2120気になる子どもの保育の基本 あい・あい保育向上プログラム
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6あい・あい保育向上プログラムとは1第章 『あい・あい保育向上プログラム』(以下,本プログラム)は,保育所における気になる子どもへの対応策“あいち小児センター方式”として約10年前に考案され実践されてきたもので,“保育の理念”が前提にあり,保育士と子どもとの関係性を重視した保育所での集団生活の質を向上させるプログラムです。これまでの間,保育現場で活用され,「子どもにも保育士にも効果あり!」と実感されてきました。子どもが保育所に適応してきた,よい変化が現れた,私(保育士)も子どもを深く観察できるようになった,保育に自信がもてるようになったなど,保育士の声として多く聞かれます。実際,どのような効果があるかを調べてみました。a 方法 保育所長に対して,A県を通じて参加を募集し,本プログラムの理念や使い方について,指導者養成研修を行いました。研修を受けた保育所長が各自の保育所で障がい児保育を担当する保育士を指導しながら,その保育士が本プログラムを活用して対象児を保育し,本プログラムを活用する前と活用し6か月経過したときの子どもや保育士の状況を比較しました。この方法は,one-group pretest-posttest designといって,比較群を伴わずに1つのグループに一定の介入を行い,介入前と介入後を比較するという準実験的研究方法です。1)子どもの成長発達を追う KIDS〔Kinder Infant Development Scale typeT;乳幼児発達スケール(キッズ)〕という発達評価尺度を用いて成長発達の経過を見ました。KIDSは多くの乳幼児の発達状況を素早く把握できる指標で,保育・教育現場の先生方や臨床専門家がそれぞれの指導場面で活用しているものです。運動,操作,理解言語,表出言語,概念,対子ども社会性,対成人社会性,しつけ,食事の9つの領域全282項目があり,これらの発達を調べることで子どもの全体的な発達を捉えます。対象児の担当保育士に本プログラムを活用する前と活用し6か月経過したときの2回,子どもについて記入してもらいました。 もう1つは,日本版SDQ(Strengths and Diculties questionnaire)というあい・あい保育向上プログラムの効果とエビデンスB

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