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書籍詳細

トータルケアで理解する
子どもの摂食嚥下リハビリテーション診断と治療社 | 書籍詳細:子どもの摂食嚥下リハビリテーション
食べる機能を支援する40のポイント

昭和大学医学部小児科学講座教授

田角 勝(たつの まさる) 著

初版 B5判 並製 172頁 2013年09月26日発行

ISBN9784787820471

定価:本体2,500円+税
  

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子どもの発育を見据えた“トータルケア”の考え方によって、子どもの食べる機能を支援するための摂食嚥下リハビリテーションを“40”の項目でやさしく解説した手引き書。子どもの食べる機能(栄養、食行動、障害・合併症など)を学びながら、現場で役立つ観察・評価、手技、支援の仕方が理解できる。様々な考え方や選択肢があることを紹介しつつ、機能に応じた対処のみでなく、子ども個々の余機能や可能性を伸ばせるような視点を加えた。

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目次

Contents

はじめに

A トータルケアの考え方
ポイント1 トータルケアについて理解しよう
ポイント2 トータルケアで大切なことを覚えておこう

B 食べる機能の獲得と栄養・食行動
 子どもの成長・発達
ポイント3 食べる機能の獲得を理解しよう
Column 子どもの発達と指しゃぶり
ポイント4 乳児期の摂食嚥下機能の発達過程を理解しよう
Column おしゃぶり
ポイント5 哺乳から離乳への進め方を知ろう
ポイント6 口腔内の構造の発達を理解しよう
ポイント7 基礎疾患を理解して発育を評価しよう
 栄養
ポイント8 栄養必要量を知り,栄養状態を評価しよう
Column 水分の必要性と水分補給
ポイント9 重症心身障害児の栄養必要量と注意したい点を知ろう
Column 電解質バランス
 食行動
ポイント10 楽しくおいしく食べるために必要なことを理解しよう
Column 幼児期の間食
ポイント11 食欲のメカニズムを理解しよう
ポイント12 脳でコントロールされる摂食嚥下を理解しよう
ポイント13 食行動の発達と食習慣について理解しよう
ポイント14 食事にかける時間の重要性について理解しよう
ポイント15 食事(食生活)に影響するさまざまな要因を理解しよう
ポイント16 食行動の確立のために必要なことを知ろう
ポイント17 食物の好き嫌いを理解しよう
Column 味覚と咀嚼の発達

C 摂食嚥下障害の原因
ポイント18 子どもと大人で異なる摂食嚥下障害を理解しよう
Column よだれ(流涎)とその対応
ポイント19 摂食嚥下障害の原因によって異なる対応を知ろう

D 摂食嚥下障害の評価と具体的な対応法
ポイント20 食べる機能を評価しよう
ポイント21 嚥下造影検査について知ろう
ポイント22 嚥下内視鏡検査について知ろう
ポイント23 胃食道逆流症の評価と対応について知ろう
ポイント24 経管栄養と胃ろうについて知ろう
ポイント25 誤嚥性肺炎を予防しよう
ポイント26 口腔ケアの必要性とその方法を理解しよう
Column 口腔ケアとしての歯磨きの確立
ポイント27 食べるときの姿勢と介助の方法について理解しよう
ポイント28 色々な食物形態を経験させよう
Column 自分で食べることを学ぶ乳児期の食物形態
ポイント29 食具の選択と自分で食べる機能を育てることの大切さを理解しよう
Column 歯ブラシの選び方と歯磨きペーストの使い方

E 基礎疾患・合併症とリスク管理
ポイント30 全身状態と呼吸障害がある場合の対応法を理解しよう
Column 異常呼吸の種類
ポイント31 フロッピー(筋緊張低下)インファントへの対応法を理解しよう
ポイント31 摂食嚥下障害をきたす染色体異常や奇形症候群を知ろう
Column 小児外科疾患と摂食嚥下障害
ポイント33 重症心身障害児の合併症への対応を理解しよう
ポイント34 精神・心理的問題による乳幼児摂食障害について理解しよう
ポイント35 薬物と摂食嚥下障害の関係を理解しよう
Column 薬剤投与の工夫
ポイント36 摂食嚥下障害のリスク管理について理解しよう

F トータルケアとしての摂食嚥下機能療法
ポイント37 トータルケアの基本的考え方をおさらいしよう
Column トータルケアからみた食環境・内容,訓練法の概要と注意点
ポイント38 摂食嚥下機能療法を行うための準備をしよう
ポイント39 摂食嚥下機能療法の開始時期と目標設定を理解しよう
ポイント40 摂食嚥下機能療法はどのように行うか理解しよう
Column チームアプローチとその問題点

Index

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序文

はじめに
 赤ちゃんの食事は,生まれて間もなく母乳から始まります.乳幼児にとって食べることは生活の中心であり,親にとって食べさせることが育児の中心になります.食事は,栄養摂取,楽しみであるとともに,社会とのつながりの場所になり,子どもは食べることや飲むことの経験を通して,運動機能,感覚機能,コミュニケーションや社会性などの発達が促されます.
 食事は生きていくために欠かせないものであり,食べることは楽しいこととして,私たちの脳に組み込まれています.そして,食事をおいしく食べられることは,健康のバロメータとなります.その食べる機能に困難が生じた場合は,すべての生活に影響を与えるため,その支援においては,疾病のみならず発育や生活も含めて考える必要があります.さらに,食べる機能の障害は,コミュニケーションや社会性を学ぶための“食事の時間や場所”を奪う可能性もあります.
 食べる機能に障害がある子どもを支えるためには,大変な苦労と努力を要します.また,原因,病態,合併症や全身状態の把握もしなければならず,医療的な面からも決して簡単ではありません.そのような子どもの摂食嚥下障害への対応は,摂食嚥下リハビリテーションとして確立し,広く行われています.そこには多くの職種が関わり,チーム医療として行われ,専門性も重視されています.そのようななかで,摂食嚥下障害の対応に苦労し,いつの間にか,食事が食べさせるための戦いになっている状況もみてきました.食事の時間が,“戦いの時間や場所”となってよい結果が得られるはずがありません.そこで考えるべきことは,子どもの食行動を考えて支援する“トータルケア”です.トータルケアは食行動の原点にある“食事を楽しく,自分で食べる”ということを引き出すための支援です.
 このような考えのもとに,“子どもの食行動から食べる機能を促す支援は,どのように行うか”という視点で,本書を執筆しました.そのため,今までの摂食嚥下障害への対応と異なる部分もあります.また,読む人によっては,当たり前と思われる部分も多くあるかもしれません.そして,正常の発達や離乳の話も多くなり,一部繰り返し説明しているところもありますが,そのようなことは食行動を踏まえたトータルケアには欠かせないと考えるからです.反対に,訓練法について知りたいという人にとっては,内容が不十分と思われるかもしれませんが,それは本書が乳幼児の食行動を考え,食べる機能を引き出すことを重視しているからです.
 筆者としては,本書をさまざまな職種の人に,できれば全ポイントを通読していただければと考えています.そして,子どもの食行動をもとに食べる機能を考え,一人ひとりの子どもへのトータルケアとしての対応につなげてほしいと思います.

2013年8月
田角 勝