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書籍詳細

「ちょっと気になる」から「軽度発達障害まで」 
トリプルP診断と治療社 | 書籍詳細:トリプルP
~前向き子育て17の技術~

国立保健医療科学院生涯保健部

加藤 則子(かとう のりこ) 編集

和歌山県立医科大学保健看護学部

柳川 敏彦(やながわ としひこ) 編集

初版 B5判 並製 128頁 2010年09月20日発行

ISBN9784787818041

定価:本体2,200円+税
  

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しっかりしたエビデンスをもち,事実に裏づけされた子育て技術をイラストとわかりやすい解説で紹介.多くの親に普及するべく,子どもと親の双方に接する機会のある教育関係者や医療関係者におすすめする書である.

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目次

第Ⅰ部 子どもとの関わり方がよくなる17の技術

1 トリプルPとは   
 …………………………………加藤則子   
2 子育てが前向きであるということ   
 …………………………………加藤則子   
 1 子育ての肯定的側面   
 2 前向き子育ての5原則   
3 子どもの問題行動の原因は?   
 …………………………………加藤則子   
 1 持って生まれた行動   
 2 伝わった情報に反応して起こる行動   
 3 とかく起こりがちな行動   
 4 気分や体調の影響   
4 子どもの発達を促す10の技術   
 …………………………………加藤則子   
 1 子どもとの建設的な関係をつくる   
 2 好ましい行動を育てる   
 3 新しい技術や行動を教える   
5 問題行動に対応するための7の技術─単独で使うものではありません   
 …………………………………加藤則子   
6 17の技術を有効に使う   
 …………………………………加藤則子 
 1 技術の応用こそトリプルPの底力   
 2 ロールプレイの魔力   
 3 テーラーメイドの育児技術   
7 子育てをもっと楽しくするために─アドバイスのポイント   
 …………………………………秋山千枝子   
 1 アドバイスの際の立ち位置   
 2 アドバイスの伝え方   
 3 「気づき」について   
 4 相談を継続してもらうために   
 5 連携をするということ   
 6 アドバイスの最後に   

第Ⅱ部 やってみよう「前向き子育て」

1 トリプルPがもたらすさまざまな変化─保護者の声   
 …………………………………梅野裕子  
 1 親の前向きな姿勢が子どもを変える   
 2 「はっきりと穏やかな指示」によってイライラがなくなった   
 3 子どもがぐずるのには必ず理由がある   
 4 子育ては“自立するためのお手伝い”   
 5 「行動日記」をつけて自分に対する対応を予測   
 6 息子のかんしゃくがなくなった   
2 トリプルPのやってよかった体験談─専門家の声   
 1 臨床心理士の立場から   白山真知子   
 2 小児科医の立場から   小澤礼美   
 3 看護職(教員)の立場から   澤田いずみ   
3 ファシリテーターからの声   
 …………………………………梅野裕子   
 1 グループワークで感想を聞くのが楽しみ   
 2 トリプルPは子育ての説明書   
 3 参加者が理解しやすいプログラム   
 4 保健師としてのファシリテーターの仕事   

第Ⅲ部 いろいろなペアレンティングプログラムの中で

1 ペアレンティングの支援   
 …………………………………加藤則子   
 1 さまざまなプログラム   
 2 ペアレントトレーニングの中で   
 3 地域ベースの多段階介入   
 4 評価指標を持つ   
 5 特化型トリプルP   
2 質の保証されたデリバリー   
 …………………………………加藤則子   
 1 トリプルPの子育て技術   
 2 ファシリテーターになるためには   
 3 予防に力点─地域に浸透してこそ有効という考え方   
 …………………………………加藤則子   

第Ⅳ部 児童虐待予防のために

1 児童虐待予防とトリプルP   
 …………………………………柳川敏彦   
 1 子ども虐待とは   
 2 子ども虐待と発達障害   
 3 ペアレンティングの必要性   
 4 トリプルPの実践   
 5 トリプルPの評価(効果判定)方法   
 6 トリプルPの科学的根拠に基づく研究評価   
 7 トリプルPに参加するために   
 8 トリプルPの長所   

