1980引いて調べる 先天代謝異常症
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19アシルカルニチン分析有機酸分析確定診断急性期治療間欠期治療予後遊離カルニチン,アシルカルニチンともに低い.【発作時】非(低)ケトン性ジカルボン酸尿 ⇒p104 .線維芽細胞でのカルニチン取り込み,In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析.L-カルニチン投与 ⇒p139 ,低血糖に対する治療,高アンモニア血症に対する治療 ⇒p144, 161 .経口にてL-カルニチン投与 ⇒p139 (100~400 mg/kg/day),血中濃度で増減.診断されて,適切にL-カルニチン継続治療を受ければ良好.遊離カルニチン高値C0/[C16+C18]比 ⇒p115 ⬆が指標.【発作時】非(低)ケトン性ジカルボン酸尿 ⇒p104 .線維芽細胞での活性測定,In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析.低血糖に対する治療 ⇒p161 ,高アンモニア血症に対する治療 ⇒p144 .カルニチンは投与しない.飢餓の予防が重要.頻回ほ乳,中鎖トリグリセリド(MCT)ミルク ⇒p159 の使用,コーンスターチ ⇒p150 の利用.長期予後の報告はないが,重篤な低血糖発作をきたさなければ予後は良好と考えられる.遊離カルニチンの低下とC16,C18:1の高値.[C16+C18]:1/C2比高値 ⇒p115 【発作時】非(低)ケトン性ジカルボン酸尿 ⇒p104 .線維芽細胞での活性測定,In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析(この2疾患の鑑別には遺伝子診断が有用).(CPT2欠損症では表現型ー遺伝子型の相関あり).低血糖に対する治療 ⇒p161 ,高アンモニア血症に対する治療 ⇒p144 .長鎖脂肪酸β-酸化系の治療法の原則 ⇒p160 に従う.①新生児発症型(重症型):厳しい.②乳幼児期発症型(中間型):発作による低血糖などの後遺症がなければ,良好.③遅発型(骨格筋型):生命予後は良好と考えられる.・CACT欠損では重症型の報告が多く,CPT2欠損では骨格筋型の報告が多い.・TFP欠損では長期経過のなかで末梢神経障害,網膜障害をきたすが,現在はそれを防げない.C14:0,C14:1,C16,C18:1などの長鎖アシルカルニチンの増加.マーカーとしてはC14:1高値 ⇒p115 【発作時】非(低)ケトン性ジカルボン酸尿 ⇒p104 .線維芽細胞での活性測定, In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析(表現型ー遺伝子型の相関あり).C16:0, C16:1, C18:0, C18:1とそのヒドロキシ体C16-OH, C18-0H⬆.マーカーとしてはC16-OH⬆【発作時】非(低)ケトン性ジカルボン酸尿 ⇒p104 (特に3-ヒドロキシジカルボン酸を含む).線維芽細胞での活性測定, In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析.C6,C8,C10⬆.マーカーとしてC8⬆ヘキサノイルグリシン,スベリルグリシン排泄増加.急性期ジカルボン酸尿.線維芽細胞での活性測定, In vitro プローブアッセイ ⇒p96 による確定診断,遺伝子解析.低血糖症に対する治療 ⇒p161 ,高アンモニア血症に対する治療 ⇒p144 .飢餓の予防が重要.頻回ほ乳,ミルクの使用,コーンスターチの利用.・初回発作で突然死することが比較的多い.・3~4歳以降は急性低血糖発作は起きなくなるとされる.脂肪酸代謝異常症5ミトコンドリア脂肪酸代謝,ケトン体代謝異常症 脂肪酸β酸化系は,心筋,骨格筋におけるエネルギー産生,肝臓におけるケトン体産生による低血糖予防に必須の代謝系である. その異常症は,新生児期の代謝不全,乳幼児期の突然死,Reye様症候群といった急性脳症様発作,横紋筋融解などを引き起こす. タンデムマススクリーニングによって無症状で早期発見し,治療することが有効な疾患群を含む. 高遊離脂肪酸,非(低)ケトン性低血糖発作は脂肪酸代謝異常症,ケトン体産生異常症を示唆する重要な所見である.一方ケトン体利用障害は著しいケトアシドーシスをきたす疾患である.岐阜大学大学院医学研究科小児病態学 深尾俊幸

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