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タンデムマス・スクリーニングガイドブック診断と治療社 | 書籍詳細:タンデムマス・スクリーニングガイドブック

島根大学医学部小児科学

山口 清次(やまぐち せいじ) 編集

初版 B5判 並製 168頁 2013年04月24日発行

ISBN9784787820051

定価:本体4,200円+税
  

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タンデムマスを用いた新生児マススクリーニングのためのテキスト決定版.タンデムマス・スクリーニングの概要と実際,および,増加したスクリーニング対象疾患の臨床症状から検査所見,診断の手順と治療・予後,保護者への説明のポイントまで,簡潔にわかりやすく解説.理解を助ける30のコラムもちりばめ,臨床の現場で役立つ1冊.タンデムマス・スクリーニングに携わるすべての小児科医,産科医,臨床検査医必携.

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目次

タンデムマスで発見できるおもな先天代謝異常症     前見返し
編集者・執筆者一覧    
序 文     山口清次 
タンデムマス・スクリーニングに関する基本用語解説     山口清次   
本書で使用される略語一覧   

第1章 タンデムマス・スクリーニングの概要  
A.新生児スクリーニングの概要
 新生児マススクリーニングの概念と歴史     山口清次   
 拡大スクリーニング     山口清次    
 タンデムマス法とガスリー法の違い     山口清次   
 マススクリーニング対象疾患とその要件     山口清次    
 対象疾患の臨床的特徴     山口清次   
 マススクリーニングに必要な支援     山口清次    
B.タンデムマス法の実際
 タンデムマスの検査項目と関連疾患     重松陽介    
 タンデムマスの原理     重松陽介    
 タンデムマスによるアシルカルニチンとアミノ酸の分析     重松陽介  タンデムマス検査の実際     重松陽介   
 対象疾患の診断マーカー     重松陽介   
 タンデムマスの精度管理     重松陽介  
 タンデムマスの分析項目と疾患     重松陽介    
 遊離カルニチンおよびアシルカルニチンの安定性     山田健治    
 タンデムマス分析結果に影響する因子     山田健治    

第2章 診断と治療    
A.異常発見から確定診断へ
 確定診断までの流れ     山口清次   
 アミノ酸代謝異常症が疑われるとき     山口清次   
 有機酸代謝異常症が疑われるとき     山口清次   
 脂肪酸代謝異常症が疑われるとき     山口清次   
B.治 療
 対象疾患の治療の原則     大浦敏博  
 対象疾患の急性期の治療     大浦敏博    
 対象疾患の慢性期の治療     大浦敏博    
 食事療法の基礎知識     大浦敏博    
 治療に使用される薬剤     大浦敏博    
 フォローアップおよび生活指導     大浦敏博  

第3章 タンデムマスで見つかる疾患        
A.アミノ酸代謝異常症
 アミノ酸代謝異常症のスクリーニング概要     山口清次   
 フェニルケトン尿症(高フェニルアラニン血症)     新宅治夫    
 BH4欠乏症(悪性高フェニルアラニン血症)     新宅治夫    
 メープルシロップ尿症(MSUD)     新宅治夫    
 ホモシスチン尿症     新宅治夫   
 高チロシン血症Ⅰ型     新宅治夫    
 シトルリン血症Ⅰ型     坂本 修   
 アルギニノコハク酸尿症     坂本 修    
 アルギニン血症     呉 繁夫  
 高グリシン血症     呉 繁夫  
 シトリン欠損症     大浦敏博   
B.有機酸代謝異常症
 有機酸代謝異常症のスクリーニング概要     山口清次   
 有機酸代謝異常症の出生前診断     山口清次   
 メチルマロン酸血症(メチルマロニル-CoAムターゼ欠損症)     長谷川有紀    
 ビタミンB12反応性メチルマロン酸血症     長谷川有紀   
 プロピオン酸血症     長谷川有紀   
 イソ吉草酸血症     虫本雄一
 メチルクロトニルグリシン尿症     虫本雄一
 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸血症     深尾敏幸  
 マルチプルカルボキシラーゼ欠損症     深尾敏幸   
 グルタル酸血症Ⅰ型     深尾敏幸    
 βケトチオラーゼ欠損症(T2欠損症)     深尾敏幸   
C.脂肪酸代謝異常症
 脂肪酸代謝異常症のスクリーニング概要     山口清次    
 中鎖アシル-CoA脱水素酵素(MCAD)欠損症     山口清次    
 短鎖アシル-CoA脱水素酵素(SCAD)欠損症     深尾敏幸   
 極長鎖アシル-CoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症     深尾敏幸    
 ミトコンドリア三頭酵素(TFP)欠損症     深尾敏幸    
 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-Ⅰ(CPT1)欠損症     深尾敏幸
 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-Ⅱ(CPT2)欠損症     深尾敏幸
 カルニチン・アシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症     深尾敏幸
 グルタル酸血症Ⅱ型     虫本雄一  
 短鎖3-ヒドロキシアシル-CoA脱水素酵素(SCHAD)欠損症     虫本雄一  全身性カルニチン欠乏症     小林弘典   
 後天性カルニチン欠乏症     小林弘典  


appendix       
 おもな診断マーカーのカットオフ参考値(血液濾紙)     重松陽介  
 おもな診断マーカーのカットオフ参考値(血清)     重松陽介   
 アシルカルニチンのMRM分析イオン一覧     重松陽介    
 アミノ酸とMRM分析イオン一覧     重松陽介   

