2171眼科開業医のための診療・連携ポイント30
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糖尿病網膜症の病診連携は,里親制度! 793硝子体手術後は感染.再出血に注意 硝子体手術後は,早期は感染徴候の有無に注意しながら1~2週間で経過観察し,その後は1か月ごとに経過観察を行う.血管新生緑内障の発症や再出血などの所見に注意を払う.Ⅵ再紹介すべき所見❶非増殖型では,出血斑の増加,異常血管の出現❷増殖型では,硝子体出血,眼圧上昇❸どの病期であっても,視力が低下したとき1出血斑の増加と異常血管 非増殖型では,出血斑の増加や静脈の拡張所見(数珠状拡張),さらには検眼鏡所見で異常な血管が認められた場合には,FAを施行し,増殖化の有無を確認する必要があり,専門医に再紹介する.FAの結果,レーザー治療が必要であれば,専門医とかかりつけ医のどちらで行うのかも,記載して紹介すると,連携がスムースである.さらに,急激に軟性白斑が増加している場合,悪性腫瘍が原因の消化管出血による貧血網膜症もあり得るので紹介する.2硝子体出血,眼圧上昇 増殖DR患者をPRP後や硝子体手術後にかかりつけ医で経過をみている場合,硝子体出血を起こした場合や眼圧が上昇し,血管新生緑内障の発生が疑われる場合には,速やかに専門医へ再紹介することが必要である.3視力低下 病期に限らず,以前よりも視力が低下した場合,黄斑浮腫の発生,視神経症の発症,白内障の進行,脳梗塞など様々な原因が考えられるため,精査のために再紹介する.a糖尿病は,患者の毎日,毎食の生活が大変重要な疾患であるが,時に,患者は毎日の糖尿病治療に疲れてしまうこともある.かかりつけ医に励まされたり,勇気づけられたりすることで頑張れる患者は多く,かかりつけ医には,患者の話をよく聞き,励ますことができる存在でいてほしい.そうすれば,病院医師は,里親の気持ちで一時預かりで厳しく治療を行うことも可能となる.ワンポイントアドバイス図7 糖尿病黄斑浮腫(DME)のOCT分類a:CME(囊胞様黄斑浮腫).b:Swelling(網膜膨化).c:SRD(漿液性網膜剝離).d:DMEの治療前後:OCTの黄斑マップac治療後治療前db

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