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研修ノートシリーズ

産婦人科研修ノート 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:産婦人科研修ノート 改訂第2版

自治医科大学学長

永井 良三 (ながい りょうぞう) 総監修

帝京大学医学部産婦人科主任教授

綾部 琢哉 (あやべ たくや) 編集

東京大学医学部産婦人科教授

大須賀 穣(おおすが ゆたか) 編集

改訂第2版 A5判 並製 608頁 2014年04月10日発行

ISBN9784787820372

定価:本体7,000円+税
  

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産婦人科専攻医を対象に,マスターすべき産婦人科の知識はもちろん,医師としての心構えや患者,スタッフとのコミュニケーション,各種書類の書き方まで,臨床現場で役立つ147のエッセンスをまとめた.また,医師の経験談やアドバイスをコラムとして72本収録.最新の情報を盛り込み,5年ぶりに全面改訂.

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目次

第1章 臨床医がマスターすべきこと
A 医療現場でのコミュニケーション
 1.医師としての構え 藤井信吾
 2.若い医師へのメッセージ 武谷雄二
 3.産婦人科専攻(研修)医と指導医 峯岸 敬
 4.産婦人科におけるインフォームド・コンセント 海野信也
 5.胎児・新生児異常の告知 馬場一憲
B 問診・所見
 1.産婦人科での問診の仕方 沖 利通
 2.産婦人科での一般全身所見のとり方 山下隆博
 3.婦人科患者の内診所見のとり方とその記載 池田仁恵,三上幹男
 4.産科患者の内診所見のとり方とその記載 杉本充弘
 5.若年患者の診察 宮坂尚幸
 6.高齢者の診察 宮﨑亮一郎
 7.新生児の診察法と注意すべき異常所見 國方徹也,田村正徳
C 検査
 1.細胞診—採取法と読み方— 山下 博,青木大輔
 2.コルポスコピー(腟拡大鏡診) 長谷川壽彦
 3.子宮内膜組織診 山澤功二
 4.腫瘍マーカー 髙松 潔,仲村 勝
 5.基礎体温 横田英巳
 6.月経異常の内分泌検査 生水真紀夫
 7.子宮通水検査,子宮卵管造影検査 長田尚夫
 8.精液検査 吉田 淳
 9.排卵時期の推定 髙倉賢二
 10.フーナー検査 佐藤 卓,吉村泰典
 11.卵巣腫瘍の超音波検査 市原三義
 12.妊娠初期の超音波診断 吉田幸洋
 13.胎児発育・児体重の推定 伊藤 茂
 14.胎児・臍帯の血流測定 江口勝人,大倉磯治
 15.Non-stress test(NST) 古川誠志
 16.骨盤計測 峯 克也,竹下俊行
 17.婦人科疾患のCT診断 佐野美香,荒木 力
 18.婦人科疾患のMRI診断 松原菜穂子,木戸 晶,富樫かおり
 19.抗精子抗体 柴原浩章
 20.不妊症の検査と治療 桑原慶充
 21.母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査・羊水検査 鈴森伸宏,杉浦真弓
D 処置および手術
 1.ショックの対応 山口 充,堤 晴彦
 2.DICの処置 重光貞彦
 3.子宮内容除去術 北出真理
 4.ヒステロスコピー(子宮鏡) 奥田喜代司,大道正英
 5.ラパロスコピー(腹腔鏡) 岩田壮吉
 6.単純子宮全摘術 三橋直樹
 7.骨盤臓器脱の手術 永田一郎
 8.悪性腫瘍の手術 平松祐司
 9.骨盤位牽出術 亀井良政
 10.吸引分娩 長阪恒樹
 11.鉗子分娩(鉗子遂娩術) 亀井良政
 12.帝王切開術Ⅰ 基本術式─そのコツと勘所 松原茂樹
 13.帝王切開術Ⅱ difficult caseでの工夫 松原茂樹
 14.無痛分娩 天野 完
 15.新生児仮死蘇生術 志賀清悟
 16.光線療法・交換輸血 高橋尚人
 17.避妊法,薬物による月経の移動 土谷 聡,荻野雅弘
E 薬剤
 1.子宮収縮薬 木下二宣,竹田 省
 2.子宮収縮抑制薬 三橋直樹
 3.排卵誘発薬 辻 勲,万代昌紀
 4.性ステロイドホルモン 藤本次良
 5.GnRHアナログ 矢野 哲
 6.ホルモン補充療法 水沼英樹
 7.抗菌薬・抗真菌薬 三鴨廣繁
 8.がんの症状対策 有賀悦子
F 産婦人科で必要な麻酔  
 1.局所浸潤麻酔 今宿康彦,野坂修一
 2.静脈麻酔 髙田真二
 3.無痛分娩時の麻酔 照井克生
 4.帝王切開時の麻酔 照井克生
G 社会保険 
 1.保険診療上の注意点 星合 明

