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保育士・幼稚園教諭・支援者のための
乳幼児の発達からみる保育“気づき”ポイント44診断と治療社 | 書籍詳細:乳幼児の発達からみる保育“気づき”ポイント44

山形大学教授

横山 浩之(よこやま ひろゆき) 著

初版 B5判 並製 140頁 2014年06月04日発行

ISBN9784787820716

定価:本体2,800円+税
  

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子どもにかかわる支援者のための保育・教育を,発達の視点から基本2頁でまとめた,すぐに使える実践書.発達をみるときには「遠城寺式発達検査表」を活用.最初に「ポイント」をまとめ,「すぐに実行」「これはNG」が一目でわかるように工夫.子どもに無駄な努力をさせないためには発達の視点が不可欠であることを,わかりやすく医師が問いかける“やさしい保育・教育”実践のための1冊.

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目次

はじめに  

●発達を評価して教育に生かす1~3
LESSON 1 よりよい保育・幼児教育のために,子どもの発達を知ろう  
LESSON 2 遠城寺式発達検査表で子どもを理解しよう  
LESSON 3 遠城寺式発達検査表を使って子どもを指導しよう  
COLUMN 赤ちゃんはお母さんがいつわかる?  

●0歳児保育のポイント1~6
LESSON 4 運動能力を育てよう  
COLUMN 今はなくなったパラシュート反射  
LESSON 5 食行動を育てよう/食行動は何より大切  
COLUMN 好き嫌いと神様がくれた時期  
LESSON 6 好ましい愛着形成を身につけさせる  
LESSON 7 しつけの基本は0歳児から  
COLUMN 表情や口調でだめだと伝えるコツ  
LESSON 8 0歳児保育のうちに子ども虐待をみつけよう  
LESSON 9 0歳児の母親支援にあたって  
COLUMN 失敗学のすすめ  

●1歳児保育のポイント1~7
LESSON 10 生活習慣を身につけさせよう  
LESSON 11 早寝早起きを身につけさせよう  
LESSON 12 しつけの3原則を教えよう  
LESSON 13 絵本の読み聞かせとお手伝い  
LESSON 14 メディアの問題を考えて,保護者に正しい知識を啓蒙しよう  
COLUMN 言葉をうばうメディア  
LESSON 15 ペアレントトレーニングことはじめ――相手をした行動が子どもに残る  
LESSON 16 1歳児クラスは保育園の礎(いしずえ)  

●2~5歳児クラスで必要なこと1~9
LESSON 17 子ども集団を意識すること  
LESSON 18 指導者の立ち位置を確保しよう  
LESSON 19 指導者の動線を確保しよう  
LESSON 20 子どもによる作品の掲示場所  
LESSON 21 整理整頓された環境を経験させよう  
LESSON 22 ティーム・ティーチングの危うさを知ろう  
COLUMN 目配りと立ち位置を考えよう  
LESSON 23 対応の基本を知ろう――ペアレントトレーニング(PT)手法のすすめ  
LESSON 24 何でも一言で提示しよう  
COLUMN 「何でも一言で提示しよう」を守ってほしいもう一つの理由  
LESSON 25 保育・幼児教育の目標を具体的に考える  

●気になる子どもの早期発見と対応1~2
LESSON 26 2歳児クラスと行動異常――発達障害と子ども虐待  
LESSON 27 3歳児の行動異常と家庭教育の外注  
COLUMN おむつの外し方  

●3歳児クラスのポイント1~4
LESSON 28 自我の目覚めを理解しよう  
COLUMN クレヨンしんちゃん状態が長く続くときは,不適切な子育て
       (幼児教育を含む)を疑え  
LESSON 29 “こっちみて行動”の増加を理解しよう  
LESSON 30 女の子の力を借りよう  
LESSON 31 ルールのある遊びを活用する  

●4歳児クラスのポイント1~3
LESSON 32 4歳児クラス特有の事情を知ろう  
COLUMN 家庭教育の外注化と幼児教育  
LESSON 33 役割分担をもたせよう  
COLUMN 障害がある子どもの弟・妹に関して  
LESSON 34 男の子の運動発達を知ろう  
COLUMN 幼稚園の男の子と小学3年生の女の子の運動能力の差  

