2134皮膚科研修ノート
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76ものが丘疹,大きめのものが結節だと思っておけばよい.さらに大きいものは腫瘤(図6)と表現されるが,結節と腫瘤の間にもはっきりした線引きはない.丘疹,結節は炎症性の場合と腫瘍性の場合があるが,腫瘤はほとんどが腫瘍性である.d 落屑,鱗屑 角層が剝がれて白く浮いている状態をいう(図7).正確には病変部に付着している白い鱗片状の角質を鱗屑といい,鱗屑が剝がれて落ちる現象を落屑というが,実際にはあまり意識して区別されていないようである.乾燥してザラザラし,こするとポロポロと白い粉が落ちる,というイメージであり,表皮を巻き込む炎症の存在を意味する皮疹である.e 水疱,血疱,小水疱 図8に示すが,これは解説不要であろう.中に液体がたまっていればすべて水疱とよんでよいが,内容液に血球成分が混じって赤褐色を呈する場合は血疱とよんで区別することがある.また,米粒より小さい水疱は小水疱とよばれる.f 膿 疱 内容物が膿性の水疱を膿疱とよぶ(図9).大きさに制限はないが,通常は5 mm以下である.膿疱はほとんどが細菌感染によるが,一部に無菌性のものもあり,診断上,極めて重要な皮疹である.g 膨 疹 真皮の限局性の浮腫により境界明瞭に隆起した皮疹で,多くは紅斑を伴う(図10).一時的な浮腫であるので,個疹は数時間で消褪する.真皮の浮腫でなく炎症性細胞浸潤により隆起したものは持続性の皮疹であるので,膨疹とはよばない.蕁麻疹以外で図6 腫瘤(隆起性皮膚線維肉腫)図7 鱗屑(手白癬)図8 水疱(水疱性類天疱瘡)図9 膿疱(Behçet病に伴う毛囊炎様皮疹)図10 膨疹(蕁麻疹)

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