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書籍詳細

国立成育医療研究センター
産科実践ガイド 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:産科実践ガイド 改訂第2版
EBMに基づく成育診療サマリー

国立成育医療研究センター病院 周産期・母性診療センター長

左合治彦 (さごうはるひこ) 監修

国立成育医療研究センター病院 周産期・母性診療センター産科 医長

塚原優己(つかはらゆうき) 編集

改訂第2版 B5判 並製 248頁 2014年07月01日発行

ISBN9784787820440

定価:本体5,500円+税
  

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現時点での国立成育医療研究センター病院における周産期診療の実際をまとめた一冊.
初版を全面的に見直し,9項目を追加,記述情報量では約3割増の厚みを誇る.各項目冒頭に「成育診療サマリー」をおき重要な点を見やすく,そして末尾に「コクランレビュー」を設けることで,常に進化し続ける成育メソッドの今を網羅した. 母体・胎児の安全な発育,出産のためのclinical pearlsがここにある.

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目次

 1 妊娠初期の感染症検査 B型肝炎,C型肝炎,梅毒
 2 妊娠初期の感染症検査 麻疹,水痘,ムンプス
 3 妊娠初期の感染症検査 HIV
 4 妊娠初期の感染症検査 トキソプラズマ
 5 妊娠初期の感染症検査 サイトメガロウイルス
 6 HTLV-1検査,陽性妊婦と児への対応
 7 出生前診断 遺伝カウンセリング
 8 出生前診断 非侵襲検査(NT検査,母体血清マーカー検査)
 9 出生前診断 侵襲検査(羊水検査,絨毛検査)
 10 妊娠中の体重増加
 11 早産リスクの推定
 12 切迫早産管理
 13 細菌性腟症の診断と治療
 14 頸管縫縮術 適応,方法,転帰
 15 FGRの管理
 16 妊娠中の自己血貯血
 17 双胎妊娠の管理
 18 一絨毛膜双胎の胎児管理(TTTS,TRAP sequence)
 19 過期妊娠(予定日超過)の管理
 20 妊娠高血圧症候群 リスク因子,診断
 21 妊娠高血圧症候群 管理
 22 血液型不適合妊娠 Rh不適合を中心に,他不規則抗体も
 23 トランジション(成人期医療への)症例における妊娠 胆道閉鎖症,小児悪性腫瘍既往患者の管理を中心に
 24 結核合併妊娠
 25 喘息合併妊娠
 26 甲状腺疾患合併妊娠
 27 糖代謝異常
 28 胎児超音波スクリーニング検査
 29 母体の自己抗体が妊娠に影響する代表的疾患 APS,SLE,RA
 30 子宮動脈塞栓術後妊娠の管理
 31 絨毛膜羊膜炎の診断と治療
 32 前期破水の取り扱い
 33 分娩時のGBS感染予防
 34 新生児GBS感染症管理
 35 既往帝王切開妊婦の取り扱い
 36 無痛分娩
 37 分娩誘発法
 38 HCV感染(分娩方法の選択)
 39 分娩後の子宮収縮薬使用
 40 前置・癒着胎盤 大量出血対応のフロー
 41 肺血栓・塞栓,深部静脈血栓の予防
 42 骨盤位妊娠の管理 外回転術を中心に
 43 産科危機的出血
 44 児頭骨盤不均衡
 45 NRP(NCPR)
 46 分娩中に羊水混濁を認めた児の取り扱い
 47 肩甲難産
 48 会陰切開
 49 低用量アスピリンの使用について
 50 妊娠中のインフルエンザワクチン接種と抗インフルエンザ薬
 51 授乳中の薬剤服用ガイドライン
 52 分娩後の抗菌薬の取り扱い
 53 早産における母体ステロイド投与
 54 帝王切開時の予防的抗菌薬投与
 55 適応外薬の使用

