国際的に活躍できる眼科医になるためのアイテムを網羅.誰も教えてくれない本音集.留学や専門医試験,将来の開業を目指すレジデント,眼科入局を目指す学生の必携書
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目次
『新 眼科レジデント・戦略ガイド』
Contents
■まえがき 坪田一男
■執筆者一覧
第1章 Resident Work Up Seminar
A 君の進路を決めよう
1 医学の流れ 坪田一男
2 自分とのコミュニケーション 坪田一男
3 眼科の現状 中村邦彦
4 将来の進路は? 藤島 浩
5 開業はパラダイスか? 吉野健一
6 専門領域の決め方 鈴木 崇
7 広げよう,友達の輪
―仕事と人生の幅を広げよう 深川和己
B 専門医認定試験必勝法
1 専門医認定試験必勝法 木村 格
C すべては国内制覇から
1 学会発表―そのやり方のすべて
a 国内学会の概要 川北哲也
b 抄録,論文の書き方 島﨑 潤
c スライドの作り方 宇野敏彦
d 講演のコツ 高村悦子
e 文献の調べ方,整理法 小林 剛
2 研究―そのやり方のすべて
a 何ゆえ研究をするのか?(総論) 井上幸次
b プロトコール 林 康人
c 研究費の取得法 篠崎尚史
d どうすれば『Nature』を狙えるか? 西口康二
e どうすれば『NEJM』を狙えるか?
西田幸二,大家義則
D 国際派を目指す君に
1 若い皆さん,広く世界に活躍しよう! 林 皓三郎
2 留学のススメ 坪田一男
3 英会話上達法 榛村重人
4 国際学会の概要 白石 敦
5 英文の手紙,FAX,Eメールの書き方 髙野洋之
6 英文論文の書き方 村戸ドール
E 眼科雑誌に通暁しよう
1 国内眼科雑誌 野田航介
2 欧文眼科雑誌 鄭 暁東
3 眼科医も読むべきインパクトファクターの高い雑誌
林 康人
第2章 教えてくれない医事の常識
A インフォームド・コンセントの考え方 井上 真
B 医療事故と医療過誤の対処法 山口昌彦
C カルテ(診療録)の書き方 緒方実紀
D 診断書の書き方 山本康明
第3章 上手なコミュニケーションの取り方
A 医療とコミュニケーション 楊 浩勇
B 患者とのコミュニケーション 綾木雅彦
C コメディカルとのコミュニケーション 原 祐子
第4章 眼科研究コンパクトガイド―今何がわかっていないのか
A オキュラーサーフェス 戸田郁子
B 感染症 鈴木 崇
C ぶどう膜炎 小沢洋子
D 網膜硝子体 上甲武志
E 緑内障―いまだに何もわかっていない緑内障
結城賢弥
F 視機能 別所建一郎
第5章 手術シェイプアップ講座―skillful surgeonへのone more step-up
A 白内障―いざというときの飛道具をそろえよう
永本敏之
B 緑内障 溝上志朗
C 網膜硝子体 宮本和久
D 角膜移植 原 祐子
E 翼状片 宇野敏彦
F 眼瞼下垂 立松良之
G 内反症 立松良之
H ボツリヌス毒素の使い方 石田玲子
I 屈折矯正手術 岡本茂樹
第6章 プラスの医学を学ぼう―眼科診療ワンポイントレッスン
A オキュラーサーフェス―角結膜染色所見の読み方
戸田郁子
B 水晶体―眼軸長の測定 鎌尾知行
C ぶどう膜―免疫抑制薬の使い方 田坂嘉孝
D 網膜硝子体―OCTの読み方 山西茂喜
E 緑内障―視神経乳頭の診方 川﨑史朗
F 屈折矯正―角膜形状の読み方 五藤智子
G 感染症―汎用抗菌薬とその抗菌スペクトル
水戸 毅
H 視野―自動視野計のオーダーと読み方 菅野 誠
I 神経眼科―眼位・眼球運動の診方 島村一郎
J スペキュラーマイクロスコープの読み方 宇田高広
K 蛍光眼底の読み方 吉岡龍治
L 眼科領域の組成正常値 河嶋洋一
M 眼科用薬剤の知識 河嶋洋一
第7章 プラスの医学を学ぼう―眼光学ワンポイントレッスン
A 臨床医が知るべき幾何光学 魚里 博
B 眼鏡処方の基礎 梶田雅義
C コンタクトレンズの光学 村戸ドール
D 波面収差とその測定法 根岸一乃
E 白内障―眼内レンズと波面収差 山口剛史
F 多焦点眼内レンズの原理 大沼一彦
