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新版自己免疫性膵炎診断と治療社 | 書籍詳細:新版自己免疫性膵炎
病態から診断・治療まで

日本膵臓学会理事長 九州大学大学院臨床・腫瘍外科教授

田中 雅夫(たなか まさお) 監修

厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班研究代表者 東北大学大学院消化器病態学分野教授

下瀬川 徹(しもせがわ とおる) 編集

関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科)教授

岡崎 和一(おかざき かずいち) 編集

信州大学健康安全センター教授

川 茂幸(かわ しげゆき) 編集

東京都立駒込病院内科部長

神澤 輝実(かみさわ てるみ) 

初版 B5判 並製 240頁 2009年12月16日発行

ISBN9784787817402

定価:本体5,800円+税
  

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自己免疫性膵炎に関する最新の知見や現状の問題点を,各分野の第一線で活躍する専門医が執筆,集約した一冊.消化器病専門医はもちろんのこと,さまざまな領域の臨床医や医療関係者,さらに医学研究にも役立つ.附録として「自己免疫性膵炎診療ガイドライン2009」のダイジェスト版を掲載.2001年に発行された『自己免疫性膵炎―概念と病態 up-to-date―』の新版.

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目次

Contents
新版 自己免疫性膵炎
―病態から診断・治療まで―

口絵カラー
監修の序
編集の序
執筆者一覧

1章 疾患概念
1.自己免疫性膵炎の疾患概念  
 …………………………………岡崎和一,内田一茂

2章 疫学
1.日本と海外における疫学  
 …………………………………西森 功

3章 病理
1.膵病変の病理
 a Lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)
 …………………………………須田耕一
 b 好中球浸潤を伴う病変(IDCP,AIP-GEL)  
 …………………………………能登原憲司
2.膵外病変の病理 
 …………………………………全  陽
3.鑑別すべき類似病変の病理 
 …………………………………能登原憲司

4章 病因・病態
1.免疫遺伝学的背景
 a HLA  
 …………………………………太田正穂
 b single nucleotide polymorphism(SNPs),一塩基多型  
 …………………………………梅村武司,太田正穂
2.自己免疫異常
 a 体液性免疫  
 …………………………………岡崎和一,内田一茂
 b 自己免疫性膵炎における補体系の役割  
 …………………………………川 茂幸
 c IgG4  
 …………………………………川 茂幸,浜野英明
 d 細胞性免疫  
 …………………………………岡崎和一,内田一茂
3.動物モデルによる解析  
 …………………………………内田一茂,坂口雄沢,岡崎和一

5章 臨床検査
1.膵画像検査
 a 超音波検査(US),超音波内視鏡検査(EUS),管腔内超音波検査(IDUS)  
 …………………………………乾 和郎,中村雄太
 b CT,MRI  
 …………………………………入江裕之
 c FDG-PET,ガリウムシンチグラフィ  
 …………………………………川 茂幸,浜野英明
 d 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)  
 …………………………………西野隆義,土岐文武,白鳥敬子
 e 超音波内視鏡下穿刺法(EUS-FNA)  
 …………………………………水野伸匡,山雄健次
2.血液検査  
 …………………………………西森 功
3.膵内外分泌機能 
 a 自己免疫性膵炎における膵外分泌機能  
 …………………………………伊藤鉄英
 b 自己免疫性膵炎における膵内分泌機能  
 …………………………………伊藤鉄英

6章 診断と鑑別診断
1.診断基準
 a 日本の診断基準  
 …………………………………岡崎和一,内田一茂
 b 海外の診断基準  
 …………………………………岡崎和一
 c アジア診断基準(Asian diagnostic criteria for autoimmune pancreatitis)
 …………………………神澤輝実,岡崎和一,川 茂幸,下瀬川 徹,大槻 眞
2.膵外病変
 a 硬化性胆管炎   
 …………………………………大原弘隆,中沢貴宏
 b 硬化性唾液腺炎  
 …………………………………神澤輝実,瀬戸口京吾,佐々木綾子
 c 後腹膜線維症  
 …………………………………川 茂幸,藤永康成
 d リンパ節腫大  
 …………………………………神澤輝実,能登原憲司
 e 呼吸器病変  
 …………………………川 茂幸,伊東理子,山本 洋,津島健司,久保惠嗣
 f 腎病変  
 …………………………………岡崎和一
 g 胃腸(十二指腸乳頭部を含む)  
 …………………………………神澤輝実
 h 肝病変  
 …………………………………梅村武司
 i そのほかの膵外病変
 ――甲状腺機能低下症,下垂体炎,前立腺炎,血小板減少性紫斑病  
 …………………………………川 茂幸
 j 全身性疾患としての疾患概念へのひろがり――IgG4関連硬化性疾患  
 …………………………………神澤輝実
3.鑑別診断
 a 良性疾患  
 …………………………………川 茂幸
 b 悪性疾患(癌との鑑別指針)
 ――自己免疫性膵炎と膵癌の鑑別のポイント 
 …………………………川 茂幸,藤永康成,能登原憲司,神澤輝実,大槻 眞

7章 治療
1.ステロイド治療  
 …………………………………神澤輝実,鶴田耕二,岡本篤武
2.ステロイド以外の治療法  
 …………………………………神澤輝実,安食 元,来間佐和子

