2199愉しく学ぼう 小児の臨床神経生理
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21び正中腺を基準に左右それぞれの大きさに対して均等分割をすればよい.電極位置のズレが左右差の原因とならないようにすることが大切である.1)ペーストの選択 電極装着の際に使用するペーストは,頭皮と電極を圧着させ,生体電気信号を得るために必要である.ペーストが少量で電極全体に行き渡らないと空気などが入ってアーチファクトの原因になるが,逆に多すぎても頭皮との圧着が不十分となる.ペーストは適量を頭皮上と電極側につけ,しっかりと圧着するようにする.また,粘度の異なるものがあることから,長時間脳波や発汗の多い頭皮に使用する場合には,やや粘度の高いペーストを用いるとよい(図1)2.2)電極を束ねる工夫 通常,脳波検査では交流障害(電磁誘導)を除去する目的で,電極装着後に電極コードを束ねておく.この電極コードをあらかじめ三つ編み状に編み込んでおき,装着位置と電極の色を決めておくと,電極ボックスからコードを一本ずつ手繰り寄せる手間がなく,短時間での装着が可能ある.さらに床に電極を落とすことなく衛生的で,しかも乳幼児では顔周囲にコードがまとわりつく心配もない(図2).3)電極の固定 多動のある乳幼児や小児には,電極の固定にも工夫が必要である.キャップ電極もよいが包帯を手早く巻くのも効果的である.圧縮包帯を使って頭部全体を包むように固定すると,ほとんど外れることはない.しかも慣れるとかなり短時間で固定でき,脱着可能なミニ電極ボックスを使用すれば可動域も広がるため,覚醒時の脳波記録時には有用である.4)接触抵抗を下げる工夫 アーチファクトの少ないきれいな脳波を記録する上で最も重要なのは,電極の接触抵抗をきちんと落とすことである.個々の電極はもちろん,電極間の接触抵抗を下げることが大切である.特にベッドサイドのように多くの医療機器が装備された状況下では,接触抵抗を5kΩ以下に下げることは必須である3.一般的に,接触抵抗を落とすには紙やすりや研磨剤が使われる.髪の流れに沿って地肌をかき分け,綿棒に研磨剤をつけて数回こすると,簡単に抵抗を落とすことができる.しかし,乳幼児のように肌が敏感な場合には,研磨剤は皮膚を傷つける恐れがあり注意が必要である.そういう場合には,蒸しタオルで皮膚を温めるのも効果的である4.2粘度の低いペーストは発汗によって溶けやすいため,必要に応じて粘度の高いペーストを使用するとよい.カット綿はペーストのついた電極を頭皮に固定するために使用するが,包帯を使用する場合はなくてもよい.3通常の脳波検査の場合,接触抵抗は30kΩ以下でも十分記録可能だが,脳死判定等の高感度記録(2μV/mm)では,5kΩ以下が必須である.4脱脂綿の使用は頭皮の脂や汚れを取り,接触抵抗を下げることができるが,使用時にはアルコールアレルギーの有無を必ず確認する.図1 電極装着に必要な消耗品圧縮包帯カット綿綿棒粘度の低いペースト粘度の高いペースト研磨剤テープ総論
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