2169日常診療における子どもの睡眠障害
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搔破PPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPであり,脈拍数の増加を伴う酸素飽和度の低下が繰り返し出現している.閉塞性睡眠時無呼吸は気道開大筋の筋緊張が低下するレム睡眠時に悪化しやすく,酸素飽和度の著しい低下を繰り返している時間帯はレム睡眠と推測される(図3上段〈…〉部分).一方,図3下段の症例では酸素飽和度の低下はほとんど目立たない.上段に比べると,一見,睡眠時無呼吸はないかの様に見える.しかし,精密検査である終夜睡眠ポリグラフィでは多呼吸や奇異呼吸を認め,低呼吸主体の閉塞性睡眠時無呼吸と診断された.さらに,眠気や落ち着きのなさ等の日中の症状は上段の症例よりも強い.このように,酸素飽和度低下が少ない症例はパルスオキシメトリのみでは判断が困難であることを念頭におく必要がある.b.プローブの装着不良と中途覚醒図4に閉塞性睡眠時無呼吸の2歳9か月男児のパルスオキシメトリ終夜データを示す.データ上部にPのマークが重なって表示されているのは,ソフトウェアがプローブ装着不良と判断した時間帯である.プローブ装着不良時は酸素飽和度,脈拍ともに値が低下,または表示されなくなる.酸素飽和度と脈拍が同時に低下した場合,実際の低下ではなく,プローブ装着不良の影響である可能性があることを留意されたい.機種によっては自動的にプローブ装着不良と判定する機器もあるが,必ずしも正確でない.また,本症例は検査中に1時間程度中途覚醒し図5いびきを主訴とするアトピー性皮膚炎の5歳8か月のパルスオキシメトリ終夜データ上段:蕁麻疹のため終夜にわたり搔破を続けた日.下段:蕁麻疹改善後であるが,搔破が確認された時間をで示す.体動と同時にSpO2,脈拍が変動するも,体動によるアーチファクトの可能性が否定できない.182第5章一般外来での検査

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