な要望書として提案するなど,活発な活動が行われています.実際に,診療報酬改定で認められた項目の中では,委員会からの発議から実現に至った改定が数多くあります.
 委員会では,小児医療に関する社会保険的知識を知るためのテキストがなく,小児科医や小児医療関係者が困っているではないか,委員会としてももっと情報提供をすべきではないかという議論があり,本書の刊行に向けた準備が始まりました.全く新しい企画で,最初はこのようなボリュームは想定されていなかったと思いますが,盛り込むべき内容を網羅することにより,成書として上梓するにふさわしい内容になったのではないかと思います.大変に多忙な中で企画・編集作業を行った中林委員長以下委員会幹部と,ご執筆をいただいた執筆者の皆様に改めて感謝いたします.
 保険,医療費助成,福祉などの多様な側面につき基本的知識を包括的に記載しておりますので,全体の知識を得るために読んでいただくだけでなく,日常診療の中で疑問とされたり困ったときなどに参照用にもご利用いただければと思います.また,併せて,現在の健康保険制度と保険診療のルール,そして本委員会が取り組んでいる診療報酬改定についても,ぜひ皆様に関心をもっていただき,将来の日本の小児医療の未来に向けて積極的なご提案をいただければと思っております.
 本書を通じて,日本の子どもたちの医療と福祉の向上のためにご活用いただければ幸いです.

2018年3月

日本小児科学会社会保険委員会担当副理事
東京大学医学部小児科学教授 
岡  明