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小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013診断と治療社 | 書籍詳細:小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013

日本小児腎臓病学会(にほんしょうにじんぞうびょうがっかい) 編集

初版 B5判 並製 96頁 2013年09月25日発行

ISBN9784787820419

定価:本体2,800円+税
  

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2005年に公表した「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」に一般療法の解説を追加した改訂版.薬物療法についても新しい治療薬による治療法を追加.エビデンスに基づき、推奨する治療法を「ステートメント」として記載.エビデンスのない治療法については,どこまで知見が得られているかを紹介.エビデンスに基づいた正確な診療を行いたい小児科医・腎臓内科医必携の書.

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目次

刊行にあたって
序文
作成委員会・査読委員 一覧

■本ガイドラインについて
1. ネフローゼ症候群とは
2. 本ガイドラインの目的
3. 本ガイドラインの作成手順
4. エビデンスレベルとステートメントの考え方
5. 本ガイドラインの使い方
6. 利益相反
7. 適応外薬の使用について
8. 体重について

■定義

第1部 薬物療法

■薬物療法フローチャート

第1章 腎生検
1. ネフローゼ症候群発症時の腎生検の適応
2. ステロイド抵抗性を示す場合
3. カルシニューリン阻害薬を使用した場合

第2章 ステロイド感受性ネフローゼ症候群のステロイド治療
1. 小児ネフローゼ症候群の治療
2. 初発時の治療
3. 再発時の治療
4. その他

第3章 頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群の治療
1. 頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対する免疫抑制療法
2. シクロスポリン
3. シクロホスファミド
4. ミゾリビン

第4章 頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群―その他の治療
1. リツキシマブ
2. ミコフェノール酸モフェチル
3. タクロリムス

第5章 ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の治療
1. 腎生検
2. シクロスポリン
3. ステロイドパルス療法
4. シクロホスファミド
5. レニン・アンジオテンシン系阻害薬
6. 寛解後のネフローゼ症候群再発時の治療

第6章 ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群―その他の治療
1. LDL吸着療法および血漿交換療法
①LDL吸着療法
②血漿交換療法
2. リツキシマブ
3. タクロリムス
4. その他(ミコフェノール酸モフェチル)

第7章 小児特発性ネフローゼ症候群の長期薬物治療
1. ステロイド
2. シクロスポリン
3. シクロホスファミド

第2部 一般療法

第1章 浮腫の管理
1. 浮腫と有効循環血漿量の評価
①有効循環血漿量の増減とその症状
②有効循環血漿量の減少と検査
③有効循環血漿量の増加と検査
2. 浮腫の薬物治療
①利尿薬
②アルブミン製剤
③その他の治療法

第2章 食事療法
1. 塩分制限
2. 塩分制限の調節
3. たんぱく質の摂取量
4. エネルギーの摂取量

第3章 運動制限
1. 寛解導入,再発予防に対する運動制限
2. 急性期および不安定時期の運動制限
3. 過度な運動制限の回避
①血栓症と運動制限
②ステロイドの副作用に与える影響
③具体的な運動指導

第4章 ステロイド副作用:骨粗鬆症
1. ステロイド骨合併症
2. 骨密度の測定
3. 薬物療法
4. ステロイドの減量・中止

第5章 ステロイド副作用:成長障害
1. ステロイドの隔日投与

第6章 ステロイド副作用:眼科的副作用
1. 緑内障
2. 白内障

第7章 予防接種・感染予防
1. ネフローゼ症候群患者に対する予防接種
2. ネフローゼ症候群患者に対する不活化ワクチン
3. ネフローゼ症候群患者に対する生ワクチン
4. 家族内感染予防
5. 水痘濃厚接触時の感染予防対策
6. その他の感染予防対策

