2129エキスパートが答える！アトピー性皮膚炎Ｑ＆Ａ

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29Question10を書いて，①短期間のステロイド外用で皮疹が軽快するのは浸潤細胞が「冬眠した」だけで，触って皮疹の立体的な変化を触れる場合には，浸潤細胞がまだ残っているので皮疹が再燃しやすいが，②十分な期間のステロイド外用によって慢性皮疹に浸潤している細胞が健常なレベルに戻れば，ステロイド外用を中止しても再燃しにくいことを説明すると（図2），ステロイド外用は皮疹の立体的な変化を触れなくなるまで続ける必要があることが理解しやすい．文献1） Danby SG, et al：The e ect of tacrolimus com-pared to betamethasone valerate on the skin barrier in volunteers with quiescent atopic dermatitis. Br J Dermatol 170：914-921, 20142） Bangert C, et al：Clinical and cytological ef-fects of pimecrolimus cream 1% after resolu-tion of active atopic dermatitis lesions by topi-cal corticosteroids：a randomized controlled trial. Dermatology 222：36-48, 2011〈加藤則人〉皮膚バリア機能とステロイド【skin barrier function and steroid】　皮膚に炎症があると，表皮角化細胞のターンオーバーが亢進して保湿因子の合成が不十分なまま角化するため，皮膚バリア機能が低下する．したがって，皮膚炎に対してはステロイドなどの抗炎症外用薬で炎症を制御することが重要である．一方で，炎症のない皮膚へのステロイド外用は，皮膚バリア機能を低下させるため，注意が必要である．keyword