2120気になる子どもの保育の基本 あい・あい保育向上プログラム
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31-A保育の理念とあい・あい保育向上プログラムが適切かもしれません。したがって,子どもの成長や発達は,その子どもの潜在能力の程度によって様々といえます。もちろん,ここには保育士の関わりや保育環境も少なからず影響していることはいうまでもありません。 本プログラムは大きく2つに分かれています。1つは個別の対応であり,もう1つは集団形成の視点です。個別の対応を生かして集団の形成につなげることを考えています。a 個別の対応 本プログラムでは2者関係を重視するので,〈保育士―子ども〉の1対1の場面を作ります。流れとしては,〈行動観察(客観的)→3つの援助の設定→関わり(実践)→行動観察(関与的)→日々の記録→評価〉になっています。 個別の対応の場合,さらに3つのステップがあります。ステップ1が身の回りのこと,ステップ2が苦手なこと・初めてのこと,ステップ3が困った行動(問題行動)であり,この順に取り組みます。ステップはレベルと置き換えて考えていただいてよく,やさしい課題から難しい課題へと順次取り組むことになります,スタートはステップ1(レベル1)から着実に取り組みます。3つのステップでは,身の回りのことに最も重きを置きます。身の回りのことに取り組むことは,子どもにとってわかりやすいだけでなく,子どもを深く理解でき,より適切な関わり方ができるからです。b 集団の形成 集団の形成は,個別の対応をある程度踏まえたうえで実施します。それはまず個人の関係を重視し,そのうえで集団を考えるからです。発達に障がいがあると集団への参加はなかなか難しいので,早い段階での集団参加は考えません。個別の対応が徐々に実を結んできたら取り組んでいきます。この過程で対象児は周りの子どもに関心を示します。そして,子どもの宝探し(よいところ探し)として個々の子どもを結びつけて集団を新たに作ることを考えたり,クラスの雰囲気を変えていきます。こうして障がいをもった子どもが集団活動に参加しやすい土壌を作ります。あい・あい保育向上プログラムの特長2a 子どもを問わない 研修では,発達障がいおよびその疑いのある子どもを中心に取り組んできました

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