第8章 移行(transition)
1. 移行支援プログラムの実践
①移行率について
②移行支援について
③成人後の経済的負担

索引

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序文

刊行にあたって

このたび日本小児腎臓病学会では新たに「小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013」を刊行しました。2005年に「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」(委員長:吉川徳茂 和歌山県立医科大学小児科教授)を作成しましたが,その後治療法の変遷もあり,また薬物療法だけでなく一般療法のガイドラインの希望も多く,今回新たに作成しました。
特発性ネフローゼ症候群は小児腎臓病の分野ではよくみられる疾患で,腎臓専門医だけでなく一般小児科医も治療しています。
したがって,本ガイドラインは,腎臓専門医のみならず,一般小児科医にも診療に役立てていただくことを目的として,作成,改訂しました。ただし,難治性の場合は治療法や管理も難しくなり,小児腎臓の専門医がみた方がよいです。
特発性ネフローゼ症候群の治療については,わが国からも多くのエビデンスが輩出されており,海外からも高く評価されています。2005年の1.0版の後も,多くの論文がわが国をはじめ,海外からも発表され,また多くの未承認薬も認可されてきました。そこで2011年より本ガイドラインの作成に入りました。また今回は浮腫の管理,食事療法,運動制限,ステロイドの副作用,予防接種など薬物療法だけでなく,一般療法の部分も付け加えました。今回の診療ガイドラインはガイドライン作成の専門家や患者や保護者にも参加していただき,よりエビデンスに基づき,なおかつステートメントを重視したわかりやすいものができました。
ただし,ガイドラインはあくまでも指針であり,実際の臨床においては患者個々に異なった対応が必要なことはもちろんです。
また薬物療法では現在進行形の臨床試験も多数あり,今後新たにエビデンスが出てくると考えています。さらに一般療法の分野ではエビデンスが十分でないことも多く,この分野での研究の必要性も痛感しております。
本ガイドラインが多くの実地医家の先生の診療に役立つとともに,特発性ネフローゼ症候群の患者が,将来できるだけ合併症もなく,社会性の発育・発達も獲得して,成人になっても健常人と同様の生活ができるようになることに役立てば,当学会としては作成した意義があると考えております。
最後に本ガイドラインは当学会学術委員を中心に作成委員のメンバーが2年間努力を重ね,evidence-based medicine(EBM)にのっとって作成するという大変な努力のもとに成り立っており,委員の努力に深謝します。
2013年8月
日本小児腎臓病学会理事長
本田 雅敬



序文

小児特発性ネフローゼ症候群は,小児の慢性腎疾患の中で最も頻度が高く,小児腎臓病領域で非常に重要な疾患の一つである。日本小児腎臓病学会は,小児特発性ネフローゼ症候群の薬物治療に関して,適切な判断や決断を支援し適切な医療の提供に役立つことを目的に,2005年に「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」(委員長:吉川徳茂 和歌山県立医科大学小児科教授)を作成・公表した。このガイドラインは,その時点における小児特発性ネフローゼ症候群の標準的な薬物療法を提示・解説したものであり,わが国の小児特発性ネフローゼ症候群治療の均てん化に大いに貢献したと評価している。
2011年になり,前述のガイドライン公表より6年が経過し,その間にリツキシマブをはじめとする新たな治療法が紹介され,薬物療法に関するガイドラインを改訂する必要があると考えられた。さらに,薬物療法だけでなく,浮腫の管理,食事療法,運動制限,ステロイド副作用,予防接種などの一般療法および成人期への移行医療などに関するガイドラインの必要性も考慮されるに至った。
そこで,日本小児腎臓病学会学術委員会の一つの事業として,前述のガイドラインを改訂することになり,「小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013」として公表・出版することとなった。
「小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013」は,臨床の最前線で活躍し,小児特発性ネフローゼ症候群の診療経験が豊富で,かつ学問的にもすぐれている日本小児腎臓病学会の若手の精鋭に,診療ガイドライン作成の専門的知識を有する特定非営利活動法人日本医学図書館協会の方々や患者およびその保護者の方々も加わった「小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013」作成委員会が,「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007」に従って作成したものである。日常診療や研究・教育活動に忙しい中で,ガイドライン作成のために献身的な努力をされた作成委員会の先生方には,心から敬意を表するとともに,改めて厚く御礼を申し上げたい。また,貴重な意見をいただいた査読委員の先生方ならびにパブリックコメントを寄せていただいた先生方にも感謝の意を表する。いただいた意見は委員会で慎重に検討し,できる限り反映した。
ガイドラインはあくまで診療を支援するためのものであり,診療を拘束するものではない。これを実際に臨床の現場でどのように患者さんに用いるかは,医師の専門的知識と経験をもとに患者さんの意向や価値観を考慮して総合的に判断する必要がある。今回のガイドラインは恒久的なものではなく,今後,国内外の臨床研究で得られる新たなエビデンスをもとに順次改訂していく方針である。
2013年8月
日本小児腎臓病学会学術委員会委員長
飯島 一誠