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書籍詳細

国立精神・神経センター武蔵病院

小児神経科ケースカンファレンス100診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経科ケースカンファレンス100

国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科部長

佐々木 征行(ささき まさゆき) 著

1版 B5判 並製 336頁 2004年07月15日発行

ISBN9784787813831

定価:本体6,600円+税
  

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小児神経科の多岐にわたる疾患を主訴別に整理し,臨床での経験を 深めるための足がかりを提供する.過去10年間400回に及ぶ実績か ら診断確定症例を再検討し,集大成した.

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目次

カラー口絵

A.フロッピーインファント
A-1.出生直後より人工呼吸管理を2カ月受けたフロッピーインファ
ントの9カ月女児
A-2.出生時より強い筋緊張低下を示し,徐々に改善している11カ
月男児
A-3.最重度仮死で出生,まったく運動発達のみられないフロッピ
ーインファントの1歳女児
A-4.生後早期より多呼吸に気づかれたフロッピーインファントの
3カ月男児
A-5.筋緊張低下と軽度高CK血症を認める9カ月男児
A-6.仮死で出生し筋緊張低下が継続している知的正常2歳女児
A-7.出生前より脳室拡大を指摘され,筋緊張低下の続く9カ月女児
A-8.出生時より大頭と筋緊張低下を呈した3カ月女児

B.運動発達遅滞
B-1.運動発達の遅れと筋緊張低下を呈した1歳男児
B-2.乳児期より筋緊張低下を示し,運動発達が遅れている2歳男児
B-3.筋緊張低下,運動発達遅滞に心拡大を伴った1歳女児
B-4.運動発達遅滞を呈し手関節と足関節の可動域亢進が目立つ1歳
3カ月男児
B-5.坐位以降の運動発達が遅れ,2歳5カ月で歩けるようになった
5歳男児
B-6.哺乳不良と運動発達遅滞を呈し,まだ歩行できない4歳男児
B-7.1歳7カ月で歩行開始した筋緊張が低下している1歳11カ月男児
B-8.1歳9カ月で歩行開始し,以後もよく転び,まったく走れない
6歳男児
B-9.1歳6カ月で歩行開始し,運動発達の軽い遅れとミオパチー顔
貌を呈する4歳児
B-10.運動発達の軽い遅れと肘関節伸展制限,肝脾腫,特異顔貌を
呈する2歳女児
B-11.運動発達遅滞があり嘔吐発作を繰り返した兄をもつ1歳4カ月
男児

C.運動退行
C-1.走るのが遅く,運動が極端に苦手な7歳男児
C-2.運動が極端に苦手で,走ったり跳んだりできない7歳女児
C-3.歩容異常で始まり,4カ月の経過で歩行できなくなった4歳女児
C-4.10歳より徐々に筋力低下が進行する13歳女児
C-5.1歳で歩いたけれど,走ったり跳んだりできない4歳女児
C-6.運動が極端に苦手で,表情に乏しい12歳男児
C-7.11歳より走るのが遅くなり,しばしば転倒する13歳女児
C-8.感冒後に四肢の痛みを訴え,立ったり歩いたりできなくなった
4歳女児
C-9.微熱・大腿部痛後,数日の経過で急速に四肢麻痺に進行した
5歳男児
C-10.1歳9カ月時の発熱後から歩行ができなくなり,下肢の痛みを
訴えた2歳男児
C-11.安静時のふらつきと嚥下障害が2カ月で徐々に進行した12歳女児
C-12.坐位獲得まで順調で,10カ月頃から坐位も寝返りもできなく
なった1歳女児
C-13.四肢体幹がふらつくため歩けなくなった1歳10カ月男児
C-14.急性上気道炎による発熱に伴う一過性のふらつき・脱力を繰
り返す5歳男児
C-15.1歳で歩行開始後から運動発達が進まず,半年後には歩けなく
なった2歳女児
C-16.5カ月前より始まった筋脱力,歩行困難を主訴とする12歳男児
C-17.2年前より進行性右上肢萎縮を呈する12歳女児

