2177血液科研修ノート
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造血幹細胞移植D第4章 研修で学ぶべき検査と治療法209表1 急性GVHDの臓器障害stageStage*1皮膚皮疹の面積(%)*2肝臓総ビリルビン(mg/dL)消化管下痢1<252.0~3.0成人 500~1000 mL小児 280~555 mL/m2または持続する嘔気*3225~503.1~6.0成人 1001~1500 mL小児 556~833 mL/m23>506.1~15.0成人 >1500 mL小児 >833 mL/m24全身性紅皮症, 水疱形成>15.0高度の腹痛(+/-腸閉塞)*1:他の疾患を合併している場合は当該臓器のstageを1つ下げる,また複数の合併症が存在したり急性GVHDの関与が低いと考えられる場合はstageを2~3下げてもよい.*2:成人では“rule of nines”,小児では“rule of fives”に従う.*3:胃・十二指腸の組織学的証明が必要.表2 急性GVHDのgradeGrade皮膚 stage肝臓 stage消化管 stageI1~200II3または1または1III-*2~3または2~4IV4または4-*:Grade判定に関与しないいる臓器の数と各臓器の障害scoreに基づいて(表4),総合重症度を判定する(表5).4予防 たとえヒト白血球抗原(HLA)一致ドナーからの移植であっても,GVHD予防は必須である.シクロスポリン(CsA),タクロリムス(Tac),メトトレキサート(MTX), 急性GVHDの鑑別疾患を確認しておこう(表3).疾患によっては,逆に免疫抑制剤の減量が必要となるものもあり,注意を要する.Pitfall!表3 急性GVHDの鑑別疾患症状鑑別疾患皮疹前処置による皮膚障害,薬剤アレルギー,HHV-6再活性化,ブドウ球菌性皮疹黄疸前処置による肝障害,薬剤性肝障害,肝中心静脈閉塞症,ウイルス性肝障害,敗血症,血栓性微小血管障害下痢前処置による腸粘膜障害,ウイルス性腸炎,血栓性微小血管障害,細菌性・真菌性腸炎ミコフェノール酸モフェチル(MMF),抗胸腺細胞グロブリン(ATG)などの免疫抑制剤を2剤以上組みあわせることが多い.最も一般的なのはCsA+MTXまたはTac+MTXで,他にCsA+MMF,Tac+MMFや,ステロイド剤と組みあわせることもある.ATGは,臍帯血移植を除くHLA不適合移植で用いられることが多い.それぞれの薬剤の具体的な投与法を示す(表6).CsAやTacは,治療を要するGVHDがなければ移植後1~2か月で内服へ変更
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