2135消化器研修ノート
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3024診断・検査a 問 診………………………………… 原因を推定するために問診は重要である.患者の基礎疾患,飲酒,服薬状況,食事内容のほか,発症様式などを詳細に聴取する.b 検 査………………………………… 適応と判断されたら速やかに上部消化管内視鏡検査を施行する.食道胃接合部の粘膜傷害の有無による逆流性食道炎とNERDの鑑別(図1)のほか,びらんや潰瘍の形態,数,分布,性状,発赤や浮腫の程度などを詳細に観察することにより原因をある程度推定することが可能である.また,食道裂孔ヘルニアやアカラシアの有無も観察する.さらに適切な部位から生検を行い,炎症細胞や好酸球の浸潤,核内封入体,菌糸などの有無を検索する. 内視鏡所見を認めない場合や非定型症状を呈する場合については,24時間食道内pHモニタリング検査や食道内圧検査が有用である.また,NERD患者の病態解析には多チャンネルインピーダンス検査が推奨されるが,現在のところ保険適用はなく,施行可能な施設も限られている.5治 療a 胃食道逆流症(GERD)……………… GERDに対する治療目標は症状の消失とQOLの改善である.また,逆流性食道炎では粘膜傷害を治癒させ,出血,狭窄の形成,Barrett食道およびBarrett腺癌の発生を防ぐことが重要である.1) 生活指導 禁煙,肥満の是正,就寝時の上半身挙上(Fowler体位),就寝前の食事・アルコール・高脂肪色・過食・原因薬剤の回避などを指導する.2) 薬物療法①逆流性食道炎 逆流性食道炎は酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択薬である.必要に応じてH2受容体拮抗薬(H2RA)を用いる.新規治療薬として,カリウムイオン競合型アシッドブロッカーのボノプラザン(タケキャブ®)が発売され,重症型逆流性食道炎に対する高い治癒効果が示された.また,酸分泌抑制薬の補助的薬剤として制酸薬,粘膜保護薬,消化管運動促進薬,漢方薬も用いられる.なお,常用量のPPI投与で効果不十分な場合はラベプラゾール(パリエット®)の1日2回投与が可能である.図1 改訂Los Angeles分類粘膜傷害とは,より正常に見える周囲粘膜と明確に区分される,白苔ないし発赤を有する領域である.胃胃胃胃胃〈Grade N〉内視鏡的に変化を認めないもの〈Grade M〉色調変化型(minimal change)NERD軽症型逆流性食道炎重症型逆流性食道炎〈Grade A〉5 mmを超えない粘膜傷害〈Grade B〉5 mm以上の粘膜傷害〈Grade C〉粘膜傷害が2条以上の粘膜ヒダに連続して広がっている  〈Grade D〉全周の3 / 4以上にわたる粘膜傷害

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