2174眼科研修ノート 改訂第2版
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6 一人前の眼科医となるためには,どんなステップが必要だろうか.また,晴れて「眼科医」となっても,その先の人生はいろいろである.開業して地域医療に貢献するスタイルもあれば,大学に残って臨床と同時に研究を続ける,など道はそれぞれである. まずは,眼科を専攻した医師がどのような道をたどって成長していくのか紹介してみよう.医学部を卒業した諸君は,現時点では,まずは前期研修として2年間,内科や外科などの基本的な診療科をひととおり学ぶことになっている.その後,後期研修として自分の進みたい科を選ぶわけだが,眼科を選んだ君たちは,大学の医局,あるいは総合病院の眼科などにて,眼科の研修を受けることになる.ちなみに,この研修制度は目下その是非が議論されているところなので,君がこの本を手にしているときは変わっているかもしれない. いずれにしても,通常,「自分は眼科を専門とする眼科医である」というためには,日本眼科学会が定めている眼科専門医認定資格を得ることが望ましく,そのためには,5年の研修が必要となる.眼科の検査に精通して,一般外来ができ,的確な診断と適正な治療をマスターする.白内障などの基本眼科手術を習得する.これで晴れて眼科医として独り立ちできる,ということだ.そしてさらに眼科のなかでも角膜や網膜などのサブスペシャルティを勉強するのに2~3年の期間が必要となる.26歳で入局したとすれば,順調にいって眼科専門医となるのが31歳,サブスペシャルティをもった専門医となるのが33~34歳であり,自信をもって自分の専門分野でやれるようになるには約10年の研修期間が必要と考えていいだろう.そうすると君は36歳ということになる. それからはまた,様々な道の方向がある.参考までに将来パターンをいくつかあげてみよう(参考までに,かっこ内の割合は慶應義塾大学医学部眼科における進路割合を示す).a 大学病院に残り世界のライバルたちと競争する(20%)…………………… 医者の仕事も好きだけれど,疾患の原因解明にも興味があるなあとか,大学での臨床研究で論文を書きたいとか,あるいは後輩を指導するのも好き,というように,教育,研究,臨床の三つがそろっている場所は,やはり大学である.また,世界の大学と業績を競う,といった最先端の医学研究・教育に携わる喜びは,大学ならではのものといえるだろう.b 市中病院でがんばり,地域治療に貢献(30%)……………………………… 患者さんと接して,患者さんを治すことにひたすら生きがいを感じる人,研究や教育は誰かにお任せして,自分は臨床を追及したいという人は,市中総合病院に勤務して,地域医療に貢献する道が向いているだろう.サブスペシャルティにもよるが,眼科の場合は緊急が少ないので肉体的な負担が少ないという面もある.c 開業して自由にはばたく(30%)…… 親が開業医でそれを継いだり,あるいは一代目となって開業する個人スタイルから,最近では,仲間と一緒にグループ開業というスタイルも登場してきている.何人かのドクターと始めて大きな医療法人に発展させている先生たちもいる.卒業後10年以上経って,自分で自信をもって手術ができるようになれば,こういった選択肢も出てくる.逆に手術は好きじゃない,という人A 眼科医になる君たちへ眼科医としての将来と人生3

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