第2章 症候からみる疾患 
 1.下腹部痛 五十嵐敏雄
 2.不正性器出血 杉野法広
 3.帯下 髙井教行,楢原久司
 4.無月経,希発月経,頻発月経 岡田英孝,神崎秀陽
 5.過多月経,過少月経 宮﨑康二
 6.月経困難 泉谷知明,深谷孝夫
 7.外陰部腫瘍・外陰部痛 梁 善光
 8.腟・外陰部瘙痒感 梁 善光
 9.下部尿路症状・下部尿路障害 中田真木
 10.不定愁訴 石谷 健

第3章 産科
A 妊娠中・分娩時・産褥期に必要な指導,管理
 1.妊娠中の管理,健診時のポイント 増﨑英明
 2.妊婦と予防接種 横尾郁子
 3.妊娠と薬物 三橋直樹
 4.分娩時の管理 田中宏和
 5.産褥期の管理 竹田善治,中林正雄
B 産科疾患の診断・治療・管理
 1.流産,習慣流産 牧野恒久
 2.異所性妊娠 藤下 晃
 3.妊娠悪阻 中井章人
 4.頸管無力症 杉村 基
 5.妊娠中問題となる感染症 千村哲朗
 6.心疾患合併妊娠 西島浩二
 7.糖尿病合併妊娠,妊娠糖尿病 杉山 隆
 8.腎疾患合併妊娠 吉松 淳,江口勝人,宮川勇生
 9.甲状腺疾患合併妊娠 百渓尚子,岩間彩香
 10.膠原病合併妊娠 吉田幸洋
 11.血液型不適合妊娠 川上剛史,中原博正
 12.切迫早産 金山尚裕
 13.妊娠中期の破水 安田 俊,経塚 標,野村真司,藤森敬也
 14.妊娠高血圧症候群 山崎峰夫
 15.多胎妊娠 中井祐一郎
 16.常位胎盤早期剥離 竹田善治,中林正雄
 17.子癇 佐川典正
 18.前置胎盤 菊池 朗,田中憲一
 19.陣痛誘発 木下二宣,竹田 省
 20.胎児機能不全 菅原準一
 21.弛緩出血 石郷岡哲郎
 22.頸管裂傷 早稲田智夫,岡 康子,牧野田 知
 23.子宮破裂 関 博之
 24.会陰裂傷 鈴木俊治
 25.子宮復古不全 相良祐輔
 26.乳腺炎 三鴨廣繁
 27.産後うつ病 岡野禎治
 28.静脈血栓塞栓症 牧野真太郎,竹田 省
 29.血液疾患合併妊娠 小林隆夫

第4章 婦人科 
A 婦人科疾患の診断・治療
 1.内性器感染症 藤原道久
 2.腟炎 坂元秀樹
 3.クラミジア感染症 野口靖之
 4.機能性出血 寺内公一
 5.尖圭コンジローマ 川名 敬
 6.性器ヘルペス 川名 尚
 7.多囊胞性卵巣症候群(PCOS) 森下美幸,遠藤俊明
 8.ターナー症候群 多賀理吉
 9.アンドロゲン不応症(AIS) 岡垣竜吾,石原 理
 10.排卵誘発 青野敏博
 11.体外受精胚移植の実際 齊藤英和
 12.卵巣過剰刺激症候群(OHSS) 本田律生,片渕秀隆
 13.高プロラクチン血症,プロラクチノーマ 五十嵐秀樹,倉智博久
 14.多毛 山本 宝
 15.性器の奇形 岡垣竜吾,永田一郎
 16.子宮筋腫 稲葉不知之,深澤一雄,稲葉憲之
 17.子宮内膜症 谷口文紀,原田 省
 18.良性卵巣腫瘍の分類と取り扱い 落合和徳
 19.悪性卵巣腫瘍の組織分類および期別分類 西田 敬
 20.悪性卵巣腫瘍の治療方針 長谷川清志,宇田川康博
 21.悪性卵巣腫瘍の化学療法 松村謙臣,小西郁生
 22.抗癌剤の副作用対策 木村英三
 23.子宮頸癌の組織分類および期別分類 山田秀和,伊藤 潔,八重樫伸生
 24.子宮頸癌の治療方針 塩沢丹里
 25.子宮体癌の組織分類,期別分類および再発リスク分類 藏本博行
 26.子宮体癌の治療方針 渡利英道
 27.子宮肉腫 角田 肇
 28.外陰癌 荷見勝彦
 29.絨毛性疾患 半藤 保

