1825Dr.森の腹部超音波診断パーフェクト
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69I臓器別解剖と走査法①門脈門脈本幹は膵頭部の背側で上腸間膜静脈と脾静脈が合流し形成され,肝門部において右枝と左枝に分岐する.さらに右枝は前・後区域枝に分かれた後,各々上・下区域枝へ分岐する.左枝は水平部と腹壁方向へ立ち上がる臍部に分岐する.②肝動脈腹腔動脈から分岐した総肝動脈は,胃十二指腸動脈を分枝し,固有肝動脈となり,肝内に流入し,右・中・左の3本の肝動脈に分岐する.③肝静脈肝静脈は右・中・左の3本からなり,肝内門脈枝と交差するように走行し,下大静脈に流入している.中肝静脈と左肝静脈は共通幹になっていることが多い.また肝右葉より下方のレベルで下大静脈へ流入する副肝静脈が認められることがある.④胆管肝内胆管は肝内門脈枝の分枝と併走している.a)肝区域肝の区域分類としてはクイノー(Couinaud)の8区域分類とヒーリー-シュロイ(Healey-Schroy)の4区域分類が用いられている(図2,表1).ヒーリー-シュロイの4区域分類では肝左葉を外側区域と内側区域(広義),肝右葉を前区域と後区域に分けている.さらにこれらの4区域を各々2区域に分けたものがクイノーの8区域分類である.クイノーの8区域分類では肝を尾側からみた断面で,尾状葉をS1として反時計回りにS8まで番号が付けられている.左肝静脈下大静脈S1S8S7S5S6S4S2S3門脈左枝臍部門脈本幹肝円索右肝静脈中肝静脈門脈左枝水平部門脈右枝   肝の区域分類(クイノーの8区域分類)図2

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