D.精神運動発達遅滞
D-1.強直間代発作と精神運動発達遅滞を呈す小頭症の8歳女児
D-2.眼振と振戦を呈し,精神運動発達の進まない1歳男児
D-3.注視障害,ふらつき歩行,けいれんを認める精神運動発達遅滞
の3歳男児
D-4.筋緊張低下と精神運動発達遅滞を呈し,頻回に発熱する1歳
7カ月男児
D-5.顔面非対称で多数の白斑を認める精神運動発達遅滞の4歳女児
D-6.四肢に不随意運動と筋緊張異常を呈する精神運動発達遅滞の
10カ月男児
D-7.眼振と筋緊張亢進を呈する周産期異常のあった7カ月男児
D-8.生後すぐから哺乳不良を呈し,喘鳴と外斜視を認める3カ月男児

E.精神運動退行
E-1.2歳半より発語が減少し自閉傾向の出現してきた3歳女児
E-2.11カ月の水痘罹患後より不機嫌になり,精神運動発達が退行
した1歳6カ月女児
E-3.1歳3カ月より運動発達が停止し,知的退行が進行している2歳
女児
E-4.学童期にけいれん,ミオクローヌス,精神運動退行を発症した
14歳女児
E-5.学童期に肥満と進行性知的退行,歩行時ふらつき,夜盲で発症
した14歳女児
E-6.大頭をもち,熱性けいれん重積後から徐々に精神運動退行を呈
した1歳4カ月女児
E-7.1歳8カ月の伝い歩きをピークに常時臥床まで精神運動退行した
2歳11カ月男児
E-8.3歳でけいれん,視力低下,進行性精神運動退行を来した4歳男児
E-9.低身長と筋緊張低下を示し,眼瞼下垂と精神運動退行が進む
2歳女児
E-10.知的活動低下で始まり,2週間の経過で急激に精神運動退行
を来した8歳女児
E-11.学童期より,ジストニアと精神運動退行を来した13歳男児
E-12.幼児期より言葉の遅れがある進行性ミオクローヌスてんかん
の8歳男児
E-13.乳児期より精神運動退行と不随意運動を呈した2歳女児

F.意識障害
F-1.意識状態が変容し,精神症状と不随意運動が徐々に進行した
11歳女児
F-2.急性脳症後に言語と意志の疎通を失い,なんでも舐めたがる
3歳女児
F-3.軽い頭痛を訴えてから,2日の経過で重度意識障害を来した
9歳男児
F-4.小学校入学後より日中頻繁に眠るようになり,喜ぶと身体の
力が抜ける6歳男児
F-5.突然意識障害を呈した先天性無痛無汗症の3歳男児
F-6.7歳で意識障害発作発症,その後視力低下し頭痛・嘔吐を反復
する11歳女児

G.けいれん
G-1.生後6カ月より複雑部分発作を発症した左顔面血管腫をもつ
8カ月女児
G-2.乳児期より動作停止や腹痛を反復した難治性側頭葉てんかん
の10歳男児
G-3.生後1週より強直けいれんと強直spasmのシリーズを頻回に呈
する2カ月男児
G-4.1カ月よりけいれん発症した精神運動発達遅滞を呈す大頭の
6カ月男児
G-5.不意の大きな音に非常に驚く5歳男児
G-6.精神運動発達遅滞があり,8歳から難治性の意識消失発作を繰
り返す12歳女児
G-7.生後4カ月にけいれん初発し,著しい精神運動発達遅滞を呈す
小頭の2歳女児
G-8.軽度精神運動発達遅滞と難治性てんかんをもつ小頭の14歳女児
G-9.発作部位が発作中に移動する強直間代発作がコントロールさ
れない8カ月女児
G-10.けいれん重積を起こした周産期異常のある3カ月小頭男児
G-11.覚醒中の意識変容と歩行時ふらつきを呈する2歳男児
G-12.発作的な全身のピクツキや転倒を繰り返す10歳男児
G-13.長時間続く複雑部分発作が毎日頻回に起きる知的障害の22歳
女性
G-14.2歳で白血病に罹患し,小学校入学後より意識消失発作が
群発する8歳女児
G-15.12歳で局在関連性てんかん発症し,最近意識消失発作が頻発
する16歳女性

H.不随意運動
H-1.数年前から動作に時間がかかり,変動する四肢の突っ張りが
増強する16歳男性
H-2.嚥下障害,流涎,構音障害,筋緊張亢進が1年の間に進行する
12歳男児
H-3.動き始めに右半身を捻ったり,突っ張ったりする6歳男児

I.頭 痛
I-1.2歳10カ月より時々頭痛を訴え嘔吐を呈する3歳7カ月男児
I-2.後頭部から頸部にかけての痛みが6歳より始まり徐々に増強す
る9歳男児
I-3.2歳前より間歇的頭痛,嘔吐発作を2〜3カ月に1回繰り返して
いる3歳女児