第5章 書類の作成
 1.産婦人科カルテの書き方 田村貴央
 2.死産証書(死胎検案書)および出生証明書の書き方 久保武士
 3.診断書の書き方 峯岸 敬,村田知美
 4.死亡診断書(死体検案書)の書き方 峯岸 敬,村田知美
 5.手術記録の書き方 中井英勝,万代昌紀
 6.分娩記録の書き方 酒井啓治,岩下光利
 7.麻薬の処方と扱い方 木村昌行,佐野元彦

索引
 和文索引
 欧文索引


◆Column
Fetus as a Patient 馬場一憲
内診の方法 山下隆博
内診所見の活用で診断能力向上 杉本充弘
症例に学ぶことの大切さ 宮坂尚幸
常識の壁:腟鏡操作 長谷川壽彦
子宮穿孔に注意 山澤功二
形態学の奥行き 長谷川壽彦
お金をかけない内分泌診断! 生水真紀夫
大きさの表現:教科書に載っていない必須知識 髙倉賢二
子宮筋腫手術と医療のエンドポイント 髙倉賢二
画像診断医からのお願い 佐野美香
ICSIの適応 柴原浩章
腹腔鏡をはじめる専攻医の皆さんへ 岩田壮吉
Wertheimの論文 三橋直樹
手術と芸術 平松祐司
吸引分娩は安易に行うべきではない 長阪恒樹
骨盤位牽引術は冷静に 亀井良政
帝王切開の特殊性 松原茂樹
帝王切開:the shorter, the better 松原茂樹
絶対に核黄疸をきたしてはならない 高橋尚人
初心 木下二宣
塩酸リトドリン 三橋直樹
HRTとHT 水沼英樹
前置胎盤:腟方向への出血に留意 松原茂樹
静脈麻酔はとても難しい 髙田真二
「ちょっと眠るだけの麻酔」って何? 髙田真二
硬膜外無痛分娩のコツ 照井克生
産後に胎胞膨隆? 松原茂樹
妊婦の帯下から予想もしなかった出来事 髙井教行
女性と月経 宮﨑康二
インフォームド・コンセントについて 増﨑英明
添付文書における「妊娠中投与禁忌」について 横尾郁子
先天異常調査会 三橋直樹
軟産道と加齢 田中宏和
近年の内診事情 田中宏和
産婦人科と下部尿路機能障害 中田真木
子宮形成術の考え方 牧野恒久
不育症とHematologyの相関 牧野恒久
「異所性妊娠」と「子宮外妊娠」 藤下 晃
たかが「つわり」,されど「つわり」 中井章人
早産未熟児出生の予防に対する新しい考え方 千村哲朗
不定愁訴に対する診療の心構え 太田博明
妊娠糖尿病の診断基準について 杉山 隆
母体の甲状腺機能低下症と子どものIQ 百渓尚子
基本中の基本,忘れるべからず 田中宏和
産科医療の現場にて 山崎峰夫
早剝の管理のむずかしさ 中林正雄
妊娠高血圧症候群の降圧薬の選択 佐川典正
プロ 木下勝之
エクトピー 藤下 晃
産褥期の自己免疫疾患 岡野禎治
術後肺塞栓症例の対応 竹田 省
cureとcare 坂元秀樹
医学の進歩と忘れられない患者 宮川勇生
PCOSとAMHの関係性 遠藤俊明
排卵誘発による多胎妊娠を予防するには 青野敏博
ヘルムアフロディテ 岡垣竜吾
油断大敵——過信は禁物 稲葉憲之
多毛を訴える患者の診療手順 山本 宝
卵管切除の効用 西田 敬
悪性卵巣腫瘍分類:今後の解決を要する問題 西田 敬
卵管分泌細胞からhigh grade serous carcinoma(HGSC)までの道筋 西田 敬
卵巣癌は,真の卵巣原発の腫瘍か? 西田 敬
性腺の構成と腫瘍 西田 敬
知っていますか? 健康保険と治療費 木村英三
子宮頸癌の臨床進行期分類 山田秀和
性腺の腫瘍:男女の違い 西田 敬
子宮体癌の低中リスク群と高中リスク群 藏本博行
TypeⅠ腫瘍の出自 西田 敬
癌肉腫は癌である 西田 敬
絨毛性疾患の取り扱いは疾患本態を念頭におくこと 半藤 保
診療録への記載 木村昌行,佐野元彦

