2183循環器研修ノート 改訂第2版
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2581基本的な考え方 不整脈には,徐脈性不整脈と頻脈性不整脈があり,さらに頻脈性不整脈は上室性と心室性に分けられる(図1).不整脈の検出には,随時検出から長時間検出まで様々なアプローチが用いられており,不整脈を認める時間帯や状況に合わせて検出方法を変え,誘発試験も積極的に活用していく.現在では,コンピュータ解析を基にして不整脈を三次元的に可視化することも可能となっている.2不整脈の種類と診断法a 洞不整脈……………………………… 正常心拍は,洞結節内の各細胞がそれぞれ異なる電気信号を出し,一つに統合することでつくり出されている.正常心拍に交感・副交感神経要因が加わった心拍変動が,洞不整脈である.洞不整脈は正常な生体反応であり,治療の必要性はない.b 徐脈性不整脈………………………… 成人の正常心拍数は60~100 bpmであり,徐脈とは心拍数60 bpm以下を指す.しかし,臨床的に徐脈とはRubenstein分類に基づき50bpm以下とされている.なお,bpmがbeat per minute (拍/分)で自己心拍を表すのに対して,ppmはpacing per minute (ペーシング/分)でペースメーカ心拍を表している.徐脈性不整脈には,洞不全症候群と房室ブロックがある.B 不整脈不整脈の種類と診断法1DOs 基線上の心房波形に着目し,特徴的波形とR波との連動性を確認する. 12誘導心電図だけでなく,長時間記録法を積極的に活用しよう. 自覚症状や随伴症状がないか,心臓手術歴がないかを詳しく聴取しよう.図1  不整脈の分類洞不全症候群房室ブロック上室不整脈心室不整脈徐脈性不整脈頻脈性不整脈 I群:洞徐脈 II群:洞停止 洞房ブロックIII群:徐脈頻脈症候群第1度房室ブロック第2度房室ブロック ・Wenckebach型(Mobitz I型) ・Mobitz II型 ・2:1房室ブロック ・高度房室ブロック第3度(完全)房室ブロック心房期外収縮心房頻拍心房粗動心房細動WPW症候群発作性上室頻拍心室期外収縮心室頻拍心室細動torsades de pointes

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