索引

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序文

はじめに

 本書の初版を2009年に出版し,はや5年が過ぎました.おかげさまで好評を博すことができましたが,産科診療の進歩に合わせ,今回全面改訂を行う運びとなりました.初版作成時と同様に,担当者が執筆した原稿を,毎朝のカンファレンス前に周産期・母性診療センター産科,胎児診療科,不育診療科の全員の医師が集まり,読み合わせをして検討するという地道な作業を続けてできた本です.
 日本における産科診療のガイドラインには,「産婦人科診療ガイドライン―産科編」があります.これには現時点でのコンセンサスが得られた適正な標準的産科診断と治療法が示されており,自分が行おうとしている,または行っている診療が適正であるかどうかを判断する基準としてきわめて有用です.しかし,実際にどのように診療するかについて書かれたものではありません.
 本書は,現時点での国立成育医療研究センター病院における周産期診療の実際,すなわち「成育ではこのように診療している」ということをまとめたものです.
 冒頭に「成育診療サマリー」をおき,最後に「コクランレビュー」の項目を設けました.治療と予防に関する医療情報を評価して情報発信する国際的なコクラン共同計画において,ランダム化比較試験などの臨床試験成績をくまなく収集・評価・分析するシステマティックレビューがコクランレビューであり,現在では,EBM(evidence based medicine)の拠り所となっています.コクランレビューの調査に関しては,国立成育医療研究センター社会・臨床研究センター政策科学研究部長の森臨太郎先生にご指導いただきました.現在行っている診療のコクランレビューでの位置づけを知ることは,よりよい診療を目指す端緒になると思います.
 執筆された諸氏の努力に深謝するとともに,本書が読者のみなさんの明日からの産科診療に少しでもお役に立てばと願ってやみません.

 2014年6月
左合治彦
執筆者を代表して



初版 はじめに

 産科医療は母児の二つ以上の命を預かり,しかも正常から異常へと短時間のうちに変化する場合のあるきわめて特殊な診療科といえます.国立成育医療センター周産期診療部では「安全と安心の産科医療」を目指し,日々努力を重ねて参りました.
 月日の流れは速いもので,当センターが開設してから6年が経過しました.その間,部内で毎朝行っているカンファレンスや症例検討会,抄読会等を通して学んだことをEBM(evidence based medicine)の概念に基づいて臨床にフィードバックするとともに,データを蓄積し治療方針を修正するという方法で産科臨床を構築してきました.このたび出版社の勧めもあり,こうしてわれわれの行っている産科臨床を中間総括したうえで,皆さんにその成果を知っていただこうと小冊子を上梓することといたしました.もちろん,これがわが国あるいは世界のスタンダードであるとか,ガイドラインだなどと言うつもりはありませんし,今後数年内に改訂が必要になってくるものと思います.近年産科臨床は急激に進歩しており,内容について異論をもたれる先生もいらっしゃると思いますが,成育のこの時点の臨床と受け取っていただき,ご批評いただければ幸いと思います.
 構成は,はじめに成育サマリーを載せて要点がすぐに理解できるようにし,詳細な説明が必要なテーマについては各所に言及項目を表示するなど,使いやすさにも配慮いたしました.
 本書は医師のみならず,助産師,看護師にもわかりやすいように,記述には配慮いたしました.執筆いただいた先生方の努力に深謝するとともに,本書が読者の皆様の明日からの診療に少しでお役にたてればと願っております.

 2009年3月
北川道弘
執筆者を代表して



本書を読まれる方のために

 国立成育医療研究センター周産期・母性診療センターでは,EBM(evidence—based medicine)に沿った周産期管理を目指しています.日々の臨床方針の決定には,部内のカンファレンスで方針統一を図ることを原則にしています.本書はそのようなカンファレンスのまとめとして制作されました.
 日常臨床の場では,明確なエビデンスがない中で診療を行う場面にも多々遭遇します.本書もそのような日常臨床の試行錯誤の上に成り立ち,現時点で妥当と思われるものの結集です.今後,内容については,最新のエビデンスを検討したうえで定期的にアップデートしていく予定です.

実際の読み方
 各単元の最初に成育診療サマリーとして,その分野の診療を行うにあたっての最小限のエッセンスが記載されています.各単元の担当者が実地臨床に即した形で記載しています.必ずしもエビデンスが確立された記載ばかりではありませんが,現在国立成育医療研究センターで行われている診療内容の要約がここに紹介されています.まずはこの部分だけでもお読みになるといいかもしれません.その後に,内容の詳細が記載されています.理解を深めるのに役立つものと思います.
 最後にコクランレビューでの記述を載せました.エビデンスとしてどこまで確立しているかの参考にしていただければと思います.

 2014年6月
編集者