1825Dr.森の腹部超音波診断パーフェクト
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397H脈管超音波のポイント①腹部大動脈の限局性拡張②拍動性腫瘤③壁在血栓超音波所見 腹部大動脈の限局性拡張と壁の肥厚(矢印)が認められる.病変が腎動脈分岐部に及んでいるかは本症の術式を決定する上で重要である.動脈瘤上縁と上腸間膜動脈起始部が超音波検査上3cm以上あれば腎動脈に及んでいる可能性は低く,1cm以内なら腎動脈を巻き込んでいることが多い.図2 屈曲,蛇行が強い腹部大動脈では動脈瘤との鑑別に苦慮することがあるため,腹部大動脈を縦断および横断面から観察する必要がある.上腹部(a)~下腹部(b)にかけて腹部大動脈の走行に沿って横断走査を行うと,大動脈瘤がなければ大動脈の短軸径は上腹部~下腹部にかけて徐々に小さくなるが,大動脈瘤が存在すれば,bのように動脈瘤に一致して径の拡張(矢印)が認められる.図3腹部大動脈腹部大動脈(上腹部)a腹部大動脈(下腹部)b

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