HOME > 書籍詳細

書籍詳細

進行性腎障害診療指針シリーズ

エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2014 準拠
急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版

名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学教授

松尾 清一 (まつお せいいち) 監修

杏林大学医学部第一内科学(腎臓・リウマチ膠原病内科)教授

有村 義宏(ありむら よしひろ) 編集

改訂第2版 B5判 並製 128頁 2015年02月10日発行

ISBN9784787821508

定価:本体4,200円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業の「進行性腎障害に関する調査研究班」により策定された「エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2014」の内容を,臨床の場でより活用できる必携書.研究班メンバーを中心としたエキスパートの執筆陣により,日常診療でよく聞かれる内容をQ&A形式で詳細に解説した全面改訂版.ガイドラインのダイジェスト版も掲載,理解を助けるコラムも満載され,RPGN関連の様々な疑問が解決できる.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

進行性腎障害診療指針シリーズ改訂第2版の刊行にあたって /松尾清一
急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版の出版にあたって /有村義宏

エビデンスに基づく進行性腎障害診療ガイドライン2014
急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2014 ダイジェスト版

急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版
第1章 疾患概念・定義(病因・病態生理)
Q1 RPGNとはどういう病気ですか? /有村義宏
Q2 RPGNはどういう疾患で起こりますか? /有村義宏
Q3 RPGNの腎組織所見の特徴や分類について教えてください. /有村義宏
Q4 CKDとRPGNの関係について教えてください. /有村義宏・要 伸也
Q5 ANCA関連腎炎とはどのような病気ですか? /有村義宏
Q6 抗GBM抗体型糸球体腎炎とはどのような疾患ですか? /平山浩一・小林正貴
Q7 免疫複合体型糸球体腎炎とはどのような疾患ですか? /下畑 誉・小林正貴

第2章 診断
Q8 RPGNの診断基準とはどのようなものですか? /武曾惠理
Q9 RPGNの症状を教えてください. /武曾惠理
Q10 検査所見の特徴は何ですか?  /武曾惠理
Q11 RPGNをきたす代表的疾患はどのように診断されるのですか?  /大久保光修・平橋淳一

第3章 疫学・予後
Q12 RPGNの発生率・有病率・年次推移,発症年齢,原疾患の割合などについて
   教えてください. /臼井丈一
Q13 予後(生命予後,腎予後)について教えてください. /臼井丈一

