2166基礎疾患をもつ小児に対する予防接種ガイドブック
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30予防接種は,基本的には体調のよいときに接種をする.過去の接種における反応,現在罹患している疾患,ワクチン同士の接種間隔等を,問診票と予診,診察によって確認する.また,接種対象となる疾患とワクチンの効果や副反応を保護者が理解して接種を受けるために,保護者向けには『予防接種と子どもの健康』(予防接種リサーチセンター)が作られ,医療機関向けには厚生労働省から「予防接種法施行規則(省令)」「予防接種実施規則(省令)」「定期接種実施要領(通知)」のほか,これらをもとに解説された「予防接種ガイドライン」(予防接種リサーチセンター)が毎年改訂されながら発刊されている.接種医療機関において,問診,検温,視診,聴診などの診察を接種前に行い,予防接種不適当者や予防接種の可否を決める際の判断に注意を要する者に該当するか否かを判断する.小児の場合,原則として保護者同伴が必要で,問診などに抜けがないようにする.特段の理由で保護者が同伴できない場合,被接種者をよく知る親族などが同伴することは可能であるが,重症心身障害児者(重症児者)の場合,接種日の体調と合わせて日頃の体調も含めた情報を伝達できる者が同伴しなければならない.また,接種間違いなどを防ぐため,母子健康手帳を必ず持参させ,過去の接種を確認する.接種不適当者予防接種法施行規則(第2条)には,接種不適当者として,表のように①~⑦までの項目があげられている.①は予防接種法で決められた回数をすでに接種し終えている者は接種しないとの趣旨の国の規定であり,厳密には医学的「禁忌」ではない.母子健康手帳などの紛失で過去の接種歴が不明な場合,不足すると思われる回数を接種しても医学的には問題がない(ただし,定期接種として認められるかどうかは別である).②と③は急性疾患の急性期には接種しないということである.明らかな発熱とは通常37.5℃を超える体温とされており,37.0~37.5℃までは普段の体温やほかの症状を勘案して接種医が接種の可否を判断する.予防接種の副反応のうち,ワクチン成分で重篤なアレルギーであるアナフィラキシーを呈した者は,追加の接種で同様またはさらに強い生体反応が起こる可能性があるので接種しない.Hib,PCV,DPT-IPV,DPT,IPV,日本脳炎ワクチン,MRワクチン,水痘ワクチンなど,現在多くの不活化ワクチン,生ワクチンが複数回接種になっている.前回の同一ワクチンの接種でアナフィラキシーが起こった場合には,同一ワクチンは接種しない.アナフィラキ表●接種不適当者①当該予防接種に相当する予防接種を受けたことのある者で,当該予防接種を行う必要がないと認められるもの②明らかな発熱を呈している者③重篤な急性疾患に罹っていることが明らかな者④当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者⑤麻疹および風疹に係る予防接種の対象者にあっては,妊娠していることが明らかな者⑥結核に係る予防接種の対象者にあっては,結核その他の疾病の予防接種,外傷などによるケロイドの認められる者⑦②~⑥までに掲げる者のほか,予防接種が不適当な状態にある者3.接種時の注意点と接種不適当者・接種要注意者
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