2134皮膚科研修ノート

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第3章　おもな皮膚疾患膠原病と類症E309図6　リウマトイド血管炎に伴う網状皮斑 （リベド）リウマトイド血管炎の患者に認められた網状皮斑．網目状の紅斑は環状に認められるが，環の一部が閉じずに開いている（矢印）のが特徴的である．図7　 リウマトイド血管炎の病理組織像血管周囲に多数の好中球やリンパ球の浸潤を認める．好中球の核破砕による核塵と，出血を示唆する赤血球の血管外漏出，フィブリノイド壊死（※）を伴っており，leukocytoclastic vasculitisの像を呈する（×200）．♦成人Still病図9　 サーモンピンク様皮疹（リウマトイド疹）除外診断的な色合いが強い疾患であるが，定型的皮疹は診断基準にも含まれており，診断価値が高い．写真は上腕に認められたサーモンピンク様皮疹．かつてはリウマトイド疹ともよばれていた定型疹で，発熱とともに出現し，色素沈着を残さずに消退する淡紅色斑である．♦混合性結合組織病図8　 指と手背の腫脹と指尖潰瘍手背から指にかけて光沢を帯びる腫脹と紅潮を認める．特に手指の腫脹はその様相からソーセージ様手指（sausage-appearance fingers）ともよばれる．本疾患では末梢循環障害が強いことが多く，難治性指尖潰瘍を伴う症例もめずらしくない．♦抗リン脂質抗体症候群図10　 下腿潰瘍本疾患において皮膚病変は約40%において認められる．本症例では多発する皮膚潰瘍と一部には網状皮斑，紫斑を伴っていた．図11　 皮膚生検で認められた血栓像本疾患患者の皮膚組織．真皮の深層の小血管に血栓を認める．血管の周囲にはリンパ球を中心とする炎症細胞浸潤を多数認めるが，核塵や出血は認められず，leukocytoclastic vasculitisは認められない．東京大学医学部皮膚科　吉崎　歩