第4章 治療に関するアルゴリズム
Q14 治療に関するアルゴリズムについて教えてください. /有村義宏

第5章 診断・治療
(1) ANCAサブタイプ,ANCA・抗GBM抗体の評価
Q15 腎生検はRPGNの治療方針を決定するために有用ですか? /長谷川みどり
Q16 ANCA測定法の違いはANCA関連血管炎の診断・活動性評価に影響するのですか? /猪原登志子
Q17 ANCA値はRPGNを呈するANCA関連血管炎の治療効果・再燃の指標として有用ですか? /猪原登志子
Q18 抗GBM抗体値はRPGNを呈する抗糸球体基底膜抗体型腎炎および
   Goodpasture症候群の指標,再燃の指標として有用ですか? /板橋美津世
(2) ANCAの有無・年齢と治療法
Q19 ANCA陰性のpauci-immune型RPGN(半月体形成性腎炎)は
   ANCA陽性RPGNと同様の免疫抑制療法でよいのでしょうか? /藤元昭一
Q20 PR3-ANCA型RPGNとMPO-ANCA型RPGNの治療は同じでよいですか? /藤元昭一
Q21 高齢のANCA関連型RPGN患者では,非高齢者に対する治療に比べて
   治療の調節が必要でしょうか? /藤元昭一
(3) 初期治療
Q22 副腎皮質ステロイド薬単独治療による初期治療は,RPGNの腎予後および生命予後
   の改善のために推奨されるのでしょうか? /要 伸也
Q23 RPGNの初期治療として免疫抑制薬は腎機能予後および生命予後を改善するために
   推奨されますか? /北川清樹・和田隆志
Q24 RPGNに対する初期治療における副腎皮質ステロイド薬として,経口薬と
   静注パルス療法併用のどちらが,腎予後および生命予後を改善するのですか? /要 伸也
Q25 RPGNにシクロホスファミドを投与する場合,経口と静注のどちらが腎機能予後
   および生命予後を改善するのですか? /北川清樹・和田隆志
Q26 診断時透析が必要なRPGNに対して,免疫抑制薬は腎予後および生命予後を
   改善するために推奨されますか? /板橋美津世
Q27 リツキシマブはRPGNの腎予後および生命予後の改善のために推奨されるのでしょうか? /要 伸也
Q28 血漿交換療法はRPGNの腎機能予後および生命予後を改善するために推奨される
   のでしょうか? /北川清樹・和田隆志
Q29 抗凝固療法や抗血小板療法はRPGNの予後を改善するのでしょうか? /田中基嗣・平橋淳一
Q30 免疫グロブリン大量静注療法は,RPGNの腎予後および生命予後を改善するために
   推奨されるのでしょうか? /猪原登志子
(4) 維持療法
Q31 RPGNの寛解維持療法として副腎皮質ステロイド薬は腎機能予後および生命予後を
   改善するために推奨されるのでしょうか? /北川清樹・和田隆志
Q32 RPGNの初期治療後に副腎皮質ステロイド薬はどのくらいのペースで
   減量すべきでしょうか? /北川清樹・和田隆志
Q33 ST合剤はRPGNの腎予後および生命予後を改善するために推奨されるのでしょうか? /長谷川みどり
Q34 RPGNの寛解維持療法として免疫抑制薬は腎機能予後および生命予後を改善する
   ために推奨されるのでしょうか? /北川清樹・和田隆志

略語一覧
索  引

COLUMN 目次

RPGNの歴史 /有村義宏
病名変更 /有村義宏
ANCA関連血管炎の遺伝的背景 /有村義宏
RPGNをきたすループス腎炎の組織病型 /小林正貴
新しい疾患概念:IgA血管炎 /小林正貴
新しい疾患概念:抗糸球体基底膜病 /平山浩一・小林正貴
欧米が提唱するANCA関連血管炎における腎病理分類のわが国の検証 /武曾惠理
米国リウマチ学会によるSLE分類のための1997年改訂基準 /大久保光修・平橋淳一
MPO-ANCAのエピトープ(抗原決定基) /猪原登志子
阪神淡路大震災にANCA関連血管炎が多発した /猪原登志子
腎生検の禁忌事項 /長谷川みどり
年齢と免疫能の関連 /藤元昭一
シクロホスファミドについて /北川清樹・和田隆志
維持血液透析導入ガイドライン /板橋美津世
ANCA関連血管炎におけるエイコサペンタエン酸(EPA)による寛解維持療法の意義 /田中基嗣・平橋淳一
副腎皮質ステロイド薬の作用機序について /北川清樹・和田隆志
ニューモシスチス肺炎とは /長谷川みどり
アザチオプリンの作用機序と保険適用疾患について /北川清樹・和田隆志

