2120気になる子どもの保育の基本 あい・あい保育向上プログラム
11/12

51年少事例①3-B援助の経過ステップ1-❶援助場面 降所準備援助目標 自分でコップを鞄に入れる。援助方法 ①降所直前に「コップを鞄にしまおうね」と具体的に声をかける。② 「紙芝居を読んでくれるよ」など,コップをしまうと楽しいことが待っていることを伝えて自分でできるようにする。6月 目標に取り組み始めて保育士が鞄を用意すれば,自分でコップをしまえる日が増えていきました。鞄にコップを入れるとき,保育士が鞄を動かしながら「パックンパックン,コップが鞄に入るでしょうか?」など,遊びを加えると❶無理なく楽しみながらできました。「昨日みたいにパックンやって」と求めることもあり,降所準備を“楽しい”“おもしろい”と感じながら取り組めるようにしました。逆に全くできない日もありましたが,「ニコニコのときにコップをしまってね」と無理させず,ゆったりと関わるように心がけました。❷ある日,「りくちゃん,コップしまった?」と聞いたとき,思わず「うん」と答えましたが,保育士が確認に行く前に急いでコップを鞄にしまっていました。「先生と一緒じゃなくても1人でできたね!」と,このときは大げさにほめました。りくちゃんにとって初めての成功体験が劇的に変わるきっかけになりました。7月 降所準備を促すと「ゆり先生,見ないで」と,1人で支度をするようになりました。「はーい,見ませんよー」と返事をしつつこっそり見ていました。身支度が終わった頃,「できたかな~」と見に行くと,「へへーっ」と,「また1人でできちゃったもんね!」と,得意そうな顔をしています。1人でできることがうれしくて,保育士が驚くのを項目平成X年6月時点の状態平成X+1年1月時点の状態安心できる場所加配保育士におんぶや膝の中に入れてもらう。職員室,保育士と手をつなぐ,抱っこしてもらう(加配保育士以外でもよい)。❶身の回りのことに取り組む際,こういう遊びや楽しさを演出できるとよいでしょうね。子どもも楽しんで取り組めると思います。専門家のアドバイス❷子どもに対して,こういう距離のとり方がとても大切だと思います。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る