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母子保健学改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:母子保健学改訂第2版

北里大学医学部産婦人科学教授

海野 信也(うんの のぶや) 編集

東京大学大学院医学系研究科小児医学講座講師

渡辺 博(わたなべ ひろし) 編集

改訂第2版 A5判 並製 288頁 2010年02月05日発行

ISBN9784787817570

定価:本体2,900円+税
  

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初版から7年が経過し,母子保健,小児保健の現状も大きく変化した.これをふまえ,用語の見直し,予防接種情報の改訂,コラムの追加,また疫学・統計データを最新のものにした.

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目次

母子保健学 改訂第2版

母性保健
海野 信也  
I 母子保健の意義と母子保健制度の歴史
   母子保健  
   母性とは  
   わが国の母子保健の現状  
   母子保健活動の役割の推移  
   わが国の母子保健制度の歴史  
II リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
―わが国の母子保健上の問題点とその対策―
   リプロダクティブ・ヘルス/ライツという新しい考えかた  
   わが国の母子保健上の問題点 
   女性の社会進出の現状 
   新エンゼルプラン  
   (資料)重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について     
III 女性の生理的特徴
   女性器の構造と機能  
   性周期  
IV 女性のライフステージに関連して発生する疾患・異常
   女性のライフステージ  
   思春期に関連する疾患・異常  
   主として性成熟期に関連した疾患・異常  
   更年期に関連する疾患・異常  
V 女性のライフステージ関連疾患―内分泌疾患・不妊症―
   内分泌疾患  
   不妊症  
VI 人工妊娠中絶・家族計画・受胎調節・避妊法
   人工妊娠中絶  
   避妊  
VII 妊産婦の健康上の問題点―妊娠の生理―
   妊娠の成立  
   妊娠反応について  
   妊娠期間の経過  
VIII 妊産婦の健康上の問題点―分娩と産褥の生理―
   分娩  
   産褥  
IX 胎児情報を収集する方法
   胎児情報の収集方法  
   出生前診断  
   超音波検査  
   胎児心拍モニター  
X 妊産婦の健康上の問題点―妊娠の異常―
   妊娠初期の異常  
   妊娠中期・後期の異常  
XI 妊産婦の健康上の問題点―分娩と産褥の異常―
   胎児機能不全  
   産道の異常  
   娩出力・陣痛の異常  
   胎児および胎児付属物の異常  
   分娩時の母体損傷・異常出血  
   産科ショック  
   播種性血管内凝固症候群  
   胎児・新生児死亡  
   産褥の異常  
XII 妊産婦健康診査と保健指導
   妊娠管理  
   妊娠と栄養  
XIII 薬剤・環境因子の胎児への影響
   器官形成期・臨界期  
   放射線の胎児への影響  
   催奇形性のある薬剤・化学物質  


小児保健
渡辺  博  
I 新生児
   新生児の特徴  
   新生児の栄養  
   新生児の排泄  
   新生児の保温  
   新生児の睡眠  
   新生児の動き  
   新生児の病気 
II 遺伝
   遺伝子と染色体  
   遺伝病  
   遺伝カウンセリング  
   遺伝子診断  
   遺伝子治療  
III 成長と発達
   小児期の区分  
   成長と発達の違い  
   成長  
   発達  
IV 栄養
   栄養の基本  
   離乳食  
   小児の食事  
   病気のときの食事  
   食事と感染予防  
   肥満  
V 生活
   体温と発熱 
   消化器  
   水代謝  
   睡眠  
   その他の日常生活  
VI 小児の病気
   感染症  
   消化器系の病気  
   アレルギーが関係する病気  
   神経系の病気  
   腎泌尿生殖器系の病気  
   内分泌系の病気  
   その他――循環器系や呼吸器系などの病気  
   薬の話  
   小児慢性特定疾患  
   児童福祉施設  
VII 予防接種
   予防接種の歴史  
   予防接種はなぜ必要か?  
   現在行われている予防接種  
VIII 小児の事故
   小児の事故の特徴  
   代表的な小児の事故と予防法  
   事故の対処法  
IX 虐待
   子どもに対する虐待  
   虐待の分類  
   虐待の背景  
   虐待の発見  
   虐待への対応  
X 乳幼児健診および法律と行政
   乳幼児健診  
   児童憲章・児童福祉法  
   保健所・児童相談所

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序文

初版の序

 日本の新生児死亡率(1.7)や乳児死亡率(3.0)は現在,世界のトップレベルである.妊産婦死亡率(6.5)はトップとはいかないものの,他の先進国と比べ遜色のない数字である(いずれも2002年現在).母子保健の基本的データであるこれらの数字から見る限り,わが国の母子保健は満足すべき状態に見える.
 一方,わが国の母子保健の現状を見直してみると,年を追うごとに出生数は減り続け一向に改善の兆しの見えない少子化問題,小児救急の危機,麻疹流行問題に代表される不十分なワクチン接種率,育児不安の問題,児童虐待の増加などなど問題は山積し,しかもいずれも一筋縄ではいかない難問である.この現実と先の指標とのギャップは何なのだろうか.
 思うに新生児死亡率や平均寿命といった指標は,これまでの,現在というよりはむしろ過去の保健衛生水準・医療水準を反映しているのではないだろうか.これらの指標が世界最高だからといって,現在の保健・医療体制が万全という保障にはならないのではなかろうか.日本の経済や教育も,かつて世界最高水準といわれたものが瞬く間にレベルが低下し,回復の道筋も見えないままあえぎ続けている現状を見る時,日本の保健・医療体制が同じ道をたどるのでは?と考えるのは,あながち杞憂とも言えないように思えるのだがどうだろう.
 本書は大学生,短期大学生,専門学校生のみなさんをおもな対象に,新時代の母子保健学を学ぶ手助けとなる教科書として執筆された.本書の特徴は,リプロダクティブ・ヘルス/ライツの項目や小児の事故や虐待の問題に関する項目など,最新の問題を積極的に取り入れた所にあると考えている.母子保健学習の一助となれれば幸いである.
 最後に本書の出版にあたり多大なご助力をいただいた診断と治療社の中尾美智子氏と,執筆を影から支えていただいた我々の同僚および家族に,この場を借りて心より深謝する.

2003年3月

海野信也
渡辺 博
改訂の序

 本書が世に出て7年が経過した.ふり返ってみると7年という歳月は長いもので,この間母子保健関連でもさまざまな変化が起きている.各種統計データはもとより,中には用語がすっかり変わったものもある.予防接種に関しても現状と乖離した面が生じていた.今回の改訂を機にこのあたりの記述をすべて最新のものに改めることができたたことは大きな喜びである.
 7年前と現在とでは日本の医療環境も大きく様変わりした.以前も問題がなかったわけではないが,この7年の間に医療体制の危機的状況が顕在化し,「医療崩壊」,「産科医療の危機」,「小児医療の危機」,「病院の閉鎖」などといった問題が顕在化し,現在もこの問題は解決に至っていない.初版の序でも触れたことであるが,保健衛生水準の指標が世界最高レベルである日本でも,医療体制は問題山積状態であることが露呈した形である.これは本来望ましいことではないが,現状から考えれば今後母子保健学の知識の習得と実践はますます重要になっていくものと思われる.
 本書が母子保健学の教科書として学生はじめ関係諸氏のお役に立てることを心から願う.最後に本書の改訂にあたり多大な尽力と助言をいただいた診断と治療社の土橋幸代氏,およびわれわれの同僚と家族に深謝する.

2010年1月

海野信也
渡辺 博