G 屈折矯正手術と波面収差 井手 武
H ドライアイと視機能 海道美奈子
第8章 プラスの医学を学ぼう―予防医学ワンポイントレッスン
A 眼科領域の予防医学総論 川崎佳巳
B 生活習慣病による眼疾患とレニン・アンジオテンシン系
永井紀博
C 光老化と酸化ストレス 谷戸正樹
D レスベラトロールと抗加齢遺伝子SIRT1 久保田俊介
E AREDS 2 サプリメントと加齢黄斑変性 石田 晋
■付 録
A 大学医学部・医歯薬系眼科学教室一覧 山田進太郎
B 製薬会社一覧 山田進太郎
C 日本眼科医療機器協会会員一覧 山田進太郎
■あとがき 大橋裕一
■索 引
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序文
『新 眼科レジデント・戦略ガイド』
●まえがき●
『眼科レジデント・戦略ガイド』が出版されてから十数年の時が経過した.発刊されて10日で増刷というすばらしい記録をもつこの伝説の教科書は,当時,日本眼科学会専門医制度プログラムに存在した“専門医教育にふさわしい教科書”という領域を超え,たくさんの若手の先生に受け入れられた.また,当時の執筆者たちは皆大きく成長し,今日では日本眼科学会を牽引する指導者となっている.
編者の大橋裕一先生は大阪大学眼科講師から愛媛大学眼科教授へ,私,坪田一男は東京歯科大学眼科助教授から慶應義塾大学眼科の教授に移った.そのほかにも著者からは6名の教授が輩出され,皆楽しい眼科をエンジョイしている.『眼科レジデント・戦略ガイド』の基本は,“眼科は楽しい.自分に合った道を探して,自分らしく勉強を続けていこう! 仲間といっしょに学べることはすばらしいことだ!”という確信.今こうやって考えてみると,皆その心意気で,眼科学を,いや,人生を楽しんでいる.
そこで十数年の時を経た今,初版で執筆していただいた先生を中心に,さらに強力なメンバーにもお願いして,新たな視点での2010年版『新 眼科レジデント・戦略ガイド』の出版を企画した.それぞれの先生が十数年という成長を通して新たに書かれた『新 眼科レジデント・戦略ガイド』は,十数年前の新進気鋭の新しい感覚を残しつつ,成熟した大人の視点も加わって,これから眼科のなかで伸びていく後輩たちにとても有用な本になったと考える.内容も,前回の目次立てを基本として,この十数年間で重要度の高まった眼科予防医学や眼光学,そして社会医学の側面についてもカバーするように配慮している.
現在,日本はもとより世界はまさに激動の時代に突入し,政治,金融,医療,経済,通信,交通など,ファンダメンタルズに大きな変革の波が押し寄せている.臨床医学における眼科も,もちろん同じようにこの大きな変革の波のなかで奮闘している.日本はさらに視覚情報社会となり,パソコンや携帯端末の使用がますます増えるといわれている.また,世界に類のない超高齢社会が訪れようとしており,加齢による感覚器の衰えが生活の質(quality of life ; QOL)と大きく関連することから,眼科学の存在がますます大きくなってくる.日本人の幸せ,人々の“ごきげん”のためにも,目の健康,快適に見えること,すなわち眼科学の存在と発展は非常に重要なのである.この大きな動きをしっかりと受け止め,さらに社会にも眼科学の重要性を理解してもらえるようにしていくには,個人個人の眼科医レベルの向上戦略が最も基本になってくると考える.
本書は,現在の眼科学の方向性や最先端を理解して,眼科における今後の方向性を決めようとしている眼科医にとって大変有用な本であると自負している.また,眼科レジデントを対象に書かれた本ではあるが,専門を決めかねている若い先生方に読んでいただいても,きっと役立つことと思う.編著者たちの十数年間の経験を加味してさらにパワフルになったメッセージ,知識を思いっきり吸収していただき,眼科医としての人生戦略に活用していただければ編者としてこれほど嬉しいことはない.
2010年3月
慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授 坪田一男