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褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018診断と治療社 | 書籍詳細:褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018

一般社団法人

日本内分泌学会 監修

日本内分泌学会「悪性褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成」委員会 編集

初版 B5判 並製 112頁 2018年08月30日発行

ISBN9784787823625

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定価:3,080円(本体価格2,800円+税)
  

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これまで「褐色細胞腫診療指針」として,2010年,2012年に配布されてきた冊子の内容を「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2014」に沿って改訂.内容のアップグレード,エビデンスレベルや推奨グレードの付与による客観性の担保,米国内分泌学会ガイドラインとの整合性,診断基準・アルゴリズムの見直しなどを行った.「褐色細胞腫・パラガングリオーマ」の診断・治療のガイドとして,内分泌専門医だけでなく,内分泌外科,泌尿器外科の医師も手元において参考にしてほしい一冊.

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目次

contents

◎「褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018」作成にあたって
◎序文(2012年版)
◎序文(2010年版)
◎日本内分泌学会褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018作成委員会
◎褐色細胞腫・パラガングリオーマの診療アルゴリズム
◎悪性褐色細胞腫・パラガングリオーマの診療アルゴリズム
◎褐色細胞腫・パラガングリオーマの診断基準
◎悪性褐色細胞腫・パラガングリオーマの診断基準
◎用語および略語に関して
◎本ガイドラインについて

第Ⅰ章 褐色細胞腫・パラガングリオーマ

1 総論
2 全国疫学調査
3 機能診断
4 画像診断
5 内科的治療
6 外科的治療
7 高血圧クリーゼ
8 妊婦における診断・治療
9 病理組織診断
10 遺伝子解析
11 予後および経過観察法

第Ⅱ章 悪性褐色細胞腫・パラガングリオーマ

1 悪性度の評価法
2 化学療法
3 131I-MIBG治療
4 骨転移の治療
5 疼痛の治療
6 便秘の治療
7 薬物療法:カテコールアミン合成阻害薬
8 薬物療法:その他の治療

Perspectives

参考資料

①わが国における系統的な褐色細胞腫対策
②筑波大学におけるPPGL関連遺伝子解析研究
③CVD化学療法レジメン

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序文

「褐色細胞腫・パラガングリオーマ
診療ガイドライン2018」作成にあたって

褐色細胞腫・パラガングリオーマは各々副腎髄質,傍神経節から発生する腫瘍で,カテコールアミン過剰産生に伴う多様な症状,高血圧を呈する.腫瘍性疾患であるが,同時にホルモン産生異常症(副腎機能亢進症)の両面を有する代表的な副腎疾患である.その診断を念頭におけば,機能的診断法と画像診断法の進歩により典型例の診断は比較的容易である.しかしながら,希少疾患であることから,診断・治療の各ステップにおけるエビデンスは十分ではなく,また,無症候の症例,偶発腫瘍としての経験例,高血圧クリーゼや腫瘍破裂での発見例,さらに初回手術後,長期間経過後に転移が発見される悪性例など,臨床的に最も課題の多い内分泌疾患の一つである.このため筆者らはわが国における診療水準の向上を目的として,厚生労働省難治性疾患克服研究事業研究「褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成に関する」研究班,厚生労働省難治性疾患克服研究事業研究「褐色細胞腫の診断及び治療法の推進に関する」研究班,「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班」,日本内分泌学会臨床重要課題褐色細胞腫検討委員会との連携により,褐色細胞腫診療指針を2010年に作成,2012年に改訂作業を行い,全国に3,000冊以上を配布して来た.診療指針の普及による診療水準の向上に貢献し得たと考えている.その後,改訂作業を開始したが諸般の事情で作業が遅れ,この度ようやく「褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018」として刊行に至った.
 今回の改訂は,①内容のアップデート,②エビデンスレベルや推奨グレードの付与による客観性担保,③米国内分泌学会ガイドラインとの整合性,④診断基準,アルゴリズムの見直しなどが改訂の要点である.Minds診療ガイドライン作成マニュアル2007に準拠した改訂方針としたが,途中,Minds診療ガイドライン作成マニュアル2014が発表された.難病・希少癌ではレベルの高いエビデンスに乏しいことから,システマティック・レビューを行うことが困難であったが,エビデンスの強さ,推奨度などの表現がガイドラインの利用者にとってユーザーフレンドリーであるとの判断から,2014版を参考とした表示とした.本ガイドラインの改訂は日本内分泌学会臨床重要課題褐色細胞腫検討委員会(委員長 成瀬光栄)が中心となり,国立研究開発法人日本医療研究開発機構 難治性疾患実用化研究事業「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出」研究班(研究開発代表者 成瀬光栄)と厚生労働省難治性疾患政策研究班(研究代表者 長谷川奉延),研究開発法人国立国際医療研究センター国際医療研究開発費「難治性副腎疾患の診療の質向上と病態解明に関する研究」研究班(主任研究者 田辺晶代)との協力によるもので,執筆は主に前回執筆に従事した委員を執筆委員とし,一部の新規項目は新たな執筆者に依頼した.関係各位の協力・尽力に改めて御礼申し上げると共に,本診療ガイドラインがわが国の褐色細胞腫・パラガングリオーマの診療水準,患者QOL,さらにわが国の公衆衛生の向上に貢献できれば幸いである.


2018年7月

一般社団法人 日本内分泌学会 悪性褐色細胞腫検討委員会 委員長
国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター臨床研究企画運営部 特別研究員
成瀬 光栄