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書籍詳細

発達障害ケースブック診断と治療社 | 書籍詳細:発達障害ケースブック

東京都立梅ヶ丘病院院長

市川 宏伸(いちかわ ひろのぶ) 編著

福島大学大学院人間発達文化研究科教授

内山 登紀夫(うちやま ときお) 編著

初版 B5判 並製 178頁 2009年09月28日発行

ISBN9784787817136

定価:本体4,500円+税
  

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臨床経験豊富な精神科医,小児科医による発達障害症例集. 発達障害を支援するすべての人のために,診断のコツだけでなく実際の支援法や対応法をわかりやすく解説した.

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目次

Contents
発達障害ケースブック

総説  
発達障害の診断と治療
 …………………………………市川宏伸,内山登紀夫

case 1 智子,1 歳,女児 
Rett 障害  
 10年近く経過を追えた重症の Rett 障害 
 …………………………………加我牧子

case 2 勇輝,2 歳,男児
1歳6ヶ月健診で言葉の遅れを指摘された自閉症  
 早期診断・早期支援が有効であった幼児 
 …………………………………小倉正義,本城秀次

case 3 陽菜子,7 歳,女児 
性同一性障害を伴うと思われる自閉症  
 環境調整対応に工夫を要した精神遅滞を伴う自閉症 
 …………………………………市川宏伸

case 4 大介,7 歳,男児
ADHDと虐待の合併,および鑑別  
 虐待通告により一時保護された小学校通常学級の1年生 
 …………………………………江川 純,杉山登志郎

case 5 一郎,7 歳,男児
ADHDの包括的治療の実践  
 小学校通常学級の2年生 
 …………………………………穴井千鶴,山下裕史朗

case 6 秀一,8 歳,男児 
精神遅滞を伴う自閉症児の入院時の工夫  
 特別支援学校に在籍する小学部3年生 
 …………………………………大屋 滋

case 7 正夫,9 歳,男児 
てんかん性脳波異常を伴い多動・衝動性が目立った小学生
 治療により状態が改善したが,再び行動障害が目立ってきた …………………………………石﨑朝世

case 8 健太,10 歳,男児 
ADHDと学校支援  
 小学校通常学級の4年生 
 …………………………………田中康雄

case 9 隆太郎,11 歳,男児 
精神遅滞と多動症状を呈したてんかん  
 特別支援学校の小学部5年生
 …………………………………洲鎌倫子

case 10 淳哉,11 歳(初診時 5 歳),男児
 構造化による支援を行った自閉症  
特別支援学校の小学部5年生 
 …………………………………藤岡 宏

case 11 裕太,11 歳,男児 
激しいチック症状が出現した広汎性発達障害
 薬物療法と子どもへの対応が奏効した小学校通常学級の5年生 
 …………………………………金生由紀子

case 12 拓也,12 歳,男児 
妄想を訴えた自閉症スペクトラム  
 通級指導教室に週1回通っている小学校通常学級の6年生 
 …………………………………内山登紀夫

case 13 純子,13 歳,女児 
ADHDと二次障害  
 ODDやCDに移行した中学校2年生 
 …………………………………岩垂喜貴,齊藤万比古

case 14 道男,13 歳,男児 
精神遅滞を伴う思春期の自閉症  
 何度かの入院治療を行った中学校2年生 
 …………………………………山田佐登留

case 15 紀彦,26 歳,男性 
ひきこもりとAsperger障害  
 高校卒業後,社会的ひきこもりが長期化
 …………………………………近藤直司,中嶋真人

case 16 史郎,30 歳,男性
永遠の受験生  
 精神科に通いながら浪人生活を10年以上続ける 
 …………………………………田中 哲

case 17 聡,34 歳,男性 
成人期にはじめて受診したADHD  
 病的賭博を呈した成人 
 …………………………………朝倉 新,松本英夫

索引

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序文

はじめに
 発達障害が社会的に話題になってからかなり経過した。概念も従来の固定化された境界の比較的明確な発達障害概念(精神遅滞[知的障害],肢体不自由,視聴覚障害など)から,可変的で連続的な発達障害概念(学習障害,注意欠如・多動性障害,広汎性発達障害など)まで幅広くなった。発達障害は生涯を通じて何らかの困難を抱える可能性をもち,その年齢段階において形を変え,知的水準に応じてさまざまな様相を呈する。発達障害の抱える課題は,医療はもちろん,教育,福祉,労働,司法などさまざまな分野に及んでいる。発達障害は従来の社会制度の間に存在していたため,新たな対応を考える必要が生じた。この状況は,社会変化の一環ともいえるように思われる。発達障害の人々が抱える問題は一人ひとり異なっており,一律の解決策が用意できるわけではない。しかし,発達障害の特性を考慮した色々な環境調整や対応改善,療育や薬物治療が試みられている。発達障害とされる人々の中には,成人してから,独特の発想により,類まれな業績を残す場合がある。編者らは,発達障害そのものを治療対象と考えているわけではなく,そのもたらす社会不適応をどれだけ減らせるかが重要と考えている。
 本書では,医療現場の第一線にいる小児科,児童青年精神科の先生方にご自分の症例を提示していただいた。症例は,発達障害の種類,知的水準,年齢層にわたって,幅広く網羅したつもりである。各先生方の発達障害への方策を示し,その根底を流れる方向性を伝え,対応のノウハウが示せたとしたら幸いである。なお,個人情報への配慮から,症例については本質を変えない程度に変更してあることを付け加えておく。
 2009年9月吉日
 編者を代表して
 市川宏伸