感染症学 改訂第四版診断と治療社 | 書籍詳細:感染症学 改訂第四版
山口大学大学院医学系研究科医療環境学 教授
谷田 憲俊(たにだ のりとし) 著
改訂第4版 B5判 並製 628頁 2009年12月22日発行
ISBN9784787817440
定価:10,450円(本体価格9,500円+税)冊
感染症診療に必要となる情報を網羅した教科書.本改訂第4版ではカラー図版をさらに充実させたほか,近年の感染症関連規則の変遷を踏まえ疾患を追加,「平成21年版医師国家試験出題基準」に準拠する形で疾患順を再配置した.
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目次
目次
I ウイルス感染症
1 急性ウイルス性呼吸器感染症
2 インフルエンザ
3 重症急性呼吸器症候群
4 アデノウイルス感染症
5 パラミクソウイルス呼吸器感染症
6 流行性耳下腺炎
7 麻疹
8 風疹
9 伝染性紅斑
10 コクサッキーウイルス/エコーウイルス感染症
11 急性灰白髄炎
12 ウイルス性胃腸炎
13 ウイルス性肝炎
14 単純ヘルペスウイルス感染症
15 水痘/帯状疱疹
16 EBウイルス感染症
17 サイトメガロウイルス感染症
18 突発性発疹
19 昆虫源性ウイルス熱
20 ウイルス性出血熱
21 ハンタウイルス感染症
22 痘瘡
23 狂犬病
24 ヘニパウイルス感染症
25 ヒト乳頭腫ウイルス感染症
26 伝染性軟属腫
27 後天性免疫不全症候群
28 成人T細胞白血病
II 伝達性海綿状脳症
29 プリオン病
III クラミジア感染症
30 オウム病
31 クラミジア肺炎
32 クラミジア性結膜炎
33 性器クラミジア感染症
34 鼠径リンパ肉芽腫
IV マイコプラズマ感染症
35 マイコプラズマ肺炎
V リケッチア感染症
36 つつが虫病
37 ダニ媒介リケッチア性紅斑熱群
38 発疹チフス
39 発疹熱
40 Q熱
41 ネコひっかき病
42 バルトネラ症
43 塹壕熱
44 エーリキア症
VI 細菌感染症
45 連鎖球菌感染症
46 腸球菌感染症
47 肺炎球菌性肺炎
48 ブドウ球菌感染症
49 淋菌感染症
50 髄膜炎菌性髄膜炎
51 リステリア症
52 ジフテリア
53 炭疽
54 ヘモフィルス感染症
55 モラクセラカタラーリス感染症
56 赤痢
57 腸チフス
58 サルモネラ症
59 百日咳
60 大腸菌感染症
61 クレブシエラ感染症
62 エルシニア症
63 コレラ
64 ビブリオ感染症
65 レジオネラ症
66 ペスト
67 緑膿菌感染症
68 野兎病
69 類鼻疽/鼻疽
70 ブルセラ症
71 キャンピロバクター感染症
72 ヘリコバクターピロリ感染症
73 破傷風
74 ガス壊疽
75 ボツリヌス症
76 クロストリジウムディフィシル腸炎
77 バクテロイデス感染症
78 アクチノマイセス
79 ノカルジア
80 レプトスピラ症
81 梅毒
82 ライム病
83 回帰熱
84 ヨーズ
85 細菌性食中毒
VII 抗酸菌感染症
86 結核
87 非結核性〈非定型〉抗酸菌症 412
88 ハンセン病
VIII 真菌感染症
89 カンジダ症
90 クリプトコッカス症
91 アスペルギルス症
92 ムコール症
93 白癬菌症
94 癜風
95 スポロトリコーシス
96 黒色分芽菌症
97 ニューモシスチス肺炎
98 輸入真菌症
IX 原虫感染症
99 アメーバ症
100 マラリア
101 トキソプラズマ症
102 クリプトスポリジウム症
103 トリコモナス症
104 ジアルジア症
105 ネグレリア症
106 リーシュマニア症
107 トリパノソーマ症
108 バベシア症
X 寄生虫感染症
109 鉤虫症
110 蟯虫症
111 糞線虫症
112 回虫症
113 アニサキス症
114 鞭虫症