●4,5歳児クラスのポイント1~3
LESSON 35 一次反抗期はよいこと  
LESSON 36 メディアの害が目立つのは4歳児以降  
COLUMN メディアに利用される青少年たち  
LESSON 37 5歳児クラスの目標は,自分があこがれの対象になること  

●周囲との連携のポイント1~4
LESSON 38 保護者との連携――よい保育・教育のために  
LESSON 39 子どもをはぐくむために保護者と連携する仕組みを作ろう  
LESSON 40 外部機関との連携にあたって必要なこと  
LESSON 41 管理職の方へ――あなたしかできない保護者との連携  

●個別支援を考える1~3
LESSON 42 保育・幼児教育における個別支援について  
COLUMN 心理士と医師の言葉の重み  
LESSON 43 就学指導を考える  
LESSON 44 自閉症スペクトルの支援について  



付 録
事例1~4  
評価シート  
睡眠・覚醒記録表  


INDEX

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序文

 本書は,大崎市立古川北町保育所,古川東保育所,古川西保育所,古川たんぽぽ保育所,ほなみの杜保育園,大崎市子育てわくわくランド(子育て支援センター)での巡回指導による実践成果である.およそ15年前にアスペルガー症候群がある子どもの対応方法を実地で教えるために訪問したのが縁になった.縁を作った武川裕子氏(現さくら保育園 園長)に感謝したい.
 実践成果である以上,本来は保育士のみなさんが著述したほうがよい.しかしながら,私がこの実践成果を「保育士・幼稚園教諭・支援者のための保育ポイント」という視点で見直し,皆さんへのアドバイスという形でまとめることで,より多くの方に役立つ内容になると信じ,執筆した次第である.
 本書の大きな特長は以下である.
  1.基本見開き2ページとし,読みやすさを心がけた.
  2.最初に「ポイント」を示すことで,各テーマでやるべきことがすぐにわかるようにした.
  3.発達をみるときのツールとして「遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表(九州大学小児科改訂版)」
    を活用している.
 本書における実践は,発達障害の有無にかかわらず,子どもの発達を踏まえた保育である.就学前までの0歳~6歳は発達に伴う成長が著しい時期で,1歳の差がきわめて大きい.よって,発達段階に応じた保育・教育では,0歳児から5歳児までのどのクラスでも異なる配慮が求められる.この差異をわかって保育ができると,発達上の問題をかかえた子どもを発見できるだけではなく,対応の仕方もわかってくる.つまり,子どもの発達をふまえた保育は,子どもに無駄な努力をさせない,優しい保育をなのである.このような保育は,子どもにやさしいだけではなく,保育士にもやさしい(優しい・易しい,両方の意味で).このやさしい保育ができるようになって,私たちは,発達障害と同様に,不適切な子育てによる行動異常もわかるようになった.環境要因の改善によって,子どもが立ち直っていくこともあるからだ.
 このような保育実践の進展のあいだ,私は大崎市民病院小児科の小児神経外来を担当させていただいている.つまり,早期診断・早期治療介入のための保育~教育~医療の連携が実践できているわけである.

 最後に長期間にわたりご支援いただいている大崎市民病院小児科の工藤充哉先生,岩城利充先生,諸先生方,看護師,スタッフの方々に深謝したい.また,関係部署である母子保健担当保健師や子育て支援課の諸氏のご協力もあって,本書におさめられた「小学校に入るまでにできてほしいこと」のプリントは大崎市内のすべての保育園・幼稚園にも配布された.このようなたくさんの人の輪の中で,本書の実践が作られてきた.本書は関係した方々による努力の結晶であり,私は助言者でしかない.また,本書が読者にわかりやすくなるように,柿澤美帆氏,堀江康弘氏に誠心誠意ご尽力いただいた.ご助力いただいた方々に,この場を借りて御礼申し上げたい.
 本書が,発達障害や虐待の早期発見・早期治療に役立てられるのみではなく,子育て支援に役立つことを祈ってやまない.

 2014年 5月の連休に
横山浩之