1909不随意運動の診断と治療 改訂第2版
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35第2章 不随意運動の診かたを合わせてbradykinesia(動作緩慢)という用語が用いられる.これらは,パーキンソニズムの重要な特徴であり,しばしば同義にも用いられる.パーキンソニズム(parkinsonism)a パーキンソニズムとは安静時振戦,無動・寡動・動作緩慢(bradykinesia),筋固縮(rigidity),姿勢反射障害の主要四徴候と,四肢体幹の屈曲位,すくみ現象(freezing)の六徴を合わせて意味することが多い.通常,無動・寡動・動作緩慢(bradykinesia)と安静時振戦のいずれかに加えてあと一つ以上の徴候があればパーキンソニズムと呼ばれる.Fahnによる分類6)ではパーキンソニズムを示すParkinson症候群は特発性(primary),続発性(secondary),parkinsonism-plus症候群,遺伝・変性疾患に区別される.特発性パーキンソニズムとはParkinson病のことであり,最も頻度が高い.しかし,精神科領域も含めると薬剤性パーキンソニズムもかなり多数存在するはずである.後者は,向精神薬などのドパミン拮抗薬の使用により起こる医原病である.Parkinson病は非常にゆっくりとした発症の様式で始まる.患者が気づは持続する.3.異常運動の起源 多くの運動異常症は大脳基底核とそれに関連する部位(大脳基底核および運動ループ)(図1)の異常で起こると考えられる.その例外としては中枢性ではミオクローヌスの多く,末梢性では筋線維束攣縮,ミオキミア,感覚性偽性アテトーゼなどであるが,その発症機序については第1章や各論で詳説する.4.Parkinson病とパーキンソニズム 本書では,不随意運動を広義に解釈してパーキンソニズムや運動過少症を含めて解説する(Parkinson病についての詳しい記載については,他の教科書を参照していただきたい).英語のakinesia,bradykinesia,hypokinesiaは文字通り解釈すると運動の消失,遅延,振幅の低下ということになる.しかし,しばしばこれらの三つの意味各種運動障害の発症機序図1Alexander-Crutcherのモデル.色矢印は興奮性,黒矢印は抑制性の投射を示す.a 正常b パーキンソニズムd ジストニアcortexputamenSNcSNcdirectindirectGPeGPeGPeGPeSTNbrain stemspinal cordbrain stemspinal cordbrain stemspinal cordbrain stemspinal cordVLVLGPi/SNrD2D1putamenputamenputamenD2D1D2D1D2D1cortexSTNGPi/SNrGPi/SNrSTNSTNSNcSNccortexc 半側バリズムcortexVLGPi/SNrVL
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