2159難治性内分泌代謝疾患UpDate
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第4章 副 腎87●●●Ⅱ 各論編 第4章 副腎決定,が基本(図1)である.米国内分泌学会(ES)5),日本高血圧学会(JSH)1),日本内分泌学会(JES)6)から学会ガイドラインが発表されおり,基本コンセプトは同じであるが,作成された経緯や医療環境などの差などにより,種々の相違点を認める(表1).1スクリーングの対象 低カリウム血症を除けば,一般検査のみでPAを疑うのは困難であることから,JESガイドラインでは全ての高血圧(特に初診患者)でのスクリーニング実施を推奨している.しかし,対象となる高血圧患者数は極めて多くかつ費用対効果が未確立であることから,JSH,ESでは特に「PA高頻度の高血圧群」,すなわち,低カリウム血症合併,若年者,中等症以上の高血圧,治療抵抗性高血圧などでのスクリーニングを推奨している.2スクリーニング方法 ESとJESはPAC/PRA比(ARR)を推奨しているが,低レニンによる偽陽性を避けるため,JSHではPACが一定レベルである点も追加している.前者では感度が高く,後者は特異度が高い.そのカットオフは図2に示した通り報告論文により極めて多様である.わが国ではARR>200,PAC>120 pg/mLが使用されている.測定毎に値が変動することから,適宜再検する7).1表 PAの診療ガイドライン:学会間の比較日本高血圧学会(JSH)2014日本内分泌学会(JES)2010米国内分泌学会(ES)2009スクリーニング対象特にPA高リスク群全高血圧特にPA高リスク群スクリーニング方法ARR+PACARRARR機能確認検査1≦21局在診断AVS適宜(熟練施設)手術希望はAVS必須手術希望はAVS必須(但し<35歳省略可)2図 PAスクリーニング法の指標とそのカットオフ(欧文論文からのまとめ)数値は具体的なカットオフを示す.ARR(51.2%)ARR(51.2%)ARR+PAC(32.6%)ARR+PAC(32.6%)ARR+PAC+PRA(11.6%)ARR+PAC+PRA(11.6%)PAC+PRA(4.7%)PAC+PRA(4.7%)>200(47.6%)>200(47.6%)>300(14.3%)>300(14.3%)>400(19.0%)>400(19.0%)>500(19.0%)>500(19.0%)200/15042.9%200/15042.9%500/15014.3%500/15014.3%400/15014.3%400/15014.3%7.1%7.1%250/80250/807.1%7.1%550/140550/1407.1%7.1%650/150650/1507.1%7.1%500/126500/126
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