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序文

シリーズ総監修の序

 「研修ノート」は,下記「研修医ノート」シリーズを全面的に刷新し,新シリーズとして刊行するものである.
 旧シリーズ「研修医ノート」は内科研修医のためのテキストとして1993年に出版された.その後,循環器,産婦人科,小児科,呼吸器,消化器,皮膚科など,診療科別に「研修医ノート」が相次いで刊行された.いずれも一般のマニュアルとは異なり,「手技の基礎」だけではなく「医師としての心得」や「患者とのコミュニケーション」などの基本,あるいは「書類の書き方」,「保険制度」など,重要な事項でありながら平素は学ぶ機会の少ない事項を取り上げ,卒後間もない若手医師のための指導書として好評を博してきた.
 しかしながら,時代の変化により研修医に要求される内容は大きく変化してきた.“医療崩壊”が社会問題となるなかで,研修教育の充実はますます重要となりつつある.さらに医療への信頼回復や医療安全のためには,患者やスタッフとのコミュニケーションの改善が必須であることはいうまでもない.
 このような状況に鑑み,「研修医ノート」シリーズのあり方を再検討し,「研修ノート」の名のもとに,新シリーズとして刊行することとした.読者対象は後期研修医とし,専門分野の決定後に直面するさまざまな問題に対する考え方と対応を示すことにより,医師として歩んでいくうえでの“道標”となることを目的としている.
 本シリーズでは,全人的教育に必要な「医の基本」を記述すること,最新の知見を十分に反映し,若い読者向けに視覚的情報を増やしつつも,分量はコンパクトとした.編集・執筆に当たっては,後期研修医の実態に即して,必要かつ不可欠な内容を盛り込んでいただくようお願いした.“全国の若手医師の必読書”として,本シリーズが,長く読み継がれることを願っている.
 終わりにご執筆いただいた諸先生に心より感謝を申し上げます.

2014年2月吉日
自治医科大学学長
永井良三



編集の序

 2000年3月に初版が上梓された「研修医」ノートは,研修制度の変遷に伴い,2009年に新たに「研修」ノートとして生まれ変わりました.おかげさまで好評を得ることができ,今回,研修」ノートとして2回目の改訂を行うことになりました.よって今回の改訂版は「研修」ノートとしては改訂第2版ということになります.初代の「研修医」ノートは,雑誌「産科と婦人科」にお寄せ頂いた種々の話題の中から,順天堂大学の三橋直樹教授が若手医師向けの内容を吟味し,選び抜いたものを纏めて上梓されました.このため,はじめに系統的に項目を決定してから各項の執筆をお願いする通常の教科書とは少し異なる項目だてになっていました.その後の「研修」ノート,そして今回の第2版では,読者層を産婦人科専攻医と想定し,いくつかの項目を加え,できるだけ広い範囲を含めるように工夫しましたが,なお初代のよさを生かすような独自の項目配置が残っています.
 世の中は電子化が進み,キーワードを入力すれば容易に情報が得られます.教科書は多数存在し,ガイドラインやマニュアルをまとめた良書も世に出ています.その中にあってこの研修ノートは,教科書の記述が生まれるに至った経緯,ガイドラインの文言だけでは捉えきれない背景,簡潔に纏められたマニュアルの行間の考え方,を理解できるようになることを編集方針としました.この方針は第2版にも受け継がれており,それが日常臨床に奥行きをもたせることを可能にする,と考えています.
 一般論の紹介は教科書にまかせ,それぞれの先生独自の考え方で,伝えておきたい心・技・工夫・コツを,後進に説明するように記載していただいています.この方針は一方で,エビデンスから離れた独善に陥る危険を孕むことにもなりましょう.しかしながら,自分の持ち味を伝えたい,と思えばこそ,内容にも責任が生じるはずです.本書を専門医取得後の先生が手にしたとしても,自分が習い覚えてきたものとは別の流儀に触れ,それぞれの意味を考え,比較し,エビデンスとの適合性を吟味することにより,唯一絶対という正解のない臨床の奥深さを垣間見ることができるはずです.
 直接会うことはない,しかしながらこの情勢下に同じ道を歩み始めた後進に,まずとっかかりを示して共に進む道標を伝えるべく執筆して下さった先生方の熱意を,是非とも感じていただけるように祈りつつ.
2014年2月吉日
帝京大学医学部産婦人科主任教授
綾部 琢哉
東京大学医学部産婦人科教授
大須賀 穣