ページの先頭へ戻る

序文

進行性腎障害診療指針シリーズ改訂第2版の刊行にあたって

 2008年4月から2010年3月まで私が研究代表者をつとめた厚生労働省厚生科学研究費補助金難治性疾患克服事業進行性腎障害に関する調査研究班では,一般社団法人日本腎臓学会との密接な連携のもと,対象とする4つの疾患,IgA腎症,急速進行性糸球体腎炎,ネフローゼ症候群,多発性囊胞腎につき,2010年度に腎臓専門医のコンセンサスをまとめて診療指針を作成し公表した.この指針をさらにわかりやすく解説してQ&Aとしてまとめたものを株式会社診断と治療社から「進行性腎障害診療指針シリーズ(初版)」として発行し,多くの関係者に広く利用していただいているところである.2010年4月から私が引き続き研究班の代表をつとめることとなり,その事業の柱の一つとして,初版を改訂してエビデンスに基づく正式な診療ガイドラインを作成する作業を行った.その成果として2014年7月に上記4疾患に関する「エビデンスに基づく診療ガイドライン2014」を公表したところである.このガイドラインの特徴は,最新のエビデンスを盛り込むことはもちろんのこと,治療に関する項目をClinical Question (CQ)方式として,課題とそれに対する記述を明確にしたことである.これにより治療上問題になっている項目を具体的に取り上げて,エビデンスのグレーディングに基づいた記載(推奨度)を行った.その後,腎臓学会はもとより,関係学会などの意見聴取も実施し,公表に至った.標記4疾患に関するエビデンスに基づく診療ガイドラインの作成はわが国で初めてのものであり,研究班ならびに日本腎臓学会としては臨床の場での活用を大いに期待している.
 私たちはこれらの診療ガイドラインを一層普及させるために,より踏み込んだ解説書が必要と考え,再び株式会社診断と治療社にお願いして,「進行性腎障害診療指針シリーズ改訂第2版」として前回同様Q&A方式での普及版の出版をお願いしたものである.執筆にあたっては,厚生労働省研究班のガイドライン作成にあたっていただいた先生方にお願いすることとした.初版同様,多くの皆様がこのシリーズを活用していただくことを望んでいる.
 一方で,これら4疾患の診断や治療においては,まだまだエビデンスが十分でない課題も多く存在しており,専門医によるコンセンサスにゆだねた事項も少なくない.特に日本人のエビデンスは限られていることから,これらは今後のエビデンスの創出を待ち,次回以降の改訂に反映させていきたいと考えている.
 最後に,研究班でガイドライン作成に関わっていただいた関係者の皆様,また本書の作成に関わっていただいたすべての皆様に深い感謝の意を表するものである.

2015年1月
 厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班班長
 名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学教授 
 松尾 清一



急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版の出版にあたって

 2002年に厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会の合同委員会により,わが国で初めての「急速進行性腎炎症候群の診療指針」が発表された.この診療指針は,海外の研究成果に加え,全国規模のRPGNアンケート調査の結果をもとに,わが国の特徴を踏まえて作成された画期的な指針であった.9年後の2011年には改訂版である「急速進行性腎炎症候群の診療指針-第2版-」が示された.同年(2011年)に,これらを踏まえて,診療指針の解説書として「急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A第1版」が発刊された.
 その後も,RPGNに関連する研究は,国内学外で進歩を遂げてきた.国際的には, KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)よる糸球体腎炎のための診療ガイドラインの発表(RPGNを示す疾患として,“pauci-immune focal and segmental necrotizing glomerulonephritis”や“anti-GBM antibody glomerulonephritis”, “lupus nephritis”,が取り上げられ,治療方針とその推奨度を提示されている)や,2012年の米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)とEULAR/ERA-EDTAによるループス腎炎のガイドラインが発刊された.さらに,2012年血管炎の国際分類が改定(2012 revised International Chapel Hill Consensus Conferense Nomenclature of vasculitides)され,血管炎の病名変更などが行われた.また,わが国では2013年に生物製剤であるリツキシマブがANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎および多発血管炎性肉芽腫症)で保険適用となった.このような背景を受け,2014年に厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会より,「エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン2014」が発刊された.そこで,「急速進行性腎炎症候群診療ガイドQ&A 改訂第2版」をガイドラインを作成された方々により新ガイドラインの解説本として出版することとした.本書が日々の診療に役立ち,急速進行性腎炎症候群の予後改善に寄与できるものと期待している.

2015年1月
 杏林大学医学部第一内科学(腎臓・リウマチ膠原病内科) 教授
 有村 義宏