索 引      
編者略歴      

memo
1 新生児マススクリーニングの事業評価     山口清次    
2 今後の新生児スクリーニング対象疾患として検討されている疾患     山口清次    
3 タンデムマス法の対象疾患以外の情報をどのように制限するのか     重松陽介    
4 タンデムマス・スクリーニングで偶然,母親の疾患が見つかることがある?     重松陽介    
5 アミノ酸代謝異常症の分類とタンデムマス・スクリーニング     山口清次    
6 必須アミノ酸・準必須アミノ酸とは何?     山口清次     41
7 有機酸代謝異常症と脂肪酸代謝異常症の根本的な違いは?     山口清次    
8 乳幼児突然死症候群(SIDS)症例のうち,脂肪酸代謝異常症の
   隠れている頻度はどのくらい?     山口清次    
9 グルタル酸血症Ⅱ型(GA2)は有機酸代謝異常症ですか?脂肪酸代謝異常症ですか?     山口清次    
10 特殊ミルクのいろいろ     大浦敏博    
11 患者追跡項目の例     山口清次    
12 メープルシロップ尿症(MSUD)は有機酸分析で診断できるのに
   アミノ酸代謝異常症に分類されるのはなぜ?     山口清次    
13 中国人に多いホモシスチン尿と
   メチルマロン酸血症を伴うビタミンB12代謝異常症     山口清次  
14 シトリン欠損症患者はなぜピーナッツを好むのか?     大浦敏博  
15 シトリン欠損症患者の禁忌は?     大浦敏博    
16 NICCDは新生児スクリーニング(NBS)で見つかるのですか?     大浦敏博    
17 シトリン欠損症の最近の話題ー迅速簡便な遺伝子変異スクリーニング法     呉 繁夫    
18 メチルマロン酸の増加する疾患     山口清次    
19 イソ吉草酸血症発見の歴史的意味について考えてみよう     山口清次
20 新生児マススクリーニングを契機に発見される
   母体メチルクロトニルグリシン尿症(MCC欠損症)への対応     虫本雄一    
21 新生児マススクリーニングでの偽陽性を減らすために:
   母親の内服薬,栄養状態への配慮     虫本雄一    
22 グルタル酸血症Ⅰ型の特別に多い地域     深尾敏幸    
23 用語の定義を復習:マススペクトル,マススペクトロメトリー,
   マススペクトロメーター…どう違うの?     山口清次    
24 アシルカルニチンの化学構造式(非誘導体およびブチル誘導体)     山口清次    
25 中鎖アシル-CoA脱水素酵素(MCAD)欠損症では酵素が欠損しているのに
   安定期に症状がないのはどうして?     山口清次    
26 短鎖アシル-CoA脱水素酵素(SCAD)欠損症と紛らわしい「エチルマロン酸脳症」とは
   どんな病気?     深尾敏幸    
27 長鎖3-ヒドロキシアシル-CoA脱水素酵素(LCHAD)単独欠損症と
   ミトコンドリア三頭酵素(TFP)欠損症の関係     深尾敏幸   
28 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-Ⅰ(CPT1)欠損症でも
   全身性カルニチン欠乏症でもアシルカルニチンが低下するのはなぜ?     山口清次  
29 小児がカルニチン欠乏をきたしやすい理由     小林弘典
30 脂肪酸代謝異常症の新しい治療薬:ベザフィブラート     山口清次

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序文

 「タンデムマス法」という言葉が最近よく聞かれるようになった.タンデムマス法が開発された当初は,脂肪酸代謝異常症の簡便な診断技術として注目されていた.その後,血液濾紙を使った新生児マススクリーニングに導入できることがわかり,拡大スクリーニングの動きが広がった.わが国でも新生児マススクリーニングでタンデムマス法がガスリー法にとって代わったところである.
 質量分析を応用した先天代謝異常症の診断では,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)がタンデムマスよりも一足早くスタンダードになっている.これによって,原因不明であった代謝障害,急性脳症,神経疾患などの病因・病態が明らかになってきた.GC/MSやタンデムマスのような質量分析法は,生体内の微量成分の同定と測定に威力を発揮するため,今後は小児医療,新生児医療のみならず,内科領域を含む臨床医学領域に応用が拡大されていくと思われる.
 われわれは2011年に,GC/MSによる生化学診断の原理とGC/MSで診断できる疾患を解説した「有機酸代謝異常ガイドブックーGC/MSデータの読みかた・活かしかた」(診断と治療社)を発刊した.そして今回,その続編として本書を刊行した.本書では,タンデムマス法の概要,診断の原理,タンデムマスによって診断できる疾患と治療,および新生児マススクリーニングなどについて解説した.この領域にあまりなじみのなかった人にも,タンデムマスの利用法,タンデムマスデータの読みかたが理解されると信じている.
 本書の執筆編集に中心的にご協力いただいた重松陽介先生(福井大学),大浦敏博先生(仙台市立病院)はじめ執筆者等関係各位,および企画から編集,校正に的確なサポートをしていただいた診断と治療社 福島こず恵氏に感謝したい.本書が,タンデムマス法を導入した新生児マススクリーニングの理解と同時に,臨床および研究の現場に役に立つことを祈念している.

 平成25年3月
 島根大学医学部小児科学教授 山口清次