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糖尿病性腎症の病態に基づいた栄養管理・指導のコツ診断と治療社 | 書籍詳細:糖尿病性腎症の病態に基づいた栄養管理・指導のコツ

東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科

宇都宮 一典(うつのみや かずのり) 編集

女子栄養大学 栄養クリニック

蒲池 桂子(かまち けいこ) 編集

初版 B5判 並製 204頁 2012年10月10日発行

ISBN9784787819840

定価:本体4,500円+税
  

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糖尿病性腎症の食事療法に焦点をあて,各病期での蛋白・塩分・エネルギーなどの具体的な摂取量,献立例,栄養管理・指導のコツについて記した.また,糖尿病性腎症の病態・病期,検査成績の読み方,薬物療法などの治療目標にも触れ,正しい知識に基づいた適切な食事療法の実践を提案している.糖尿病性腎症における多角的な管理について簡潔にまとめられており,医師のみならず管理栄養士にも手にとって欲しい内容となっている.

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目次

序文
執筆者一覧
略語一覧

I 糖尿病の合併症
 1.心・大血管疾患…松村 剛,荒木栄一
 2.糖尿病足病変・足潰瘍…渥美義仁
 3.神経障害…水上浩哉,八木橋操六
 4.眼合併症…嘉山尚幸,高木 均
 5.糖尿病性腎症…羽田勝計

II 糖尿病性腎症の治療
 1.糖尿病性腎症の薬物療法…宇都宮一典

III 糖尿病性腎症の病期による治療のポイント
 1.早期(微量アルブミン尿期)…永井貴子,金﨑啓造,古家大祐
 2.顕性期…四方賢一
 3.腎不全期…赤井裕輝
 4.透析期…本田浩一,秋澤忠男

IV 糖尿病性腎症の管理に必要な臨床検査成績の読み方
 1.HbA1c…島 健二
 2.グリコアルブミン…中尾一志
 3.尿 酸…大野岩男
 4.血清クレアチニンと推算糸球体濾過量…松尾清一,佐藤和一
 5.血中シスタチンC…猪股茂樹
 6.尿中アルブミン…清水美保,和田隆志
 7.尿中IV型コラーゲン…守屋達美,土屋晶子

V 透析周期の管理目標と薬物療法(キャリーオーバー)
 1.血 糖…馬場園哲也
 2.血 圧…奥野仙二,石村栄治
 3.脂質異常…庄司哲雄
 4.貧 血…椿原美治
 5.チーム医療のあり方…海津嘉蔵,細川 緑

VI 糖尿病性腎症における食事療法
 1.保存期食事療法の意義と課題…宇都宮一典
 2.透析期食事療法の意義と課題…中尾俊之
 3.蛋白制限指導の実際…金澤良枝
 4.塩分制限指導の実際…岩川裕美
 5.カリウム・リン制限指導の実際…井上嘉彦,吉村吾志夫
 6.脂質栄養のあり方と指導の実際…松井貞子,丸山千寿子

VII 栄養相談の実際
 1.食事療法の考え方…蒲池桂子
 2.栄養相談の進め方…蒲池桂子
 3.食生活の管理と評価…蒲池桂子

クリニカルノート
small dense LDL…平野 勉
脂質異常症と細小血管障害…横田太持
糖尿病性腎症と酸化ストレス…江頭絵里奈,井口登與志
CKDとしての糖尿病性腎症―糖尿病における心腎連関―…宇都宮一典
新しいCKDステージ分類と糖尿病性腎症病期分類…今井圓裕
腎不全・透析期における血糖コントロール…阿部雅紀
高齢者における透析の問題点…櫻井 薫,中山昌明
透析医療と臨床倫理…三浦靖彦,土屋晶子

付録:おもな宅配食リスト
索引

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序文

序 文 

 糖尿病性腎症(腎症)は,糖尿病の患者数とともに増加し,わが国の透析療法の原因疾患の第1位を占めています.しかし,腎症が抱える本当の問題は数の増加のみではなく,腎症を合併した患者さんの生命予後が悪いことにあります.その原因は,腎症が病期の進展とともに心血管疾患の強いリスクとなるからです.原因疾患を問わず,腎機能障害が心血管疾患のリスクとなることから,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念が提唱されました.この関係を心腎連関とよんでいますが,腎症はCKDの最も重要な原因であるばかりでなく,微量アルブミン尿の早期の段階から心腎連関が作動します.したがって,腎症の治療には,早くから全身の血管保護をめざした包括的な視点が求められるのです.そのために,血糖,血圧,脂質異常について多角的な管理を必要とします.
 一方,糖尿病治療の基本は食事療法ですが,腎症が合併した場合,まず血圧管理のために減塩指導を行い,ステージの進行に伴って蛋白摂取量を制限します.多くの制限のある糖尿病の食事療法にあって,さらに食塩,蛋白の制限を加えることは,患者さんにとって大きな心理的負担となり,その実践には医療に関わるスタッフの的確なサポートが必要です.そして,腎症の食事療法には,いまだ未解決な課題も少なくありません.そうしたなかで,現場の管理栄養士は患者さんの質問に答えながら,当面の栄養指導を行うことに四苦八苦し,患者さんがおかれている病態ならびに薬物療法などの治療の目標について,深く考える余裕がないのが現状です.また,糖尿病と腎臓との関係についてまとめて書かれたよい指南書がないことが,病態の正しい理解に基づいた適切な栄養指導を困難にしている大きな要因であると感じていました.
 このような思いから,本書を編集しました.本書は,糖尿病と腎症の病態と薬物療法の意義,腎症のみならず腎症に必ず併存する他の合併症について幅広く解説し,その理解に立って,腎症の進展ともに各ステージの栄養指導をどのように進めていけばよいか,具体的に示しています.幸い,わが国における各領域の第一人者に執筆をお願いすることができました.また,他の成書にはない指導のコツが,随所に書かれています.本書が腎症の診療に関わるすべてのプロフェッショナルの傍らにあって,腎症の治療に貢献することを心から願ってやみません.

2012年9月

宇都宮一典
蒲池桂子