J.片麻痺
J-1.新生児一過性無呼吸を認め,後に左不全片麻痺と片側けいれ
んを呈した3歳男児
J-2.一過性の右半身麻痺を2回繰り返した5歳男児
J-3.左不全麻痺が1年前より徐々に進行し,異常行動が現れてきた
11歳男児
J-4.1歳の誕生日頃から右手を使わなくなってきた1歳1カ月男児
J-5.部位や程度が変動する弛緩性片麻痺を10カ月より頻回に繰り
返す2歳男児
J-6.15歳頃より右手を使わなくなった,知的障害とてんかんをも
つ16歳女性
J-7.生後4カ月に気づかれた右片麻痺と精神運動発達遅滞を呈する
8カ月女児

K.無呼吸
K-1.睡眠時無呼吸に気づかれた発音不明瞭な3歳女児
K-2.2歳で筋緊張低下と夜間中枢性無呼吸で発症し,運動退行した
5歳女児
K-3.最重度仮死で出生し,呼吸がしばしば停止する痙性四肢麻痺の
1歳男児

L.発作性筋痛・筋脱力
L-1.6歳で発作性脱力発作が初発し,最近年に数回繰り返す15歳男児
L-2.発作性筋痛を連日訴える運動が苦手な12歳女児
L-3.6歳頃より特に運動後に下肢痛を訴える8歳男児
L-4.3歳頃より運動後筋痛と筋脱力を繰り返し,横紋筋融解を繰り
返す23歳女性

M.眼瞼下垂
M-1.8歳より眼瞼下垂が出てきた,低身長で疲れやすい12歳女児
M-2.生後3カ月より右眼瞼下垂に気づかれた発達順調な1歳女児

診断・転機・主治医一覧

索 引

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序文

国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科では,診断の難しい
患者さん,治療の難しい患者さんを中心に,毎週1回水曜日にケー
スカンファレンスを行っています.この10年間でおよそ400回のカ
ンファレンスが開かれました.診断が確定したり治療方針が定まっ
たりする場合もあれば,カンファレンスを行ってもまったく診断に
たどり着かない場合も少なくはありませんでした.これまでの蓄積
の中から,筆者の独断で100人の患者さんをピックアップして主訴
別に並べてみたのが本書です.診断が確定した方を選んだ結果,神
経筋疾患や変性代謝疾患が多くなりました.また,かなり稀な疾患
も含まれていますが,これは当科の特性を反映していると考えます.
 小児神経科で出会う患者さんがお持ちの疾患には,非常にたくさ
んの種類があります.しかし,てんかん,発達障害,周産期障害あ
るいは中枢神経感染症などを除くと,それぞれの疾患は頻度が低い
ため,実際に自分で外来や病棟で接する経験はそれほど多くはない
ものです.小児神経科専門医であっても,しばしば新しい経験をさ
れていることでしょう.医師であるわれわれは,実際にさまざまな
患者さんに出会うことによって新たに勉強をする機会をいただいて
いるのです.本書は,いろいろな疾患の患者さんに接する機会を読
者に提供することを目的として作成いたしました.しかし,疾患を
系統的・網羅的に詳しく解説した教科書ではありません.主訴に応
じて配列した結果,読者を混乱に陥れるかもしれません.説明は不
十分ですし,参考文献も偏ったものしか挙げてありません.本書で
出会った疾患については,ご自身で教科書を読んだりあるいは文献
検索をされたりして,さらに知識を深めていただければと考えてお
ります.そのような勉強のきっかけになれば,本書の目的は達成さ
れたと考えます.
 患者さんの診断を確定することは,決して小児神経科医療におけ
る目的ではありません.治療のための第一段階です.正しい診断に
基づいて正しい治療ができます.しかし残念ながら,診断がついて
も現在の医療水準では根本的治療の困難な疾患が多いことも事実で
す.したがって多くの場合,診断を確定することは患者さんとの長
いお付き合いの出発点に過ぎません.患者さんとそのご家族が病気
とともに前向きに過ごして行かれるようお力添えをすることが,私
たち小児神経科医の大きな責務です.
 小児神経科専門医を目指す若い小児科医の皆さんはもちろん,小
児神経疾患の患者さんに日夜接しておられる小児神経科医の方々に
も,この本が少しでもお役に立てれば幸いです.

2004年4月
                            筆者