2180小児救急治療ガイドライン 改訂第3版
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B呼吸器疾患8.頸部感染症209保護者への説明のポイント頸部腫瘤に気づいてリンパ腫など悪性疾患をイメージして受診する保護者が多いので,各種疾患が存在することを説明し,必要な検査を行うことを同意してもらうべきである.各種疾患の鑑別疾患には画像検査が不可欠であり,検査施行のための鎮静や放射線科医などの専門医の意見を参考とすることを説明しておく.耳下腺炎が疑われる場合には,ムンプスの流行の有無を尋ねるとともに,ムンプスの合併症である片側聾(約1万人に1人の頻度),髄膜炎(約100人に1人の頻度)について必ず説明しておく.反復性感染の場合には,先天異常に基づく疾患が存在することを説明し,適切な画像診断の必要性と専門医(小児外科)での治療の必要性を説明する.流涎や嚥下痛・嚥下困難がみられる場合には,咽後膿瘍など緊急性の高い疾患が多いことを説明し,高次医療機関への転送を含めた専門医(耳鼻咽喉科)によるコンサルトの必要性を説明する.頸部を痛がる,動かさない,斜頸などの主訴での来院の場合には炎症性斜頸など整形外科領域の疾患も紛れるが,蜂窩織炎・皮下(深部)膿瘍などは一晩で急速な病勢進行を示し病状が完成するため,その進行度の説明も行っておく.全身性疾患の局所症状としての頸部リンパ節炎(腫脹)の場合もあるため,血液検査など全身性疾患(川崎病など)を念頭に置いた検査が必要であることも説明する.文献1)金子隆:頸部の腫瘤.小児診療2007;70(Suppl):414-4172)金森豊:先天性頸部瘻孔・胞.小児外科2006;38:1379-13833)横路征太郎:頸部感染症.市川光太郎(編著);内科医・小児科研修医のための小児救急医療治療ガイドライン.診断と治療社,2004;205-208

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