115 糸状虫症
116 顎口虫症
117 旋毛虫症
118 住血吸虫症
119 肺吸虫症
120 肝吸虫症
121 広節裂頭条虫症
122 条虫症
123 包虫症
124 疥癬
125 シラミ症
資料
標準的感染防御策
感染症法に基づく届出疾病
殺菌消毒薬の選択と使用法
索引
和文索引
欧文索引
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序文
改訂第四版の序
1998 年に本書を刊行したころは「微生物の逆襲」とか「新興・再興感染症」などという言葉が話題になり,感染症が再び注目を浴びはじめていた.しかし,「いつからいつまで伝染性があるのか」といった感染症診療の基礎となる情報が記された教科書は本邦に存在しなかった.私は,感染症についての情報が凝縮されているアメリカ公衆衛生学会の Control of Communicable Diseases Manual(CCDM)を教育と診療に利用してきた.そこで,アメリカ公衆衛生学会の快諾を得て CCDM から多くを引用して『感染症学』が刊行されたわけである.
以来,10 年以上経過したが,本書の目標はいまだ達していないと考えざるを得ない.例えば,ここ数年の本邦における麻疹への対応は再興感染症に該当する扱われ方で,対策が遅れていたことを露呈した.2009 年には,新型インフルエンザが世界を席巻している.ところが,ニューヨークタイムズ紙から“偏執狂的”と揶揄されるほど,日本の新型インフルエンザ対策は不合理性に満ちている.ひとえに感染症に対する理解不足からそういった不適切な事態につながっていると考えられる.したがって,本書の意義はますます大きくなっていると思う.
本書は教科書として踏み出した性格もあり,この改訂第四版では「平成 21 年版医師国家試験出題基準:感染性疾患」に準拠する形で疾患順を再配置した.また,感染症関連規則がこの 10 年で大きく様変わりしたことを踏まえ,感染症法に求められる疾患を追加した.輸入感染症についても,引き続き診療できるように充実させている.さらに,馴染みのない疾患でも,今後注目を浴びると考えられる感染症は掲載した.情報元は旧版同様に CCDM(19 版),およびアメリカ疾病予防センター(CDC),世界保健機関(WHO),Journal Watch(Massachusetts Medical Society)である.出典は,それら以外のトピックス的な記事についてのみ表記している.
旧版同様に見て学べるように画像の充実にも心がけた.新たに,兵庫医科大学皮膚科学教室:夏秋優准教授より図 18-3(薬剤性過敏症症候群),図 26-1(伝染性軟属腫),図 89-2(腋窩間擦疹),図 93-1(トリコフィトン・トンズランスの頭部白癬),図 116-1(皮膚幼虫移行症),山口大学:塚原正人副学長より図 41-2(ネコひっかき病),国立病院機構関門医療センター総合診療部:佐藤穣部長より図 27-1(症候性 HIV 感染者の発疹)から貴重な画像をご提供いただいた.Massachusetts Medical Society と Elsevier からも許可を得て掲載している.さらに,CDC の著作権フリーの画像を数多く利用させていただいた.また,私の留学先のロンドン大学衛生熱帯病大学院からの画像もある.なお,提供元が記されていない画像は第三版と『見逃してはいけない感染症』(2007 年,診断と治療社)に既出であることを記してご提供先の表示に代えさせていただきたい.それらの提供元の諸氏も含めて,ここに画像のご提供元の諸氏と機関,及び本書企画に尽力いただいた診断と治療社 堀江康弘氏,資料の作成も含めて記載内容の確認等に多大な貢献をしていただいた診断と治療社担当の柿澤美帆氏,伊藤唯氏に深謝致します.
2009 年 12 月
山口大学大学院医学系研究科医療環境学教授 谷田憲俊