索 引   

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序文

序   文

 かんしゃく持ち,ベッタリくっついて離れないなど,子どもの成長過程では気になることや頭の痛いことでいっぱいです.少しでも楽な気持ちで子育てをしてもらえたら…トリプルPにはそんな願いが込められています.子育て場面の1つ1つが積み重なって,子どもと過ごす日々が織り成されていきます.子どもと過ごす年月は子どもの人格を形成していきます.これらを大切にすることで,いろいろなこころの問題が起こるのを未然に防ぎ,つぎの世代が健全に育っていきます.
 本書はトリプルPシステムにおけるレベル1の位置づけにあります.子育ての悩みは誰にでもあり,決して恥ずかしいことではありませんから,迷わず助けを求めて欲しいという親への願いです.そして支援する側の方々やその活動基盤となる組織の方々に,トリプルPが健全で前向きで,問題をかかえる家族が決して差別視されることがないよう配慮されたシステムであることをお伝えするものです.本書はトリプルPファシリテーターの仲間が,トリプルPについて知ってもらうためにあちこちで2時間程度の講演をするような,そんな内容となっています.
 トリプルPは,その有効性と安全性を裏づけるために十数年の年月と労力がかけたれています.プログラムが,ある家族にとっては有効だけれども別の家族にとっては危険かもしれないということでは困るからです.したがって,これを広めていくための質の管理もきわめて厳重です.ルールが厳しい分,世に知れわたるには時間を要するわけですが,やはり少しでも多くの困っている親が救われるために,より多くの専門家や意思決定をする立場にある方々に知って欲しいという思いが強く,本書を企画しました.
 原稿を辛抱強く待ち,さまざまなわがままにこたえてくれた担当の寺町多恵子さんにこの場を借りて感謝いたします.


平成22年 8月吉日
国立保健医療科学院生涯保健部 加藤則子


序   文

 「公共の場所(電車の中,病院の待合など)で子どもが,じっとしないで走り回っている,あるいは奇声や大きな声を出して騒いでいる」このような状況に遭遇した時,あなたはどう思いますか?「子どもがどうしたのか心配の思う,この子の親はどこにいるのか,どうして親は子どもに注意をしないのか」など,いろいろな感情が出てきますが,その場にいた大人の方は,親を責める気持ちをより強く持ってしまうことが多いようです.
 発達障害の子どもの場合,このような場面は日常茶飯事です.発達障害の子どもを持った親は,周りの目を感じて,自分の思いや意図に反した行動をとってしまったり,自分はこのような場面にどのようにしたらよいのかわからないと悩んでいます.最近では電車に乗ると,自閉症であることを示すカードをつけている子どもを見かけることもあり,親が悩み,戸惑っていることが手に取るようにわかります.
 最初の場面で,子どもが発達障害であるのでは,あるいは親が悩んでいるのではと思った方は,どの程度いたでしょうか.
 「発達障害とトリプルP」は,日常で起こる子どもとの関係で悩んでいる,戸惑っている保護者の方に,「こんなに実践的ですぐに役に立つアイデアがあるのだ」と知ってもらいたいことがまず一番です.本書を読むと実は,子どもを持つすべての親に当てはまることであることに気づいていただけると思います.親が変わると子どもによい変化が生まれます.そして本書は,子どもに関するさまざまな専門家(保育士,教師,医師,看護師,保健師,助産師,ソーシャルワーカーなど)の必携書であると確信します.子ども(教えられる子=Pupil),親(Parent),そして専門家(Practitioner)に役立つ,前向き子育てプログラム(Positive Parenting Program)トリプルPに是非,触れてみてください.


平成22年 8月吉日
和歌山県立医科大学保健看護学部 柳川敏彦