2172骨・軟部腫瘍-臨床・画像・病理 改訂第2版
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CTの読み方*13過剰摂取に対して自己調節ができず,甲状腺機能を悪化させる危険があるためである.さらに原則禁忌として,一般状態が極度に悪い患者,アレルギー疾患のある患者,重篤な心障害・重篤な肝障害・重篤な腎障害のある患者が含まれる.ヨード造影剤は腎尿細管に負荷をかけるため,腎障害患者の腎機能を悪化させる可能性が高い.腎機能評価にあたっては,日本腎臓学会の推算GFR値を利用することが望ましい.さらに,急性膵炎,マクログロブリン血症,多発性骨髄腫,テタニー,褐色腫あるいはその疑い患者も原則禁忌とされている.c)MRIよりも劣る濃度分解能と組織特異性CTの組織コントラストは単純X線写真と同様にX線透過性によってのみ決定される.単純X線写真よりも〈図1〉19歳の男性.骨膜下血腫.左腸骨骨膜下に高吸収の腫瘤を認める.〈図3〉64歳の女性.軟骨肉腫 grade 2.(a)造影CT.第9肋骨を囲む胸壁腫瘤で,同肋骨には硬化性変化がみられる.造影剤により増強された被膜により分葉状辺縁が明らかである.(b)造影CT MPR冠状断像.横断像とは異なる断面で、胸壁腫瘤と第9肋骨および肝臓との位置関係が理解しやすい.〈図2〉26歳の男性.軟骨芽細胞腫.(a)足関節単純X線写真.距骨外側に辺縁明瞭な骨融解性病変が疑われるが,所見は不明瞭である.(b)CT 冠状断像.距骨体部外側に辺縁明瞭で皮質骨を骨髄側から分葉様状に侵食する骨融解性病変を認める.abab

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