2176膠原病・リウマチ・アレルギー研修ノート
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第6章 膠原病・リウマチ・アレルギー疾患を診療する337膠原病・リウマチA東京医科大学八王子医療センター腎臓内科 吉田雅治1) 小川 聡(総編集):内科学書 改訂第8版. 中山書店,2013:469-4712) 吉田雅治:日内会誌 2011;100:1244-12533) Guillevin L, et al.:Polyarteritis. Ball GV et al.(eds.),Vasculitis.2nd ed. Oxford Univer-sity Press, 2008:335-353文献 医学部卒業で学生から研修医となる.この道は連続には見えても,実は飛躍的一歩の踏み出しだ.学生は良い成績をとることが求められ,今の教育で大事なのは依然として暗記力である.しかし,研修医には手帳がある,スマホがある,iPadがある.単純記憶はデバイスこそが得意とするところだ. 研修医に必要なのは探究心.全身性エリテマトーデスではネフローゼ症候群になるほどのループス腎炎があってもCRPは正常なのはなぜだろう.血中半減期が長いのに長時間作用性に分類されないステロイドがあるのはなぜだろう.治療ガイドラインにでてくるステロイドパルス療法ってどんな薬理作用があるのだろう. 「なぜだろう,なぜかしら」をいっぱい抱えて欲しい.なぜと思うから調べる.調べるから新しいことがわかる.そうしてわかれば記憶に残る. 調べてもわからなかったら,先輩や指導者に迷わず聞いてみよう.正解を教えてもらえればラッキー.教えてもらえなかったら,それは文献で誰も怖くて取り上げることのない謎かもしれない.先輩や指導者にだってわからないことはたくさんあるはず.でも,彼らは君の質問をきっかけにその疑問を解くために研究をするかもしれないではないか.ひょっとしたら,いつか君がその研究をしているかもしれない. 臨床の場でわき上がる探究心こそが医学を進歩させるのだ.(東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科 上阪 等)なぜだろう,なぜかしら

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