8章 予後
1.予後――再燃と寛解,長期予後  
 …………………………………田中滋城,吉田 仁,池上覚俊,北村勝哉

附録 自己免疫性膵炎診療ガイドライン2009〔ダイジェスト版〕

索引

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序文

監修の序

 診断と治療社から『新版 自己免疫性膵炎―病態から診断・治療まで―』が発刊されることになった.同社から『自己免疫性膵炎―概念と病態up-to-date―』が刊行されたのが2001年である.それから約8年が経過するが,自己免疫性膵炎は疾患概念,診断,治療のいずれにおいても急速な進展をみせ,また,大きな変貌を遂げてきた.国際的にも注目を集め,海外からの症例報告や臨床研究の発表も年々増加し続けている.IgG4を特徴とする疾患であること,多彩な膵外病変の合併と全身性IgG4関連硬化性疾患の提唱,日本および海外からの臨床診断基準の提唱とAsian Diagnostic Criteriaの完成,最適なステロイド治療に関する欧米との考え方の違い,膵・胆道癌との理想的鑑別法など,疾患に対する理解が深まるにつれ,新たに多くの臨床上の疑問を提供し続けている興味の尽きない疾患である.
 自己免疫性膵炎は1995年,Yoshidaらによって疾患概念が初めて提唱されたが,その後,本疾患に関する情報の多くが日本から発信され,この分野においてわが国は常に世界をリードしてきた.厚生労働省の最近の全国調査によると,わが国の自己免疫性膵炎患者数は約2,800例と推定されており,症例数や研究報告数は海外を圧倒している.本書は世界に数多くの情報を発信してきたわが国を代表する専門医によって書かれた,自己免疫性膵炎に関する現時点の集大成である.
 自己免疫性膵炎が世界的展開をみせているこの時期に本書が時宜を得て企画され,充実した内容で刊行されるのは監修を担当したものにとって誠に嬉しいことである.本書の編集にご尽力された岡崎和一先生,川 茂幸先生,神澤輝実先生,執筆を担当された諸先生に心から敬意を表したい.本書が消化器病専門医のみならず,様々な領域の臨床医,研修医,医学生,医療関係者に広く読まれ,自己免疫性膵炎の最新の知識や現状の問題点を正しく理解するために役立ち,実地臨床だけでなく医学教育や研究にも貢献できるよう願っている.

2009年11月

厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班研究代表者
東北大学大学院消化器病態学分野教授
下瀬川 徹

日本膵臓学会理事長
九州大学大学院臨床・腫瘍外科教授
田中雅夫


編集の序

 このたび診断と治療社から『新版自己免疫性膵炎―病態から診断・治療まで―』が上梓されることとなった.
 自己免疫性膵炎は,1995年東京女子医科大学のYoshidaらにより,その概念が提唱され,その後,わが国から多くの症例ならびに臨床研究が報告された.2002年には日本膵臓学会から最初の診断基準が提唱されたが,血中IgG4高値,IgG4陽性形質細胞浸潤,膵外病変などの特徴ある病態が明らかとなり,最近では「IgG4関連全身疾患」の可能性も示唆され新たな展開をみせている.2006年には厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班(大槻 眞主任研究者)と日本膵臓学会(田中雅夫理事長)が合同で改訂診断基準を公表した.このころには,海外からも複数の診断基準が提唱され,今や新しい疾患として国際的にも認められるに至り,本症はまさにわが国より発信された新しい疾患といえる.しかしながら,概念の普及につれ,非典型例の症例も増加し,鑑別診断法やステロイド使用法などの問題も指摘されるようになったため,今年,厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班(下瀬川 徹研究代表者)と日本膵臓学会による日本人のための「自己免疫性膵炎診療ガイドライン2009」が機関誌「膵臓」ならびに英文ダイジェスト版が「Pancreas」に公表された.本症の存在さえ疑われた黎明期の2001年に診断と治療社から『自己免疫性膵炎―概念と病態 up-to-date―』が上梓され10年が経とうとしており,今回,同社から本疾患に対する新たなモノグラフが企画出版されるのはまさにたいへん時宜を得たものといえる.
 本書では,田中雅夫教授と下瀬川 徹教授の監修のもと,本疾患の病態・診断・治療の確立のために,現在わが国の第一線で活躍されている先生方に執筆をお願いした.現時点における本疾患に関する最新の知見が集約でき,さらにこの機会に,英文ガイドラインの和訳が「ダイジェスト版 自己免疫性膵炎診療ガイドライン2009」として掲載できたことは編者として,感謝の念に堪えない.本書が本疾患の概念,診断,治療法の一助として,膵臓疾患の専門家はもちろんのこと,第一線の臨床の先生方のお役に立てれば,編者としてこれ以上の喜びはない.
 最後に,監修・執筆していただいた先生方はもちろんのこと,本書の企画出版をしていただいた診断と治療社の編集部の皆様にこの場をお借りして,御礼を申し上げる.

2009年11月
関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科)教授
岡崎和一

信州大学健康安全センター教授
川 茂幸

東京都立駒込病院内科部長
神澤輝実